ライブ後半では、佐橋佳幸(G)、小原礼(B)、屋敷豪太(Dr)、Dr.kyOn(Key)、斎藤有太(Key)、西海孝(Cho)、Lauren(Cho)、そして小坂の娘であるAsiah(Cho)と孫のRaine(Cho)からなるThe Last Bandがバックバンドを担当。まずは西海、Lauren、Asiah、Raineによるコーラス隊がアカペラで「I Love People~夢を聞かせて」を披露し、美しいハーモニーを場内に響かせる。続けてステージに登場したのは高野寛。高野は、自らが歌詞を提供した楽曲「everyday angel」をスタイリッシュかつ艶やかに歌い上げた。金子マリがチョイスしたのは「Hot or Cold」。バンドが繰り出すヘビーなファンクサウンドに乗せ、金子は持ち前のパワフルな歌声で観客を圧倒した。尾崎亜美が心地よさそうに体を揺らしながら「ボン・ボヤージ波止場」を歌い場内にハッピーなムードを作り上げたのち、ステージに登場したのはさかいゆう。晩年の小坂にかわいがられていたという彼は、張りのある歌声で「風来坊」を歌唱。凄腕ぞろいのミュージシャンによるバックアップに興奮を隠しきれない様子のさかいは、続けて、あふれ出す昂揚感をそのままに「しらけちまうぜ」をテンション高く歌い上げた。洋楽しか聴かなかった頑固な10代の終わり頃に、小坂の歌を聴いて衝撃を受けたという中納良恵(EGO-WRAPPIN')はミディアムチューン「つるべ糸」を情感たっぷりに歌唱。この選曲は高さん直々によるものだという。続くゲストは田島貴男(Original Love)。ギターのセッティングを終えた田島は威風堂々とした佇まいで「ほうろう」を熱唱。存在感たっぷりのソウルフルな歌声で会場の空気を震わせる。本編最後の「ゆうがたラブ」では、さかい、中納、田島が順繰りにボーカルを担当。それぞれの歌声を通じて互いのソウルをぶつけ合った。
アンコールではスペシャルゲストとして佐野元春が登場。佐野はデビュー前に小坂と出会った頃のことや、自らのアルバム「Cafe Bohemia」のトリビュートライブに小坂が参加してくれたことをしみじみ振り返ると、「ふたりの理由、その後」を歌唱。自らが小坂に提供したミドルバラードを噛みしめるようにして歌った。ライブの最後を飾ったのは小坂の娘・Asiah。彼女は父の死後に佐橋と共作したという楽曲「Just Like You」を凛とした佇まいでまっすぐ歌い上げてメモリーライブの幕を下ろした。
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