県庁や市役所といった空間に「お堅い」イメージを抱いている人は決して少なくない。

しかし現在ツイッター上では、そんなイメージをぶち壊すが如く「ユニークなデザイン」をした県庁のベンチに、称賛の声が寄せられているのをご存知だろうか。

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■県庁前のベンチ、何かがおかしい…

今回注目したいのは、福井県庁チャレンジ応援ディレクター(COD)・寺井優介氏の投稿した1件のツイート

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こちらの投稿には、広場に設置されたベンチの写った写真が添えられているのだが、何やら通常のベンチより「デコボコ」した箇所が多いような…。

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それもそのはずで、ツイート本文には「県庁前のベンチよく見たら恐竜」と、衝撃的なネタばらしが綴られていたのであった。


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■「遊び心が最高!」

側面のパーツを「恐竜」にアレンジしたデザインのベンチはツイッター上で瞬く間に話題となり、前出のツイートは投稿から2日足らずで2万件近くものRTを記録。

「こういう遊び心、最高ですね!」「設計者はセンスあるなぁ」「子供は喜ぶし、大人が見てもかわいい」といった称賛の声が続出しており、海外の恐竜ファンからも多数のリプライが寄せられていた。

中には「絶対福井だろと思ったら、福井だった」「ひと目で福井と分かってしまうデザイン」といった声も見られ、人々の中には「恐竜=福井」の図式が出来上がっている模様。

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そこで今回は、話題の「恐竜ベンチ」の詳細をめぐり、管理元である「福井県総務部財産活用課」に詳しい話を聞いてみることに。すると「恐竜王国」の矜持を感じさせる、様々な事実が明らかになったのだ。


■それにしても福井県、ノリノリである

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今回話題となったベンチは、福井県庁前の広場に4台設置されたもの。同県庁は福井城址の本丸跡地に建設され、歴史を感じさせる石垣と近代的な建物が見事に調和した、全国的にも珍しい空間である。

JR福井駅から近く、堀や多くの樹木に囲まれていることから、多くの観光客や近隣住民に「憩いの場」「定番の散歩コース」として愛されているのだ。

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こうした背景を踏まえ、財産活用課・担当者は「そんな福井県庁(福井城址)に訪れる方々に『やすらぎ』を感じて頂きたく、今年(2023年)の6月にこちらのベンチを設置しました。座った際に、さりげなくあしらった恐竜に気づき『福井らしさ』を感じて頂けたら嬉しいです」と、ベンチ設置の経緯について説明している。

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なお、ベンチの恐竜は、福井県を象徴するその名も「フクイサウルス」と、大型草食恐竜の「ブラキオサウルス」をモチーフにデザインされたもの。材木には福井県産の杉を使用しているほか、もちろん製作したのも福井の企業…と、とことん「福井づくし」なベンチだそう。


■福井が「恐竜王国」と呼ばれるワケは…

恐竜に対する並々ならぬ熱意と、愛情を感じさせる福井。それもそのはずで、同県勝山市には、日本最大の恐竜化石発掘現場が存在し、なんと日本で発見された恐竜化石のうち、約8割が福井県で見つかっているのだ。

福井県で初めて発見された恐竜化石も少なくなく、前出の「フクイサウルス」ほか、「フクイラプトル」「フクイベナートル」「フクイティタン」など、福井の名を冠した恐竜も多数存在するという。

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前出の勝山市には、世界三大恐竜博物館の1つに数えられる「福井県立恐竜博物館」があり、県内外から多くの人々が訪れる、恐竜ファンにとっての「聖地」として人気を博しているのだ。

こうした背景から、いつからか福井は「恐竜王国」と呼ばれるようになり、福井駅周辺や道の駅などには恐竜のモニュメントが多数設置されるようになった…というワケである。

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話題のツイートを投稿した寺井氏からも「以前『恐竜王国福井』のPRを担当をしていた身として、このように改めて『恐竜王国福』を全国に向けて発信することができて嬉しいです!」「14日より、福井県立恐竜博物館がリニューアルオープンしました。この夏休みは、至る所に恐竜がいる福井県にぜひ遊びに来てください!」と、熱いメッセージが。

同県を訪れる際は、隠れミッキーならぬ「隠れ恐竜」を、余すことなく探してみてほしい。

■これは福井にしかできないデザイン…!

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

妙にゴツゴツしたベンチ、座ろうとして驚き… 側面に隠れた「真の姿」に称賛相次ぐ