20日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比49.42ポイント(0.26%)高の19001.73ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が26.00ポイント(0.41%)高の6407.94ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は590億670万香港ドルとなっている(19日前場は549億5030万香港ドル)。
 投資家心理がやや上向く流れ。昨夜の米株高や、人民元安の一服が好感された。中国人民銀行(中央銀行)は20日、人民元レートの対米ドル基準値を4日ぶりに元高方向で設定。また、人民銀などは同日、人民元安対策として、企業などが海外資金調達を容易にする施策を打ち出した。外国為替市場では、人民元が対米ドルで上昇に転じている。中国経済対策の期待感も持続。中国景気の回復遅れが不安視される中、足もとでは関係部門が支援策を相次ぎ発表している。早ければ来週にも開催される中央政治局会議では、下半期の政策方針が決定される見通し。市場では、財政・金融政策による景気サポートが期待されている。ただ、全体としては上値が重い。中国景気の持ち直し遅れが依然として不安視されている。中央政治局会議の結果を見極めたいとするスタンスも漂った。指数は前引けにかけて上げ幅を縮小している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、管理サービスやデベロッパーなど本土不動産の上げが目立つ。碧桂園服務HD(6098/HK)が5.5%高、龍湖集団HD(960/HK)と碧桂園HD(2007/HK)がそろって4.3%高で引けた。政策支援の動きを材料視。香港メディアは20日、「不動産需要の刺激に向け、中国は一線都市(北京、上海、深セン、広州)で住宅ローン規制の緩和を検討しているもよう」などと報じた。
 セクター別では、非鉄・レアアースが高い。希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が4.7%、モリブデン中国最大手の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.5%、非鉄金属・鉱石の五鉱資源(1208/HK)が2.2%、エネルギー・資源会社の中信資源HD(1205/HK)が1.3%ずつ上昇した。
 中国の銀行セクターもしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が1.9%高、中国工商銀行(1398/HK)が1.4%高、招商銀行(3968/HK)が1.2%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が0.9%高で前場取引を終えた。
 半面、スマートフォン部材の銘柄群はさえない。舜宇光学科技(2382/HK)が13.2%、高偉電子(1415/HK)が7.9%、瑞声科技HD(2018/HK)が4.0%、丘タイ科技(1478/HK)が2.2%ずつ下落した。舜宇光学については、中間決算の65~70%減益見通しが売り材料視されている。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.33%安の3188.44ポイントで前場取引を終了した。ハイテク株が安い。エネルギー株、軍事関連株、自動車株、公益株、メディア・娯楽株なども売られた。半面、酒造株は高い。素材株、医薬品株、銀行株、不動産株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)