ニュージーランドに住む少年は8歳の誕生日を目前に控えて孤独だった。彼には、誕生日を一緒に祝ってくれる友達がいなかったのだ。
そこで母親は、息子に少しでも良い誕生日を過ごしてほしいと、トラックが大好きな息子のために、「誕生日祝いに息子をトラックに乗せてもらえませんか?」とFacebookでお願いした。
すると、ニュージーランド各地から善意のトラック運転手たちがこの呼びかけに応じ、最終的には64台ものトラックが少年のもとに結集し、パレードを行ってくれたのだ。
少年は一生の思い出に残る8歳の誕生日を笑顔で過ごすことができたという。
ニュージーランド北部ハミルトンに住むオリバー・ジョンソン君は、7月9日に8歳の誕生日を迎えた。
その数日前、母親のキャサリンさんは、オリバー君が誕生日パーティーに招待する友達がおらず、孤独なことを知っていたため、このまま寂しい誕生日を過ごすのは気の毒に思っていた。
なんとかして息子にいい誕生日を迎えてほしい。そこで、キャサリンさんは、「トラック好きの息子のために、トラック運転手がトラックに乗せてやってくれないかしら」と考えた。
オリーは、あらゆるトラックとあらゆるトラック会社の名前をすべて知っています。
息子は毎月、トラック運送雑誌を受け取っているんです。彼がやりたいのはトラックの運転手になることだけです。本当にトラックに夢中なんです。(キャサリンさん)
オリバー君が一番好きなのはトラックで、それが息子を一番元気づけられる。そう確信したキャサリンさんは、Facebookで呼びかけてみることにした。
息子はトラックに夢中です。近々迎える8歳の誕生日に、息子をトラックに乗せてくれる人を探しています。この依頼を受けてくれる人には、50 ドルを提供させて頂きます。
誕生日に、我が子がただ笑顔で過ごしてくれることを願っていたキャサリンさんの想いは、トラックドライバーたちに届いた。
64台のトラックが無償でオリバーくんの元に集まる
キャサリンさんは、誰か親切なトラック運転手が1人、自分の申し出に応じてくれれば良いと思っていたのだが、この投稿は、運送会社、ハート・ハウラージュのオーナーであるバリー・ハートさんの心に響いたようだ。
ハートさんは、オリバー君のために一肌脱ごうと、トラックの護送隊でパレードをするアイデアを思い付いた。
ハートさんによると、34人のトラック運転手が参加申し込みをしてくれたが、当日には64台ものトラックが参加してくれたという。
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中にはオークランドといった遠方から120キロ以上も移動して来てくれる人もいた。
トラック運転手たちは、無償で時間を割き、パレードに参加するために移動にかかったガソリン代などの費用も自己負担した。
そんな同業者たちの親切に、ハートさんは嬉しい驚きを感じた。
当日は、15~20台のトラック運転手が参加してくれると予想していたのですが、噂が広がるにつれてその規模はさらに大きくなりました。
わざわざオークランドから来てくれたトラックは、少なくとも10台はあったでしょう。
時間を割いてくれた費用も安くはないのに、彼らの誰ひとり何の見返りも求めていませんでした。
とても成功した一日でした。本当に素晴らしかったです。
コロナのパンデミックから異常気象に至るまで、3年間にわたって「非常にネガティブな状況」が続いた後、人々は何か楽しみを求めているとハートさんは思っていたという。
それが、オリバー君の誕生日にこんなに良い形で、64台の同業者たちと一緒に実行されることになるとは、さすがにハートさんも予想外だったようだ。
大好きなトラックに囲まれ最高の笑顔で誕生日を過ごせた少年
最終的に9日は、あまりにも多くのトラックが参加したため、ハートさんはパレードのように車列を組織し、交通管理を手伝ってもらうために当局に電話をかけなければならなかったそうだ。
だが、オリバー君が笑顔で誕生日を迎えられたことが何よりうれしいと、ハートさんは話している。
友達がいない、自分の周りに仲間がいないオリバー君のことを知り、心が痛みました。
私は、自分たちを支援し、寄り添ってくれる社会や人々が世の中に存在するということを、すべての子どもたちに知ってもらいたかったのです。
私たちの仕事は、地域社会を支援し、苦しんでいる子供たち、さらには大人たちを助けようとすることです。
トラックが彼らを笑顔にできるかどうか、それは人にもよりますが、まあ、私にはトラックが12台あるので、私たちに何ができるかやってみようと思ったんです。
他の運転手たちもこのように思いやりを見せてくれるなんて…本当に心が温かくなりました。
オリバー君の父親サイモン・ジョンソンさんは、やって来たトラックの数に「文字通り驚かされた」と語った。
息子は、トラックが到着するまで、自分の誕生日を祝ってくれるためにこれだけの数のトラックが来てくれるとは全く思っていませんでした。
息子の反応は、それはもう一日中太陽のようにキラキラしていました。息子がとても喜んでいるということは、誰の目にもわかったことでしょう。
おかげで、この日息子の夢が叶いました。
正直に言うと、今日という日は私たちが想像していた以上に意味深いものでした。
Facebook への 1つの小さな投稿が、このような成果につながるのは本当に驚異的です。
「ありがとう」と言うだけでは、感謝を伝えきれないほどですが、SNSで息子への祝福メッセージをくれた人を含めて、すべての人に感謝しています。
見知らぬ人たちのやさしさにオリバー君の両親も感謝
サイモンさんが言うように、Facebookのパワーは素晴らしかった。
投稿がシェアされると、南部に住む女性がオリバー君のために誕生日ケーキを寄付してくれただけでなく、地域の他の人々もどうしたらオリバー君が楽しい1日を過ごせるか、何か助けられることはないかと尋ねてくれたという。
キャサリンさんは、誕生日ケーキを寄付してくれたコミュニティの他の人々から、息子へのあたたかい祝福の言葉を受け取り、感謝の気持ちを口にした。
みなさんに息子のために時間を割いていただき、私と夫は心の底から多大な感謝を申し上げたいと思います。
コミュニティには、こんなに素晴らしい思いやりを持ったみなさんがいることに、ただただ感動しています。
誕生日の特別なお祝いに、意気揚々とトラックに乗せてもらい、笑顔で1日を過ごすことができたオリバー君。きっとこの日を、生涯忘れることはないだろう。
References:A 64-truck surprise for 7-year-old Oliver after drivers answer birthday call/ written by Scarlet / edited by parumo
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