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このほどアメリカで、名医として全米トップクラスの評価を受けていた「手外科医」が、患者に殺害された。精神疾患との関連性も疑われていることを、『ACTION NEWS 5』『WREG-TV』などが伝えている。


■1週間前に脅迫のメールも

11日、テネシー州シェルビー郡コリアヴィルのキャンベル・クリニックで、整形外科医ベンジャミン・モークさん(43)が突然若い男に襲われ、射殺された。

犯人はラリー・ピケンズ(29)という男の患者であり、第一級殺人の容疑で逮捕・起訴された。犯行現場から逃走していたが、5分ほど後に警察が身柄を拘束した。

取り調べに対しては、「治療法に納得がいかなかった」などと供述しているという。


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■あちこちでクレームを

容疑者には精神疾患による通院歴があり、地元では度を越したクレーマーとしても有名だった。少し前には理髪店を「仕上がりが不満だった」として脅迫し、出入り禁止になっていた。

また、容疑者は1週間前にモークさんに脅迫のメールを送りつけており、数時間前には現場付近をうろつく様子が目撃されていたため、犯行の計画性が強く疑われている。


■手外科医は貴重な存在

外科医は、スポーツ事故や交通事故、先天性の手指の奇形、重い腱鞘炎などの治療にあたる。モーク医師は肘、手や手首の手術を行う専門医であり、トップクラスの名医として称賛されてきた。

患者の手指の外見や機能の回復を目的に非常に細やかな手術を行うが、高度な技術を要することもあり、手外科医として登録されている医師の数はそう多くはない。キャンベル・クリニックの損失は非常に大きい模様だ。


■「人々を助けるため医師に」

モークさんは妹がスポーツの事故で前十字靭帯断裂を経験し、そのとき整形外科医になろうと決心。2006年にテネシー大学メンフィス校の医学部を卒業した。

メンフィスのル・ボヌール小児病院に勤務していた頃には患者からの評価が4.9にも上り、その後に手外科医としてキャンベル・クリニックへ移った。また『メンフィスマガジン』の2023年名医トップリストにも選ばれていたという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

数少ない「手外科」の名医が患者に殺害される 治療方針が合わず犯行を計画か