モーニング娘。'23の小田さくらが、2023年7月18日(火)に初のフォトエッセイ「さくらと猫」を発売した。生まれた時から保護猫と一緒に育ち、猫のいない生活は考えられないという小田。そんな彼女がこれまでお世話してきた猫の数は、ミルクボランティアでお世話した48匹を加えて、合計58匹で、その経験について語ったWeb連載を書籍化したものが「さくらと猫」だ。本書には、猫と撮影した撮り下ろしのグラビアや彼女自身が撮影した愛猫の写真、そしてオキエイコによる描き下ろし漫画も収録されている。本に込めた思いや小田家の家猫たちのエピソード、そして、ハロー!プロジェクトのメンバーにも好評だという撮影の裏話などについて、小田さくら本人に語ってもらった。

【写真】モーニング娘。'23 小田さくら撮り下ろしSHOT

ミルクボランティアを通して知った猫業界の厳しさも伝えたかった

――まず最初に猫に関する連載をすることになった時の気持ちを教えていただけますか?

私は猫好きを公言しているアイドルの中でも、かなり猫と深く関わってきたほうだと思うので、猫についての連載をさせていただけると聞いた時はとてもうれしかったです。2020年の外出自粛期間にミルクボランティアも経験していたので、いろいろお話しできるなと思いましたし、保護猫団体の方を通して猫業界の厳しい状況についても聞いたりしていたので、そういったこともお話ししたいと思っていました。

――その連載が、1stフォトエッセイとなりました。完成したものを見ていかがですか?

猫の良いところとそうではないところの両方が詰まった本になったので、とてもうれしく思っています。かわいい猫たちとのグラビア写真では、アイドル的な夢の部分をお見せして、文章や漫画では私が日々感じている猫の現実的な部分をお伝えできているのではないかと思います。“猫ってかわいいよね!”だけではない、私の猫に対するスタンスが詰まった一冊になりました。それから、オキエイコさんに描いていただいた漫画もぜひ見ていただきたいです。うちの子たちが漫画になっていて、本当にうれしかったので!

――エッセイではミルクボランティアについても語っていますが、コラムにはその時の写真も掲載されているんですね。

そうなんです。貴重な我が家での写真です。離乳食をあげている写真もあります。懐かしいですね。写真で見てもやっぱりかわいい。食事はミルクから離乳食へとレベルアップしていくのですが、実はミルクよりも離乳食の方が大変なんです。最初は“噛む”ということが分からないので、子猫用のスプーンで口に入れても出してしまうんですよ。ボロボロこぼして、体中に離乳食を付けてしまうのですが、そうすると毛が絡まって固まってしまって肌に良くないので、「本当にやめてくれよ!」と言いながらやってました。ミルクは洗えば取れるんですけど、離乳食は洗っても脇の下にくっついていたりするので本当にめんどくさいんです。だから、ミルクから離乳食の切り替えの時期は、「離乳食か〜、ミルクがいいなー」と思ったりもしていました(笑)。

――そんなに大変なのに、時間が経つとまたやりたくなってしまうのですか?

もう本当におかしいですよね!実は最近、またやりたいなと思い始めて、お母さんと妹と相談してます。ミルクは3時間置きにあげるので、3人でローテーションを組んだとしても寝不足になってしまうから、みんなのスケジュール確認が大事なんです。忙しい時にやってしまって、子猫がいなければ…などと思いたくないので、しっかり話し合ってから決めるつもりです。でも、子猫はそれほどにかわいいですよ! 大人になってももちろんかわいいですが、子猫にしかない魅力があるんです。子猫だけの肉球のやわらかさとか、毛のふわっと感とか。だから、みんな、子猫触りたいってなっちゃうんですよね(笑)。

小田さくらが猫耳を付けたグラビアはかなりのレアショット!

――本書の表紙に登場した子猫もかわいいですね

ですよね〜。表紙は特にハチワレの子がいい表情をしてるんですよ!ちゃんと前も向いてるし。カメラマンさん、すごいです。この2匹は撮影後に貰い手が決まって、今は新しいおうちにいるんですよ〜。ペットモデル事務所のスタッフさんのブログで読みました。なので、飼い主さんにもぜひ見ていただきたいです。2匹のグラビアデビュー作ですので(笑)。

――そうですね。猫といえば、小田さんもグラビアで猫耳を付けているんですよね。

私はメンバーの中でかっこいい系を担当することが多いので、こんなかわいいことをするのは珍しくて。みんなで猫耳をしたことはあったと思いますが、ソロでは初めてだと思います。もし楽屋に猫耳があったとしたら、自分で付けるのではなく、(岡村)ほまれや(山﨑)愛生に「付けなよ」と渡すと思うので、今回の猫耳グラビアは超レアだと思います(笑)。

――ほかにも撮影で印象に残っていることはありますか?

ラーメンです!(笑)。めちゃくちゃおいしくて、全部食べちゃいました。どこかのご当地ラーメンだったんですけど、すごくシンプルなしょうゆ味のラーメンで、私好みでした。

――エッセイでは現在の小田家の猫についても語っていますが、小田さんの部屋にいつもいるのは末っ子のクマだそうですね。

そうです。今はセイラちゃん、のぶお、吉(きち)、クマの4匹がいて、いつも私の部屋で寝ているのはクマです。前はベッドの下に置いたクッションの上で寝ていたんですけど、最近、ベッドで一緒に寝るようになりました。クマは枕と壁の間の隙間がお気に入りで、そこに頭を置くので、顔を並べた状態で寝たり、一緒に天井にプロジェクターで映した映画を見たりしています。眩しそうな場面の時は、即座にクマの顔をタオルで隠します(笑)。そういうふうに一緒にゴロゴロしている時間が好きです。

――姉弟みたいですね。エッセイでは、いたずらっ子の吉の話も印象的でした。

書籍でもお話しした通り、三毛猫のオスの吉はとても賢く手先が起用で、最近ではクローゼットの折れ戸を開けられるようになってしまいました。山折りになるところを引くと扉が開き、シリコン製のストッパーも外れることも見抜いてしまったようで、気付くと棚の段ボールと段ボールの間に吉がいる…ということが増えたので、プラスティック製のストッパーに変えました。吉は本当に狭いところが好きで、今回の衣装のような長いスカートの中も大好きなんです。だから、家で長いスカートを履いていると、途端に吉の秘密基地になってしまうんです。帰宅した時に長いスカートを履いていると「ただいまー」と同時に吉がスカートの中に入ってくるのがお約束なので、しばらく立ったまま動かずにスマホをいじったりして、もういいかな?と思ったら「動くよー」と吉に声をかけてから部屋に行くんです(笑)。毎日かわいいですし、毎日飽きません。良くも悪くも(苦笑)。

■もし動物番組に出られるなら、保護猫団体の現実を伝えたい

――小田さんは猫を始め、動物全般がお好きだそうですが、動物番組もお好きですか?

はい。YouTubeでも見られる「どうぶつ奇想天外」(TBS系)のような、リアルな生態も映し出すドキュメンタリー系の動物番組が好きです。なぜかというと、命の尊さや自然の厳しさまでちゃんと見せてくれるから。その手前まで見せてくれる番組は多いですが、「どうぶつ奇想天外」は命が終わるところまできっちり見せる。見ていてつらくこともあるので、気持ちが安定している時じゃないと見られないですが、生き物を知るってそういうことだと思うんです。そうじゃないと、〇〇ってかわいい!で終わってしまいますから。

それぞれの性質や生態を知っていると、目で見ている以上のことが見えてくるんです。例えば、水族館ならアシカ縄張り意識のとても強いので、じーっと見ているとここはこの子のテリトリーなんだな。この子は今、強い子のテリトリーの岩に登ったから怒られたんだなということがわかってくるんです。だから、私、一つの水槽を1時間ぐらいかけて見ちゃうんですけど、知識があると見えている以上のことが見えてくる。だから、動物の生態や進化の仕方、自然界の厳しさも含めて見せてくれる番組が好きなんです。

――では、もし自分が動物番組に出演するとしたら、どんなことをやってみたいですか?

猫とお仕事ができるなら、どんなことでもうれしいんですが、保護猫団体さんに関わることができたら、もっとうれしいですね。猫を保護しに行くところから保護猫団体の方に同行して、傷ついた子を治療し、回復させ、里親が見つかるまで密着して、その間、1匹に当たりどのぐらいのお金がかかるのか?ということも伝えたい。保護猫団体さんは常にミルクキャットフード不足に悩んでいるので、送ってあげることもできますよということも伝えられたらうれしいですね。今回、フォトエッセイを出すに当たって、もっと早く猫について発信しておけばよかった…と思ったので、これから積極的に行動していきたいですと思っています。

――では、最後に「さくらと猫」を読まれる方にメッセージをお願いします。

猫の良い面だけでなく、デメリットについても書かれているので、モーニング娘。のファンの方だけでなく、“猫界隈”の方にも届いたらいいなと思っています。私はアイドルですが、アイドルをやっているのと同じぐらい本気で猫についても語っていますので、これから猫を飼いたいと思っている方の参考になったらうれしいです。

モーニング娘。23 小田さくら/撮影=八木 英里奈/衣装=ADELLY