Blackmagic Designによると、受賞歴のある撮影監督、陳孟浩氏が台湾の故宮博物院南部院区におけるイマーシブアートの短編「台湾映像(Taiwan Imagery)」をBlackmagic URSA Mini Pro 12Kデジタルフィルムカメラで撮影したという。同作品は、24セットの4Kプロジェクターを用いて8Kのフッテージが複数のワイドスクリーンに投影されるもので、陳氏は三方向の壁一面にひとつのイメージとして表示される高解像度の映像をBlackmagic Designのカメラを用いて撮影した。

「台湾映像」は台湾独自の風景、人々、文化を捉えた作品である。陳氏はアジアおよび北南米において、映像制作、CM、スチル写真のキャリアがあり、10分間の同作を撮影するために母国台湾の様々な場所でロケを行い、日々の何気ない瞬間や伝統行事などを撮影した。URSA Mini Pro 12Kを使用して、何時間にも及ぶフッテージを12Kで撮影し、投影に使用する各スクリーンのサイズに合わせて3200×1920ピクセルにクロップした。

三面の壁に設置された各スクリーンは9.75m×5.8mで、博物院の聴衆を囲むように映像を表示する。

Blackmagic Design導入事例:故宮博物院南部院区における短編イマーシブアート「台湾映像(Taiwan Imagery)」の場合

同プロジェクトに関わった理由を陳氏は次のように説明する。

陳氏:ラーメンから航空会社のCMまで、これまで様々なものを撮影してきました。CMの撮影はとても好きですが、台湾に戻って何かもっと意味があることをしたいと感じたんです。また、台湾についてもっと理解を深めたいとも思いました。Blackmagic Pocket Cinema Camera 6K G2で撮影し、編集とカラーグレーディングを始めたのもちょうどその頃でした。

これらのツールでは、スチル写真や映画の品質を維持しながら、いろいろと探求することができます。そこで、台湾の人々の日常生活や感情を映し出す4作の短編を制作したんですが、それが博物院からの本プロジェクトに備える上で非常に役立ちました。

12Kでスーパーサンプリングできるため、微細なスキントーンやディテールに富んだ高品質の8Kの映像を得ることができた。これは、東港迎王平安祭典の焼王船、美しい民族衣装に身を包んだ舞踏家などの壮大なショット、台湾の山並みや砂浜などのイマーシブショットで特に役立ったという。

Blackmagic Design導入事例:故宮博物院南部院区における短編イマーシブアート「台湾映像(Taiwan Imagery)」の場合

陳氏は、一人でセットアップと撤収が簡単に行える点でもカメラに助けられたと語る。

陳氏:アルフレッド・ヒッチコックは、劇場映画では監督が神で、ドキュメンタリーでは神が監督だと言いました。本作には多くのフッテージが必要で、何か興味深いものを見たら、撮影しなければなりませんでした。また、全ショットは一つのイメージとして3面のスクリーンで表示されることも踏まえて撮影する必要がありました。どのような依頼が来ても準備できている必要があります。そういった意味で、12Kカメラではこの撮影に対する準備ができていました。

四輪駆動車に複数のURSA Mini Pro 12Kといくつかのアクセサリを積み込み、陳氏は台湾中を旅し、ほぼ一人だけで何時間にも及ぶショットを撮影した。撮影後、同氏はDaVinci Resolve Studioで作品の編集とグレーディングを行った。

陳氏:URSA Mini Pro 12Kでは瞬時に撮影を始められます。また、本作に必要なデータをすべて含む、優れた画質の美しい映像が得られると確信していました。私のようなインディーズの映像作家がこのようなことをするのは数年前では不可能でしたが、Blackmagicのおかげで変わりました。BlackmagicのカメラとResolveは、あらゆるタイプのプロジェクトを作成し、扱うことができる自由を与えてくれました。

Blackmagic Design導入事例:故宮博物院南部院区における短編イマーシブアート「台湾映像(Taiwan Imagery)」の場合
Blackmagic Design導入事例:故宮博物院南部院区におけるイマーシブアート「台湾映像(Taiwan Imagery)」の場合