一発の怖さを持つ佐藤輝はクリーンアップにおいてこそ真価を発揮するという(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 前半戦は二軍落ちを経験するなどコンディションがイマイチ上がらなかった阪神佐藤輝明。月間打率は5月(.272)を境に、6月(.179)、7月(.114)と右肩下がり。二軍では打率.450と無双していたが、一軍の投手にはアジャストできないでいる。ただ、前半戦の最終戦となった7月17日の中日戦の第1打席に約1か月ぶりのホームランを放ち、復調を予感させてオールスターブレイクに突入した。

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 日本人離れした圧倒的な飛距離のホームランを今後は何度も見られそうな、そんな期待感を持たせる佐藤輝ではあるが、プロ野球解説者はどのように見ているのだろうか。現役時代に日本ハムや阪神で活躍した金村暁氏がYouTubeチャンネル『野球いっかん!』に登場。佐藤の状態について分析した。

 まず17日の試合での佐藤を見た感想として、「(状態は)全然上がってない」とキッパリ。ポイントを前にして捉えると佐藤輝は強い打球を飛ばせると解説し、17日のホームランも前のほうでミートできていたが、「(ホームランを打って以降の打席では)またいつも通りポイントが身体の中に入っちゃってる」という。佐藤輝はホームラン以外の打席はいずれも凡退しており、前で捉える感覚を掴めているとは言い難い打席が続いた。そのため、まだまだ復調できていないと説明する。

 また、「(佐藤輝が二軍にいる時の)5番にいる選手の顔ぶれを見たら、やっぱり大山選手が可哀想になる」「輝明は出会い頭じゃないけど一発がある」と佐藤の起用方法についても話す。「今年は調子が悪いけどフォアボールをめちゃくちゃ取ってる。それだけ圧をかけてる」「6番とかにしてるけど5番じゃなきゃダメ」と語った。

 佐藤は打率こそ.214ではあるが、出塁率は.308を記録しており、フォアボールで出塁するケースが多い。どれだけ調子が悪くてもホームランの危険性があるため、投手としてはランナーをためて回したくない打者だ。佐藤輝の状態に関わらず5番に置いておくと、ランナーをためたケースであっても大山悠輔と勝負せざるを得なくなり、得点につながる可能性が高まる。存在感だけでもチームに貢献できる佐藤輝をどのように起用するのか見物である。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


前半戦最終戦でホームランの佐藤輝明 球界OBは「全然上がってない」と不安視も「5番起用」を提案