多くの有望選手たちを引き抜いてきたマンチェスター・ユナイテッド。
2012年には香川真司とともに当時18歳だったニック・パウエルを獲得した。
俊英アタッカーとして期待されていたが、結局、ユナイテッドでは9試合1ゴールに終わっている。
元ユナイテッドDFパトリス・エヴラは自伝で「彼は溶け込めなかったし、チームの一員でもなかった。何を考えているのかさっぱり分からなかった。若い子だったが、ユナイテッドで判断されるのに若すぎることはない」とパウエルについて記している。
そうしたなか、本人は『The Athletic』でユナイテッド時代の苦闘をこう語ったそう。
「純粋に自分がユナイテッドの選手だと感じることができなかった。それで自分をすり減らしていった。
自分がそこにいるべきだと信じることが難しかった。
『ここで何してんだ、クソ』って考えていたので、少し孤立していた。それが一番の問題だったかもしれない。
家に帰って、全てを忘れようとしたよ。それが僕がお構いなしだったと皆が思っている理由のひとつだ。
家に持ち帰るとよりイライラするので、家に持ち込みたくなかったんだ。
プレイステーションでCall of Duty(FPSゲーム)なんかをやって、自分がサッカーをできていない事実を忘れようとしたよ」
「ある日の練習で足を滑らせてしまい、ポール・スコールズを倒してしまったことを覚えている。
彼に『すみません、滑ってしまった』と言ったけれど、みんなは怒っていたよ。
次にボールを受けると彼からクソほど削られた。みんな笑っていたよ。素晴らしい、here we goってね。
(シーズン後に手術を受けた後、6週間動かなかったことで当時コーチだったフィル・ネヴィルには激怒された)
パスができなかった。自分がダメなことは分かっていた。
彼から隅に呼ばれると、『ユナイテッドでプレーしたいなら、いまよりはるかに良くならなければ話にならない』と言われた。
『そんなことは分かってんだよ!』って思ったね。
怪我から復帰したばかりで、実質1年ほどプレーしていなかったし、ユナイテッドの選手という実感もまだなかった。
そういう些細なことにイラついた。そんなことは言われるまでもなかった。
コーチとしてやっただけだし、フィルに恨みもないけれど、あれにはちょっと腹が立ったね」
ユナイテッドでは孤立してしまい、先輩からの厳しい洗礼も浴びたとか。
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