板橋区在住のプロ冒険家・阿部雅龍。本展では、南極大陸挑戦で有名な彼の、夢と科学技術との関わり、それを取り巻く板橋人たちの想いを紹介します。「夢を描く」とは特別なことなのでしょうか。南極大陸挑戦という大きな夢を描く阿部氏は、特別な人なのでしょうか。そこには、科学技術の進歩によって、今あらためて問われる「人とは?」という原理的な問いへの答えの糸口が見え隠れしています。

 この度、板橋区立教育科学館では、「夢と科学の関係展 冒険家 阿部雅龍と板橋人たち、まだ見ぬ景色を見つめて…」展を開催します。

 昨今、情報技術の発展がさらに加速し、そのスピードの速さに驚かされるまかりです。特に、ChatGPTなどのサービスに代表される、「生成AI」と呼ばれる技術は、私たちの今までの生活観などのあらゆる価値観を一変させてしまうもののように思います。このあたらしい価値観による世界とはどのようなものなのか、まだだれが知る由もありません。きっと、今を生きる私たちが考え、つくっていくものなのでしょう。このように、人々と科学技術や情報技術との付き合い方に思いを巡らせていると、「人が得意なこと」と「情報技術が得意なこと」を比較するに至り、いつのまにかそれは、「これから人の存在はどうなっていくのか」という原理的な問題へと考えが変化していくことに気づきます。ところで、生成AIとは、これまで機械が苦手で、人が得意とされてきた「創造性」までをも備えていると言われます。先日もニュースで、AIが描いた絵画作品が、歴史ある絵画展で受賞したことが取り上げられていました。となると、人の優位性とはなんなのか、さらに考える必要が出てきそうです。

 さて、本展では板橋区在住の冒険家・阿部雅龍(あべ・まさたつ)氏の「南極大陸・人類未踏ルート制覇」という夢へのチャレンジを紹介することで、夢を持つことと、実現しようとすることとの間に存在する、たくさんの人の想い、科学や科学技術とのかかわりを紹介いたします。たしかに、阿部氏の周りには、その魅力に引き寄せられて多くの人が集まり、それらの人が持っている多くの科学技術が集結しています。この阿部氏の「巻き込む力」に、これからの人間が自覚すべき、大きな優位性の一つが強く表れているように思います。先述の情報技術は、インターネット上にあるあまたのデータを集合して解を導き出す、いわば「集合知」です。一方で阿部氏の活動は、自分が信じた道を突き進む、没頭した先にあるいわば「きわめて深い個の知」と言えましょう。これは、集合知では決して得ることのできない最先端の知であり、まさに時代を切り開き、形作るための知、と言えるのではないでしょうか。

配信元企業:板橋区立教育科学館

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