岩浪れんじによる同名漫画を、馬場ふみかを主演に迎えて実写映画化した『コーポ・ア・コーポ』が、11月17日より公開されることが決定。併せて、馬場と、共演の東出昌大、倉悠貴、笹野高史らをそれぞれ捉えたキャラクター写真が解禁された。

【写真】東出昌大、倉悠貴、笹野高史らが演じる映画『コーポ・ア・コーポ』キャラクターたち

 原作は、コミックサイト「COMIC MeDu(こみっくめづ)」に連載され、独特の世界観でコアなファンを量産し続ける漫画「コーポ・ア・コーポ」(株式会社ジーオーティー刊)。大阪の安アパート・コーポの訳ありな住人たちを取り巻く人間模様を、生々しく飄々(ひょうひょう)と、時に温かな眼差しで描く。「苦役列車」「無銭横町」など破滅型の私小説で知られる芥川賞作家の西村賢太氏が、生前に「得体の知れぬ日常を底知れぬ生命力で渉(わた)る。そんな人たちが、ここにいる」と称賛を贈った“今、読むべき”衝撃作だ。

 家族のしがらみから逃げ、どこか人生を諦観しているような主人公・辰巳ユリを演じるのは、女優、モデルとして活躍する馬場ふみか。劇中でスカジャンを羽織った馬場が、終始無気力そうな表情でタバコを吸う姿は、原作のユリを見事に体現している。

 いつもきちんと背広を着ているサラリーマン風情だが、その素顔は女性に貢がせて生計を立てている中条紘を東出昌大。日雇いの肉体労働をし、すぐ部屋に女性を連れ込む石田鉄平を倉悠貴。人当たりは良いが怪しげな商売を営む宮地友三を笹野高史が演じる。

 そのほか、ユリの弟・カズオに前田旺志郎、女子大生・高橋に北村優衣、いつもタバコを交換したがるおばさんに藤原しおり、そして、ユリを毛嫌いする母親・信乃には片岡礼子と、多彩なキャスト陣が集結。ユリたち4人を中心に、彼女たちの過去や人間関係が徐々に紐解かれていく中で、しぶとく生きる人間の底力が浮かび上がる。

 本作について、主演の馬場は「周りの環境に少しずつ影響を受けながらも、決して流されるわけではなく、淡々と日々を生きていくユリの姿はとても愛おしかったです」と語り、「『どうしようもないなぁ』と思うけれど、なんだか愛せるコーポの住人たちと彼らを取り巻くさまざまな環境。少しずつ変化し、ゆらぎながらも暖かく存在し続ける…そんな映画になっていると思います。劇場でこの“ゆらぎ”を体感してほしいです」とメッセージ。

 原作の岩浪れんじは「公開されるまで『(映画化は)本当なの?』と思い続けるんだろうなと思いますが感動が後から追ってくるタイプなので、公開後自分の漫画が映画になった事がとても嬉しくなって一生の記念になるんだろうなと思うと今から楽しみです。本当だと良いな」とコメントを寄せている。

 映画『コーポ・ア・コーポ』は、11月17日より全国公開。

 主演・原作者コメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

馬場ふみか(辰巳ユリ役)

 何があってもなくても、ただ生きているから今日も生きていく。ぶっきらぼうなようで、優しく繊細に他人の心を感じるユリでした。周りの環境に少しずつ影響を受けながらも、決して流されるわけではなく、淡々と日々を生きていくユリの姿はとても愛おしかったです。

 「どうしようもないなぁ」と思うけれど、なんだか愛せるコーポの住人たちと彼らを取り巻く様々な環境。少しずつ変化し、ゆらぎながらも暖かく存在し続ける…そんな映画になっていると思います。劇場でこの“ゆらぎ”を体感してほしいです。

■岩浪れんじ(原作)

 コーポ・ア・コーポは私にとって初めての連載作品なのですがまず連載が決まった時「本当か?」と思い連載が始まって「本当だった」となり単行本になると聞いて「本当に?」となり一巻が出て「本当だった」と思いましたので、映画化しますと聞いてまた「本当に?」と思い、担当さんから脚本などいただき「本当?」と思い続け、キャストさんやスケジュールなどを聞き「本当なのか?」と思い、皆さんよりちょっと先に観まして「ここまで来ると本当なのかもしれない?!」と思いまして今これを書いています。

 公開されるまで「本当なの?」と思い続けるんだろうなと思いますが感動が後から追ってくるタイプなので公開後自分の漫画が映画になった事がとても嬉しくなって一生の記念になるんだろうなと思うと今から楽しみです。本当だと良いな。

映画『コーポ・ア・コーポ』主演・馬場ふみか (C)ジーオーティー/岩浪れんじ