今回は1999年8月のデスクトップPC市場を振り返る。当時、intelのCeleronを搭載したデスクトップPCが最も売れており、PowerPC G3が続く。PowerPC G3とは、AppleとIBM、Motorolaが共同で開発したCPUだ。他に標準搭載メモリは64MB、搭載HDDの容量は8.4GBと、今では信じられないようなスペックだ。では、メーカーシェアはどうだったのか、当時BCNが収集していたデータを集計してみた。

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 99年8月のデスクトップ市場において、首位を獲ったメーカーはアップルでシェアは27.9%。以下、NECが22.3%、富士通が17.9%、SOTECが10.0%。ソニーは9.0%、日本IBMは5.2%、コンパックは4.3%と続く。現在でもランキングデータに登場するメーカーはアップル、NEC富士通のみ。他のメーカーの行く末を簡単に紹介すると、SOTECが99年12月にキョウデンと資本・業務提携、ソニーは14年にVAIOに移管、日本IBMは05年にPC部門をLenovoへ買収、コンパックは02年、HPに吸収合併されるなど、いろいろなことが起こった。

 メーカーシェアトップのアップルをけん引していたのは、「iMac G3-333」だ。iMac G3は98年8月に日本で発売、以後スペックをアップグレードしながら次々と製品を発売していった。iMac G3-333が99年4月に発売となり、アップルのシェアをけん引。同社のうちほぼ7割を占めている。iMacは多色展開しており、カラーバリエーションの構成比は、ブルーベリーが49.6%、タンジェリン(14.4%)、グレープ(12.5%)、ライム(12.1%)、ストロベリー(11.5%)だった。

 余談となるが、メーカーシェアで4位に入ったSOTECは、99年7月に「e-one 433」を発売。しかし、iMacに酷似しているということで、アップルと訴訟問題に発展し、製造および販売禁止の処分を受けたという出来事もあった。

デスクトップPC メーカー別販売台数シェア