2023年7月、新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年は大幅に減少した訪日中国人観光客だが、今年は徐々に回復の兆しを見せている。特に東京・新宿は、中国人観光客にとって魅力的なエリアとして人気が高く、多くの中国人も訪れている。コロナ禍で変化した中国人観光客の消費傾向とはどのようなものなのだろうか。

 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、今年6月の訪日中国人観光客数は20万8500人で、前年同月比で約1.55倍と大きく増加した。また、今年1月から6月までの累計では約25万人となり、昨年の同期間の約3.7倍となっている。

 一方で、2019年の訪日中国人観光客数は959万4300人で、全体の30.1%を占めていた。その中でも、7月から8月にかけては100万人を超える月もあり、夏休みシーズンには多くの中国人観光客が日本を訪れていた。しかし、今年はまだその水準に達しておらず、コロナ禍の影響は依然として大きい。

 そんな中、新宿は中国人観光客にとって魅力的なエリアとして注目されている。新宿駅周辺には多彩なショッピング施設や飲食店が揃っており、品揃えやサービスも充実している。また、新宿御苑や明治神宮などの自然や歴史を感じられるスポットも近くにあり、都会と伝統の両方を楽しめる。さらに、新宿駅からは各地へのアクセスも便利で、日帰りや宿泊で様々な観光地を巡ることができる。

 コロナ禍で変化した中国人観光客の消費傾向としては、以下のような特徴があげられる。

 滞在期間が長くなった。コロナ前は平均4.5泊だったが、今年は平均6.7泊となっている。コロナ前は1人当たり約23万円だったが、円安にもかかわらず今年は、約30万円と約30%も増えている。これは、滞在期間が長くなったことと、高級品や体験型の商品に対する需要が高まったことが要因と考えられる。

 新宿は、中国人観光客のニーズに応えることができる多様な魅力を持っており、今後も訪日中国人観光客の人気スポットとして注目されるだろう。

新宿 2023年7月20日撮影