2023年6月29日より、Switch向けアクションアドベンチャー『ピクミン4』の体験版が配信中だ。Nintendo Store内から無料でダウンロードが可能で、とくに期限もなく、自由に遊ぶことができる。

【画像】『ピクミン4』体験版のスクリーンショット

 『ピクミン4』は、“ピクミン”と呼ばれる不思議な生物を率いて、プレイヤーがさまざまな世界を探検する「ピクミン」シリーズの最新作。『ピクミン3』がWii Uで発売されて以来、約10年ぶりの新作ということで、その全貌に期待が集まっている。

 本稿では、現在配信中の体験版からプレイレポートをお届けしよう。

遭難した人々を救うため、プレイヤーは単身である惑星へ

 本作の目的は、現地で遭難してしまった者たちの救出。主人公はレスキュー隊の新人として彼らのいる惑星に向かい、ピクミンや今作からの新しい仲間である“オッチン”という犬らと協力し、任務を達成することになる。

 ゲームが始まると、まずはシリーズではおなじみのキャラクターであるキャプテン・オリマーが登場。序盤は彼を操作するようで、どこかの民家を舞台に、ピクミンオッチンを使ったチュートリアルをこなす。

 ピクミンはプレイヤーが投げると近くのものを運んでくれる。さらに火に強い“赤ピクミン”、水に入っても溺れない“青ピクミン”、遠くまで投げられるほか電気に強い“黄ピクミン”など、ピクミン自体にも種類がある。火を吹く敵と戦ったり、高台にある物を運ばせたりと、彼らの強みを生かしながらギミックを攻略していくのが本作の基本だ。

 一方、基本的に群れるピクミンと違ってオッチンは1匹のみ。だがプレイヤーとピクミンを乗せて運んでくれたり、目の前にある障害物を“トッシン”で吹き飛ばして道を作ることもできる。ピクミンと同じように敵とも戦えるし、周囲の物も運べる。

 “宇宙ムセン”を持った敵を倒したところで、キャプテン・オリマー編は終了。時間にして10分程度であり、これから始まるストーリーのプロローグという印象だった。その後は、彼がムセンを使って救難信号を送ったはいいが、駆け付けたレスキュー隊が二次遭難。新人の主人公(プレイヤー)が新たに遭難者救出の任務を帯びたという説明がなされた。

 居間を思わせる一室から一転、今度は庭のような場所からスタート。キャプテン・オリマーに代わってプレイヤーは自分の分身である新人隊員を操作し、庭を探検していく。道中ではレスキュー隊のコリーと合流し、さらに奥へ。現実でも外でよく見る止水栓を開けると、主人公たちは地下へ向かい、そこで部隊の隊長であるシェパードを救出した。

エネルギーを溜めるため、オタカラを求めて庭を探検

 不時着した宇宙船シェパード号を見つけた後は、ピクミンを生み出せる“オニヨン”を発見。ここから、救難信号を受信するために必要なエネルギーを1500まで溜めることになる。オッチンや増やしたピクミンを率いて“ひだまりの庭”という場所に行けるようにもなった。

 その後の基本的な流れはシンプルで、まずピクミンオッチンとともに辺りを探検しながら、遭難者の救出やオタカラの回収をこなす。そして日が暮れる前にピクミンたちを拠点に集める、のくり返し。かんたんではあるが、敵と戦っているとピクミンはふつうに倒されるうえ、拠点から離れたまま日没を迎えた個体は全員死んでしまう。

 作中ではシェパード隊長が“ダンドリ”と言っていたが、『ピクミン4』ではその段取りがまさに重要と言える。制限時間のなかで、オタカラ運びや敵との戦闘、遭難者の捜索など、必要な仕事をいかに効率よく、並列して進められるかが問われる。要はマルチタスク能力が試されるわけだ。

 とはいえ、体験版の序盤では物を運ぶ、敵と戦うといった各行動を集中して行えるような構成になっている。それぞれの基本を学び、覚えたら、ひだまりの庭というフィールドで実践するというイメージだろうか。さらに本作には巻き戻し機能も備わっていて、こちらのミスでピクミンをたくさん死なせてしまっても、その場ですぐにやり直せる。「ピクミン」シリーズに初めて触る人も安心の設計だ。

 ひだまりの庭には各地に止水栓があり、そこを通って地下に行ける。自然が豊かな庭とは違い、工場を思わせる機械的なフィールドも用意されていて、ダンジョンのバリエーションにも期待が持てた。加えて遭難者たちは基本的に地下にいるため、ダンジョンをこなすことは彼らの救助にもつながる。シェパードならオッチンのスキル習得、材料工学者のラッセルなら、集めた“シザイ”と装備・アイテムの交換という具合に、隊員たちはそれぞれ特殊なスキルを持っており、プレイヤーの探索の幅も広げてくれる。

 体験版のクリア時間は3~4時間ほど。ピクミンを使ったマルチタスクを体験するには十分なボリュームだった。なお、エネルギーを1500まで溜めると、その時点で体験版はクリアしたことになる。遊んだデータはしっかり残されているが、ロードし直してもシェパード号がある最初の拠点しか行けない。筆者の場合、その影響で一部の場所の探索を諦めざるをえないことになった。これから本作の体験版を遊ぶという人には、エネルギーが1500にならないようオタカラの収集量を調整しながら、まずは満足行くまで辺りを探検してみるのをオススメしたい。

『ピクミン4』体験版