日弁連は7月19日オウム真理教によって殺害された坂本堤弁護士一家の慰霊に小林元治会長が加わると発表した。遺体が埋められていた新潟、富山、長野の3県の現場を回る。慰霊は毎年有志の弁護士らによっておこなわれているが、現職会長が現地を訪れるのは遺体発見直後の1995年に当時の土屋公献会長が訪れて以来となる。

坂本弁護士夫妻と当時1歳の長男は1989年に殺害されたあと、捜査を遅らせるため、それぞれ新潟、富山、長野の3県に離れ離れに埋められた。発見されたのは6年後の1995年で、発見場所には慰霊碑が立てられた。

坂本弁護士と司法修習同期で、日弁連弁護士業務妨害対策委員会の瀧澤秀俊弁護士は、「30年以上がたち、事件のことを知らない弁護士も増えてきた。小林会長の参加を、事件の意義をつないでいくきっかけにしたい」と話した。

坂本弁護士の遺体発見後、日弁連では業務妨害対策委員会が新設され、各地の単位会にも同様の組織ができた。暴力だけでなく、不当な懲戒請求や誹謗中傷なども問題視される中、日弁連という組織として業務妨害に対応する決意を示す。

坂本弁護士一家殺害事件、日弁連会長が慰霊参加へ 3県の遺棄現場めぐる 現職は約30年ぶり