俳優シャルロット・ゲンズブールの初監督を務め、母親ジェーン・バーキンの真実に迫ったドキュメンタリー映画『ジェーンシャルロット』。本作に共感した内田也哉子、松田美由紀・ゆう姫の母娘、LiLiCoら著名人14名からメッセージが公開された。併せて、電子版ポスタービジュアル、新場面写真、本予告が解禁された。

【写真】イラストレーター・米澤よう子が『ジェーンとシャルロット』寄せた共感メッセージイラスト

 映画監督・ミュージシャンの故セルジュ・ゲンズブールと人気俳優ジェーン・バーキンとの間に生まれたシャルロットが初監督を務めた本作は、母であるジェーンがこれまで誰にも語ることのなかった娘たちへの思い、パブリックイメージとの狭間で感じた苦悩や後悔、最愛の娘ケイトを自死で失って以降の深い悲しみを、ふたりの間に流れる優しい時間の中に紡ぎ出したドキュメンタリー。

 このたび、14名の著名人から届いた共感のメッセージが公開された。特別な存在であるはずのジェーンシャルロット母娘の姿を描いた本作が、どうして私たち日本人の心にも刺さるのか? 樹木希林さんと内田裕也さんという大きな存在の両親を持つ内田也哉子、松田優作さんという偉大な夫・父を持つ松田美由紀・松田ゆう姫の母娘、母との確執を公言してきたLiLiCoら、14のメッセージを通して、この映画の真髄が浮かび上がってくる。

 電子版ポスタービジュアルには、母ジェーンノルマンジーの家で、シャルロットがカメラを片手に対話する場面が採用された。これが3番目のポスターヴィジュアルとなり、2人の間に流れる穏やかな時間が、優しいタッチで表現されている。デザインを手掛けたのは新進グラフィックデザイナーの内田美由紀。

 同時解禁された本予告には、5月に公開した特報より、ジェーン・バーキンの苦悩が色濃く表現された仕上がりになっている。日本版予告編の演出には、『Rodeo ロデオ』『ホテルアイリス』などの遠山慎二があたった。

 また、agnes b.(アニエスベー)にて8月4日より、コラボTが渋谷店、青山店、渋谷スクランブルスクエア店、銀座店、京都BAL店の5店舗で販売。8月2日にはサエキけんぞうプロデュースによる「ジェーンシャルロット・ナイト」と題された音楽イベントが、下北沢FLOWERS LOFTで開催されることも決定した。

 映画『ジェーンシャルロット』は、8月4日より全国公開。

 著名人の共感メッセージは以下の通り(※イラストレーター・米澤よう子のメッセージはイラストで到着)。

<著名人からの共感メッセージ>

■内田也哉子(文筆業)

 母を切望する娘の眼差しは、あまりに柔らかく、鋭く、リリカルで……いつしか呼吸するのも忘れ、画面に見入っていた。容易に解かれない愛のミステリー。けれど、彼女たちの佇まいに、言葉の端々に、答えはちゃんと存在していた。

■小林麻美

 Parisでジェーン・バーキンの家に行った時、3階の部屋で机に向かって勉強していたシャルロット。可愛くて透明でシャイな少女が大人になり、監督になった。歳を重ねたジェーンのすべてを優しくありのままに映し撮っていた。ボーカルをなくしたシャルロットの音楽もいい。

土屋アンナ(モデル・アーティスト・潜水士)

 母と娘の関係は様々である。JaneCharlotteはお互いを否定することの無い関係に見える。でもそこに至るまでには葛藤ややり場の無い寂しさがあり、長い時間をかけてようやくお互いの存在を理解して行く様が見えて来る。私と私の母との関係、そして私の娘たちとの関係を、改めて深く考える事を教えてもらえた気持ちになった、素晴らしい作品。

野宮真貴さん(ミュージシャン・エッセイスト)

 時代のアイコンであり、親子であり、女優同士でもある二人がカメラを通じて初めて語り合う極めてパーソナルな、それ故に普遍的な人生の物語。母であること、娘であること、愛すること、老いること、愛する人を失うこと、戸惑いと和解を繰り返しながら、それでも前を向いて生きていくこと。今年、最も心に響くドキュメンタリー映画です。

■ヒグチユウコ(画家)

 ジェーン・バーキンをスクリーンでちゃんと観たのは『欲望』が最初。アイコンとしてではなく等身大の視点でみたことがなかった私は、シャルロットとのぎこちなくも愛のあるやりとりに妙に胸騒ぎを覚えながら観た。多分自分の中で消化しきれてない私の人生の棘を刺激されたのかもしれない。

■松田美由紀(俳優)

 まるで、私を見ているようだった。子供たちに愛を捧げ、それ故に怯えてる嫌われたくなくて、ずっと愛してほしくて。子供たちの為ならどんなことでもできる用意がある。どんな時でも。でも、その事はいつも秘密。親子。愛を繋ぐ~

■松田ゆう姫(アーティスト)

 母に抱く憧れや尊敬、そして複雑な感情が全て素直に描かれていて、私も娘としてシャルロットに通ずる想いを感じた。母でありアーティストであるジェーンの言葉は柔らかくて美しくて、人間的。まるで私の母みたいだなぁと思うところもあって、とても素敵な映画だった。

■村上香住子(文筆家)

 母ジェーンとの真の愛の姿はどこに? リアルな母の言葉を求めて、娘シャルロットのひたむきな思いに胸を打たれる。誰もが母親との関係を優しく見直したくなる映画。

LiLiCo(映画コメンテーター

 娘は母に抱きしめられたいだけ。わたしはいつもそう話す。わたしも会話ではなく、母にハグされたかった。それだけ。そんなシンプルなことが何よりも大切だとこの作品を見て改めて思った。

ヴィヴィアン佐藤(美術家・ドラァグクイーン

 まるで家主の留守を狙って、突然母娘がセルジュの家を訪ねる。40年の時を経て、まったく当時のままの香水瓶を開ける。いまだその中に入っている気体を吸い込むジェーン。その瞬間我々も目眩と共に記憶や時間、映画の魔術を味わう。

■菊地貴公(ネットでポチり隊・ファッションYouTuber)

 不思議。こんな美しい映画なのに親戚のホームビデオくらい心に近くて。シャルロットのコーデュロイコート真似したくなる!

■サエキけんぞう(作詞家・アーティスト)

 この数年間で大きな痛手を負ったジェーンの心に向かう、娘シャルロット。パパは元祖チョイ悪オヤジの大プロデューサー、セルジュだ! 女性の旗手達が、男女の変わり目の時代だからこそグっと来る映像美。親子の魂の邂逅に涙せずにいられない奇跡のドキュメンタリー!

■鈴木正文(カリスマ編集者

 セルジュ(・ゲンズブール)の訃報に接した当時のフランス共和国大統領フランソワ・ミッテランは、「われらの時代のボオドレールにしてアポリネールであった」といってかれの死を惜しんだ。フランスが生んだもっとも偉大なふたりの詩人の生まれ代わりであったというに等しい。その男を愛したふたりの女の対話が浮かび上がらせたのは、愛するものを永遠化するためででもあるかのように、愛したものを壊しつづけた詩人のレガシィとしての、ジェーンシャルロットという名の、かれらじしん(の自画像)であった(のだとおもう)。

映画『ジェーンとシャルロット』電子版ポスタービジュアル (C)2021 NOLITA CINEMA ‐ DEADLY VALENTINE PUBLISHING / ReallyLikeFilms