2024年7月~11月、東京・大阪にて上演される、ミュージカルビリーエリオットリトルダンサー~』。この度、ウィルキンソン先生の娘デビー役と、バレエガールズ役のオーディションを開催することが発表された。

不況に喘ぐ英国北部の炭鉱の町を舞台に、ひとりの少年と彼を取り巻く大人たちの姿を描いた映画『BILLY ELLIOT』(邦題『リトルダンサー』)。アカデミー賞ノミネート監督であるスティーヴン・ダルドリー(映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』)が手掛けたその作品は、世界中の観客を虜にした。『ライオンキング』『アイーダ』などの傑作ミュージカルを手掛けた“ポップス界の生ける伝説”サー・エルトン・ジョンは後のインタビューで「すごく泣いた。泣きすぎて、観終わったあとは立ちあがるのに人の手を借りなければならなかったよ」と語っている。2005年、リー・ホール(映画『ロケットマン』『キャッツ』)が脚本・歌詞、スティーヴン・ダルドリーが演出を担当、そこにエルトン・ジョンが音楽で加わりミュージカル化され、世界中で成功を収めた。

2020年舞台写真/撮影:田中亜紀

2020年舞台写真/撮影:田中亜紀

2015年11月、日本初演に向けてビリー役の募集がスタートした。翌年4月には海外よりクリエイティブ・スタッフが来日し、応募総数1346名の中から10名のビリー役候補が選出されてレッスン形式のオーディションを開催。そして約1年にわたるオーディションを勝ち抜き、日本でビリーエリオットを演じる5名が決定。彼らと、そして同じくオーディションで選ばれた実力派大人キャストを迎えた『ビリーエリオット』日本初演が2017年7月に開幕した。連日多くの観客が劇場に詰め掛け、約4ヶ月に渡り東京・大阪でロングランされた本作は、約16万人の観客を興奮と感動の渦に巻き込んだ。本作は、2017年の菊田一夫演劇賞大賞、読売演劇大賞 選考委員特別賞など数多くの演劇賞を受賞。そして、2020年9月、新型コロナウイルスの影響による一部中止を乗り越え、新たにオーディションで選ばれたビリーエリオット役4名とともに東京・大阪にて再演された。

2020年舞台写真/撮影:田中亜紀

2020年舞台写真/撮影:田中亜紀

そんなミュージカルビリーエリオット』が2024年7月~11月に上演する。

タイトルロールのビリーエリオット役と、ビリーの親友であるマイケル役のオーディションは既に募集されており、新たな候補者がビリーマイケルを目指して奮闘中だ。今回も1年以上にわたるレッスンを積み、新たなビリー役が誕生する。

そして、今回、デビー役とバレエガールズ役のオーディションが8月に開催されることとなった。デビー役・バレエガールズ役は見た目や性格も様々。 “ありのままでいい”“個性が世界を救う”という作品のテーマを体現する個性豊かな少女たちを演じられる方を募集するそうだ。

募集要項は公式サイトに掲載されており、舞台経験は問わず、自分を表現することが大好きな方は応募してみてはいかがだろうか。

2020年舞台写真/撮影:田中亜紀

2020年舞台写真/撮影:田中亜紀

 
【あらすじ】
1984年の英国。炭鉱不況に喘ぐ北部の町ダラムでは、労働者たちの間で時のサッチャー政権に対する不満が高まり、不穏な空気が流れていた。数年前に母を亡くした少年・ビリーもまた、炭鉱で働く父と兄、祖母と先行きの見えない毎日を送っていた。

父はビリーに逞しく育って欲しいと、乏しい家計からお金を工面し、ビリーボクシングを習わせるが、ある日、バレエ教室のレッスンを偶然目にし、戸惑いながらも、少女達と共にレッスンに参加するようになる。ボクシングの月謝で家族に内緒でバレエ教室に通っていたが、その事を父親が知り大激怒。バレエを辞めさせられてしまう。

しかし、踊っているときだけはツライことも忘れて夢中になれるビリーは、バレエをあきらめることができない。そんなビリーの才能を見出したウィルキンソン夫人は、無料でバレエの特訓をし、イギリスの名門「ロイヤルバレエスクール」の受験を一緒に目指す。

一方、男手一つで息子を育ててきた父は、男は逞しく育つべきだとバレエを強く反対していたが、ある晩ビリーが一人踊っている姿を見る。それは今まで見たことの無い息子の姿だった。ビリーの溢れる情熱と才能、そして”バレエダンサーになる”という強い思いを知り、父として何とか夢を叶えてやりたい、自分とは違う世界を見せてやりたい、と決心する。

11歳の少年が夢に向かって突き進む姿、家族との軋轢、亡き母親への思い、祖母の温かい応援。度重なる苦難を乗り越えながら、ビリーの夢は家族全員の夢となり、やがて街全体の夢となっていく……。

 

ミュージカル『ビリー・エリオット ~リトル・ダンサー~』