岡本和はリーグトップの20本塁打をマークしている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 プロ野球は前半戦をまもなく終了、球宴をはさんでいよいよ勝負の後半戦に突入する。

 3年ぶりのV奪回を目指す巨人は最近では坂本勇人大勢の離脱など主力にアクシデントもありながら、上位争いに食い下がっている。そんな巨人の前半戦の戦いぶりには球界内からも様々な考察の声が出ている。

【動画】これぞ令和の名勝負!侍ジャパン対決ともなった岡本和は2回に今永から今季20号となる特大のアーチを放った

 巨人でかつてエースを務め、レジェンドOBの一人、野球解説者江川卓氏は自身のユーチューブチャンネル「江川卓のたかされ」を13日に更新。セ・リーグ各球団のここまでの戦いぶりについて言及している。

 まず首位に立つ阪神については特筆すべき点として「いい2番になりましたね、絶賛です」と中野拓夢選手を褒めたたえた。具体的には初球ストライクは振らない、四球をしっかり選ぶ、狙った方向に打球を飛ばせるなど2番打者としての働きがしっかりできていることが大きいとした。

 一方で現在4位の巨人に関しては、右太もも裏肉離れで離脱している坂本が戻ってきて、打線を組み直すときが一つのポイントとした。

 交流戦で主に1番を打った坂本が機能したことで貯金を増やしたとあって、チームの主軸の復帰を期待する場面もあった。

 また打線に関しては秋広優人が相変わらず高打率を残していることや、中田翔も好調を維持していることを好材料としながら、問題点としては「打線をつなげるというメンバーがそろってない」ことを挙げた。

 最近の試合でも安打は出ながら、ここぞというときに打ち取られる場面が目立つことには「いいピッチャーバッターに(対して)こういう三振のとりかたある、というのがぽつぽつあるんですよ」とコメント。

 続けて「岡本さん、中田さん以外は三振のとりかたがピッチャーによっては分かってしまうというチーム状況なんですよ」と好投手相手には、一定の野手陣の攻略法が浮き彫りになっていることが課題とした。

 実際に原辰徳監督もここまでの戦いで広島、阪神など安定したピッチングスタッフをそろえるチーム相手には極端にロースコアとなる傾向を認めている。

 故障者も出ながら前半戦は秋広、また好守備が光るドラフト4位ルーキー門脇誠など「育てながら勝つ」道筋もつけてきた。これまでも様々な方法でチームを浮上させてきた原監督が後半戦に向け、どんな勝負手を打ってくるのかも今後注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


「岡本さん、中田さん以外は…」原巨人 つながり欠く打線の「課題」を レジェンドOBが解説