7月25日(火)より、深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」の9作品目として、『埼玉のホスト』(毎週火曜深夜1:00-1:30、TBS※一部地域をのぞく)がスタートする。本作の主人公・ゆりかを演じるのは、TBSドラマ初主演となる山本千尋。武術太極拳の元選手で世界一の経歴も持ち、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022年、NHK総合ほか)では得意のアクションを披露した彼女が、本作で新境地に挑む。このたび、WEBザテレビジョンでは山本にインタビューを実施。笑い過ぎてNGが出たという撮影現場の様子や、個性あふれる共演者の印象、そして間もなくデビュー10周年を迎える今の心境について語ってもらった。
■ “埼玉”が舞台のラブストーリー&青春コメディー
同作は“何もかも中途半端な埼玉のホストたち”と、“ある秘密を持つ歌舞伎町トップホスト”、そして“男だけでなく人間全般を信用しない女”が目標のために時にぶつかりあい、時に励まし合い、新しいラブストーリー&青春コメディー。
ゆりかがホストにスカウトした岩槻キセキ役を福本大晴(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)、歌舞伎町No.1ホスト・赤坂ゲンジ役を楽駆が演じる他、木村了、中沢元紀、田中洸希、濱尾ノリタカ、守谷日和、中山咲月らが出演する。
■TBSドラマ初主演で挑む、これまでと“真逆”な役どころ
――新たな役どころへの挑戦だと思いますが、実際に演じてみていかがですか?
とてもありがたいことなのですが、今までアクションシーンがある役をいただくことが多かったんです。今回はこれまでとある意味真逆な役柄でありながら、自分の特技を生かせる場面もあって。
それに、これだけ長いせりふを与えていただいたのも初めてだったので、挑戦でもありました。私は関西出身なのですが、これまで数回ほどしか訪れたことのない埼玉を舞台とした作品で主演を任せていただけて、とてもうれしかったです。
――今作で演じるのは超優秀なコンサルタントでありながら人を信用しない女性ですが、演じる上で意識していることはありますか?
人間味はありつつも、とても冷酷な役だなと感じています。演じる中で言葉に説得力を持たせるためには知識がないといけないなと思ったので、勉強から始まりましたし、キャラクターのビジュアルもスーツにピンヒールだったので立ち姿だけでも“バリキャリなんだな”と思ってもらえるように意識しました。
■福本大晴は「すごく繊細で真面目な方」
――“ホスト”という職業を知っていく中でイメージは変わりましたか?
今回、ホストクラブを立て直すコンサルタントの役を演じるということで、ホストクラブに初めて行かせていただく機会がありまして。実際にホストクラブに行ってみると、百貨店で接客していただいているような居心地の良さがあったんです。
今回の脚本の男の子たちとはいい意味でずれていたので、「エーイチ」で働く彼らにはホストクラブの見学をしたということは極力言わなかったのですが、私自身はホストに愛着が湧くようになりました。
――共演シーンの多い福本さんの印象を教えてください。
年は下なのですが、同じ関西出身で、彼自身がすごく繊細で真面目な方で、お芝居に対して誰よりも真っすぐだったんです。「自分はそこまでドラマの経験がないから」とおっしゃっていたのですが、そんな彼の姿勢が私たちに“お芝居を作り上げていく環境ってこうだよね”と教えてくれてるような存在で。
でも、オフの時はバリバリの関西人で、福本くんがいてくれるおかげでみんなが明るくなりましたし、私は彼のことをこの作品で一番のヒロインだと思っているので、新しい風を吹かせてくれたなと思います。
――同じ関西出身ということで福本さんと話している時は関西弁になるのでしょうか?
そうですね、(福本は)年下だし、敬語を使うのも変なので…。それに、関西弁で話しかけてもらったのに、標準語で返すのもどうなんだろうと思って、基本的には関西弁でした。
――撮影中に関西弁が出てしまうことはありますか?
録音部さんに「イントネーションが違う」と二人してしっかり指摘されていました(笑)。皆さん標準語で私たちだけ関西人だったのですが、標準語だと思っていたものが、カタコトみたいになっていて。
お互いに指摘し合える環境ではあったので、それがネタになったりもして、いい空気感ではありましたね。
――それでは楽駆さんはいかがですか?
一番大人な方です、ちょっと抜けてるんですけど(笑)。私が演じるゆりかの中で(楽駆演じるゲンジは)重要なキャラクターなのですが、一緒にお芝居をしていて安心感がありました。楽駆さんは同い年なのですが、出会えてよかったなと思える存在です。
■『埼玉のホスト』は「大事な作品の一つになりそう」
――撮影中に起こったハプニングで印象的なものがあれば教えてください。
それでいうと、よく笑い過ぎてNGを出してしまいました。私の演じるキャラクターがあまり笑わないのですが、みんなはすごく盛り上がっていて。
それに芸人の守谷さんが本当に面白くて! 芸人さんの才能だと思うのですが、ト書きで一行書かれているだけのものをすごく膨らませて面白くしてくださるんですよ。木村さんも一緒になって笑かしにくるので、それを我慢するのが大変でしたね。
――コメディー作品ならではの魅力や難しさはどういった部分でしょうか?
コメディーって本当に難しいと思うんです。“面白い”を狙うと面白くなくなってしまいますし…でも、男性キャスト陣が本当に素晴らしい才能を持っていらっしゃって。
撮影前に2日間のリハーサルがあったのですが、その期間中に“私たち1カ月一緒にやってきたよね”というくらい仲を深めることができたので、本当に理想的な環境で作品を撮れているなと思います。
――今後もコメディー作品には出演していきたいですか?
それは出たいですよ! コメディー作品って本当に楽しいので。今回、特にみんなで作っていくという思いが強い作品だったので、まだドラマはスタートしていないのですが、シーズン2や映画化を勝手に狙っています(笑)!
――本作にはいわゆる胸キュンシーンもありますが演じてみていかがですか?
これまでゲスト出演したドラマでカップル役を演じたことはあったのですが、回を重ねるごとにときめいていくとか、キュンとする作品が初めてで慣れていなくて、すごく難しかったです。
でも、福本くんや楽駆さんも同じ目線に立ってくれて「どの角度だったらキュンとするだろうね」とか「視聴者の方はどうしたらキュンとしてくれるんだろう」みたいなことを話しながら撮影するのが楽しくて。ある意味、アクションの手合わせをしているみたいで(笑)。
いわゆる胸キュンシーンでも自分の意見を言い合える距離感だというのはありがたい環境でしたし、慣れていないもの同士だったからこそ気を遣わずにお芝居できたというのは助かりました。
――最後に、今年の夏に女優デビュー10周年を迎えますが心境はいかがですか?
10年という節目でまた舞台をやらせていただくことが決まったり、初の主演ドラマが放送されたりと周りの人たちが手を引いてくれたんじゃないかと思うくらい、何か縁みたいなものを感じます。
――そんな記念すべき年に、新しいポジション、ジャンルへ挑戦するというのは気合いが入りますね。
そうですね、アクションありきの役柄じゃないにもかかわらず、私を選んでくれたプロデューサー陣の皆さまにもすごく感謝していますし、自分の中で一つ証明したいという気持ちもあって。インテリな役でせりふも多いのですが、大事な作品の一つになりそうです!
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