この夏、100億円を超える移籍金でイングランド代表MFジュード・ベリンガムを獲得したレアル・マドリー。対するバルセロナも財政難に苦しみながらもなんとか資金を捻出してきた。

ただ、『The Telegraph』によれば、UEFAは両クラブにある通告を行ったようで、ファイナンシャル・フェアプレー・ルール遵守が厳しくなる見通しになったという。

レアルバルサUEFAから、放送契約やメディア資産などの将来的な収入源を売却したことで得た資金は、FFPにおける正当な利益とはみなされないと通告されたとのこと。UEFAはそれらを利益ではなく負債としてみなすため、両クラブに懸念が生じているようだ。

昨夏、バルサは7億ユーロ(1092億円)で将来的な収入源を売却。レアルも昨夏、改装されたサンティアゴ・ベルナベウでの将来的収入を3.6億ユーロ(561億円)でアメリカの投資会社Sixth Streetに売却した。

両クラブの決算報告書ではそれらの売却で得た資金は利益とし計上されている。だが、UEFAはそれらを利益ではなく、負債として扱う。

また、今週金曜、UEFAバルサに対してFFP違反で50万ユーロ(7800万円)の罰金を科すと発表。

バルサはSixth Streetに売却した25年分の将来的収入(2.66億ユーロ=415億円ほど)の一部を正当な収入として提出しようとしていた。だが、UEFAはそれを拒否し、FFPに関連した誤った会計処理として罰金を科した。選手移籍以外の無形資産を処分したことによる利益は、規定上の関連収入はあたらないとしている。

レアルバルサが行ってきたこれらの施策は財政的“レバー”と呼ばれ、UEFAの見解に反して、ラ・リーガでは許可されてきた。

現行のルールでは4年間の総損失を計算するため、バルサはFFPをパスできたが、来年は大きな障壁に直面することになる。

来年度のバルサは将来的な収入源を売却することで4億ユーロ(624億円)の資金を得ようとしていたが、それはFFPでは利益として認められなくなったためだ。

【関連記事】レアル・マドリー、「最高に奇妙な補強」ワースト6

また、レアルも2021-22年度の決算で2300万ユーロ(35.8億円)の利益を計上したが、UEFAは見方は異なる。

UEFAは、レアルがSixth Streetに3.6億ユーロで売却した将来的な権利から差し引いた3.16億ユーロ(492億円)の利益対価を除外しており、FFPの観点からすると、2.93億ユーロ(457億円)の大幅損失を出したことになるのだ。

それでもレアルがFFPをパスできたのは、4年間の損益が合算されたため。レアルProvidenceというアメリカのグループにも将来的な権利を売却しており、これもUEFAのFFP遵守に影響を与える可能性がある。

レアルとバルセロナ、UEFAの通告でFFP遵守に懸念…将来的な収益源売却は利益ではなく負債扱い