この日の大谷の追撃弾は勝利にはつながらず。チームは手痛い敗戦を喫した(C)Getty Images

 前日同様、終盤で得点を取り合う展開となった。

 現地時間7月16日(日本時間17日)、エンゼルスは本拠地でアストロズと対戦し8-9で逆転負けを喫した。この日は8回を終えエンゼルスが7-5と2点リードで最終回を迎える。しかし、9回にエンゼルスクローザーとしてマウンドに上ったハイメ・バリアアストロズアレックス・ブレグマンカイル・タッカーに連続本塁打を浴び、最終盤で9-7と試合をひっくり返される。

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 その裏、一死後、この日「2番・指名打者」で出場の大谷翔平が中堅スタンドに特大の34号本塁打を放ち1点差に追い上げる。さらに、ミッキー・モニアクも内野安打で出塁、5番マイク・ムスタカスも四球でサヨナラランナーとして出塁、前日に続いての逆転劇へ期待が高まった。

 エンゼルス連勝を願うムードがピークに達する中、6番マット・タイスはアストロズフィル・メイトンの初球をとらえると鋭い打球がライトへ。右中間を抜けたかと思われたが、ライトのタッカーが飛び込んでダイビングキャッチ。これでスリーアウトとなり試合終了。エンゼルスの連日での歓喜とはならなかった。

 一方のアストロズは、前日のお返しとばかりに7・8・9回で計8得点。連日、「日本人スター」に土壇場での一発を見舞われるも、最後はかろうじて逃げ切った。

 試合後、メジャー公式サイト『MLB.com』では薄氷の勝利を掴んだアストロズの戦いぶりをレポートとして配信、熱戦を制したダスティ・ベイカー監督のコメントも伝えている。

 記事では、この3連戦を「アストロズエンゼルスが合わせて54得点、14本塁打を記録したシリーズ」と称しており、続けて「アストロズエンゼルスに大敗を喫した翌日、日曜の夜に形勢を逆転した」と報じている。

 さらに同メディアは9回に飛び出した大谷の本塁打について「エンゼルスのスーパースター、ショウヘイ・オオタニは、この日もインパクトを与えるつもりだった。彼は9回にリリーフ投手のフィル・メイトンから本塁打を放ち、ベイカーに恐怖を与えた」と振り返った。

 その上で、最終盤に1点差に詰め寄られた際、ベイカー監督が「(土曜)夜と同じことが起こっていた」「私は『ああ、いや、やめてくれ』と言っていたんだ」との心情を明かしていたとして、加えて、試合後には「昨夜、彼らは我々の心を痛め、今日は我々が彼らの心を痛めた」と語ったことも紹介している。

 敵地で辛くも勝ち越しを決めたアストロズ。しかし、指揮官も脱帽となるなど、あらためて「ユニコーン」の打撃スキル、そして勝負強さには最後まで苦しめられていたようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

大谷翔平、連日の追撃弾にアストロズ指揮官が心情を吐露「『やめてくれ』と言っていた」