マウンド上でも感情をむき出しにする素振りを見せていた大谷。彼を援護できなかったチームには批判の声が相次いだ(C)Getty Images

 チームの脆さを露呈するようなゲームだった。現地7月14日に本拠地で行なわれたアストロズ戦にエンゼルスは5対7で敗北。これで6連敗となり、レギュラーシーズンの後半戦から厳しい船出となった。

 大谷翔平が「2番・指名打者兼投手」で先発マウンドに立ったこの日、エンゼルスは攻守に精彩を欠いた。

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 2回裏に2点を先制しながら、大谷が攻め込まれた4回表に同点とされると、問題のプレーが5回表に1点を勝ち越されて迎えた1死2塁の局面で起きる。相手4番のホゼ・アブレイユが初球を打ってボテボテのサードゴロに倒れたのだが、ここでサードのルイス・レンヒーフォがまさかのお手玉。ボールが三遊間を転々とする間に二塁走者の生還を許したのだ。

 右手中指の割れた爪とマメの影響もあってか思うように投げ切れず、マウンド上でも「クソッ」とFワードを用いて漏らしていた大谷。それだけに打ち取った当たりを弾かれた軽率なレンヒーフォのミスには、両手を膝について「嘘だろ」と言わんばかりの表情を浮かべた。

 守備で起きたミスのネガティブな影響は攻撃にも波及する。4対7とビハインドを追っていた7回裏にエンゼルスは無死一、二塁の局面を作るも、9番のマイケル・ステファニックが送りバントを失敗。さらにベースから飛び出していた二塁走者のハンター・レンフローが、打球を補給した相手捕手マーティン・マルドナードに刺されて痛恨のダブルプレーに。絶好機をふいにしたのである。

 もちろん、抜け目のないアストロズプレーは際立っていた。とはいえ、エンゼルスは平凡な内野ゴロでダブルプレーを取れなかった記録に残らないミスを含めて集中力を欠いている感が否めない。ゆえに批判の声も噴出した。

 エンゼルスの専門サイト『Halo Hangout』は「まだ明らかに指を痛めている影響があるのに、ここでオオタニを先発させる意味が分からない」と指揮官の決定を嘆いたうえで、「バントなんか絶対にさせるな」と主張。さらに米メディア『The Athletic』でエンゼルス番を務めるサム・ブラム記者は「おそらくオオタニが気にしていたのは爪だ。ネビンは試合前に『もう問題ないだろう』と言っていたが、気になるようだ」と懐疑的な意見をツイートしている。

 内容も同地区のライバルに圧倒されたエンゼルス。今季初めての借金2となり、悲願のポストシーズン進出が遠のく形となった黒星は、あまりに痛恨だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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