国際親善試合の横浜F・マリノスvsセルティックが19日に日産スタジアムで行われ、横浜FMが6-4で勝利した。

2022-23シーズンは国内3冠を達成したセルティックジャパンツアーで来日。2試合を戦う中、初戦では2022シーズンの明治安田生命J1リーグ王者の横浜FMと対戦した。

アンジェ・ポステコグルー前監督のトッテナム行きを受け、ブレンダン・ロジャーズ監督を再招へいしたフープスは、その新体制の初陣で古巣対戦の岩田智輝と前田大然の2選手に加え、小林友希と旗手怜央をスタメンで起用。エースの古橋亨梧はベンチスタートとなった。

一方、横浜FMは今シーズンここまでのJ1リーグで2位に位置し、短い夏季中断期間に入った。マスカット監督は0-1で惜敗した直近の川崎フロンターレ戦から先発4人を変更。3トップには水沼宏太アンデルソン・ロペス、エウベルが並んだ。

プレシーズンスタートから間もないセルティックに対して、シーズン真っ最中の横浜FMと、両者のコンディションは大きく異なるものの、試合は見応え十分の入りとなった。

まずは4分、ホームチームが渡辺皓太、マルコス・ジュニオールと相手陣内中央でパスを繋ぎ、ゴール前への飛び出しを狙ったアンデルソン・ロペスへラストパスを供給。これは相手守備に読まれたが、GKハートがファンブルしたところに詰めたアンデルソン・ロペスが難なくゴール至近距離からのシュートを流し込んだ。

開始早々にミスからビハインドを背負ったセルティックだが、この試合の主役の一人である前田が魅せる。6分、自陣中央でアンデルソン・ロペスを潰した旗手の見事なスルーパスに反応した右サイドのアバダが一か八かのスライディングを試みたDFエドゥアルドを振り切ってボックス付近まで侵攻。自らフィニッシュに持ち込めたものの、空気を読んだアバダは左を並走する前田へのラストパスを選択。これを元横浜FMストライカーが難なくワンタッチで押し込んだ。

1-1の振り出しに戻った試合は、以降もオープンな展開が続く。互いに後方から丁寧にボールを動かしながら、細かい駆け引きと球際の激しさを見せる。

共に幾つか際どいシーンを作り出した中、先に2点目を奪ったのはスコットランド王者。21分、相手陣内バイタルエリア中央でうまく浮いた旗手を起点に岩田、アバダと右サイドに展開。最後はアバダからの正確なグラウンダークロスをファーに走り込んだ前田がワンタッチで合わせ、古巣相手の2点目とした。

元エースストライカーに決定力を発揮されたが、横浜FMも見事な崩しですぐさま応戦。23分、左サイドでの細かい繋ぎから中央でボールを受けたマルコス・ジュニオールが絶妙な浮き球スルーパスを供給すると、絶妙な飛び出しでオフサイドをかいくぐった水沼がゴール右から右足のシュートを突き刺した。

攻撃を特長とするチーム同士のフレンドリーマッチらしい打ち合いとなった試合は、飲水タイムを挟んだ前半半ばから終盤にかけても白熱。前田がロングシュートでGK一森を脅かせば、横浜FMもボックス内でアンデルソン・ロペスマルコス・ジュニオールが続けてGKハートにファインセーブを強いる。

共にゴールを強く匂わせる攻撃が続く中、この試合5点目を決めたのはやはり主役の前田。42分、中盤での旗手の粘りからマクレガー、アバダ、岩田と右サイドへスムーズに展開。ボックス右付近の岩田から絶妙な折り返しが供給されると、前田は右足の丁寧なダイレクトシュートをゴール左隅へ流し込み、古巣相手の圧巻のハットトリック達成となった。
迎えた後半も試合はオープンな展開が続いていくが、選手交代を最小限にとどめたセルティックにやや疲れが出始める。すると、59分にはDFスターフェルトのパスを引っかけたショートカウンターからアンデルソン・ロペスがボックス内で冷静にGKとの一対一を制し、同点ゴールを奪う。

さらに、この直後に6枚替えを敢行した横浜FMは、その交代選手が見事に逆転ゴールをもたらす。66分、セットプレーの二次攻撃から相手陣中央でボールを受けた榊原彗悟がゴール前のスペースへ絶妙なスルーパスを供給。これに対して完璧な飛び出しでディフェンスラインと入れ替わった實藤友紀がGKの股間を抜く技ありのフィニッシュでゴールネットを揺らした。

一方、試合を引っくり返されたセルティックは70分手前で9枚替えを敢行。前田らがベンチに下がり、古橋らがピッチに送り出される。これで全体の動きが活性化されると、古橋やオ・ヒョンギュが決定機に絡んでいくが、仕留め切るまでには至らない。

以降はやや膠着状態が続いたものの、ホームチームが誇る快足コンビが魅せる。まずは85分、右サイド深くへ抜け出した井上健太からの浮き球のクロスをファーに走り込んだ宮市亮が打点の高いヘディングシュートで叩き込む。続く88分には右サイドのスペースへ抜け出した井上からの正確な折り返しを、再び宮市がペナルティアーク付近から右足ダイレクトで合わせた。

これで試合の大勢が決したものの、セルティックも試合終了間際にターンブルのミドルシュートがディフレクトする形で豪快にゴールネットを揺らし、この日の両チームを通じたゴール数は二桁の大台に乗った。

そして、前田の凱旋ハットトリックに始まり、両チームのアタッキングフットボールが遺憾なく発揮された白熱のフレンドリーマッチはJ1王者が6-4で勝利した。

なお、初戦を敗戦で終えたセルティックは、22日にパナソニックスタジアム吹田で行われるジャパンツアー第2戦でガンバ大阪と対戦する予定だ。

横浜F・マリノス 6-4 セルティック
横浜FM
アンデルソン・ロペス(前4)
水沼宏太(前23)
アンデルソン・ロペス(後14)
實藤友紀(後21)
宮市亮(後40)
宮市亮(後43)
セルティック
前田大然(前6)
前田大然(前21)
前田大然(前42)
ターンブル(後47)