w-inds.が全国ツアー『w-inds. LIVE TOUR 2023 "Beyond"』を開催する。
7月30日(日) 千葉・市原市市民会館を皮切りに全5公演で行われる今回のツアー。
最新アルバム『Beyond』を中心に「w-inds.史上、いちばん踊るライブになると思います」(橘慶太)というこのツアーで橘慶太、千葉涼平は、w-inds.の新たな進化をしっかりと提示してくれるはずだ。

――2021年11月に2人体制になって最初のアルバム『20XX“We are”』をリリース。2022年には久々のツアーを行いましたが、手ごたえはどうでした?

橘慶太(以下、橘) w-inds.として3年ぶりくらいにツアーをやって。コロナの頃はオンラインライブなどもやっていたんですけど、去年からはファンの皆さんと会う機会が少しずつ増えてきたんですよね。去年の段階では(観客は)声も出せなかったし、まだ不思議な気分だったんですけど、止まっていたと時計の針がちょっとずつ動き出したのかなと。

千葉涼平(以下、千葉) 去年のツアーは、新体制になって初めてお客さんの前でパフォーマンスする機会だったんですよ。今のw-inds.を見てもらうという緊張感のある1年だったのかなと思います。

 うん。去年の夏のファンクラブツアーが2人体制になって初のツアーだったので、最初は緊張しましたね。オンラインでも手ごたえはありましたけど、改めて新しいものを提供するというか。涼平くんの歌のパート、僕が踊るパートが増えたり、今までとはちょっとずつ役割が違ってましたからね。ライブを重ねるなかで感覚的に掴めたものもあったし、今はもう慣れたもんです(笑)。涼平くんはまだ緊張感がある?

千葉 いやいや(笑)、最近はリラックスしてパフォーマンスできてますよ。とはいえ、過去の膨大な楽曲がありますからね。ふたりでパフォーマンスすれば当然、形も変わるし、1曲1曲に対して新鮮な気持ちもあって。そういう意味では緊張感が続いてる感じもありますね。

――なるほど。そして今年3月にアルバム『Beyond』がリリースされました。アルバム全体のテーマは?

 「これまでのw-inds.の作品に関わってくださったプロデューサーの方々に楽曲をお願いしたい」というのがはじまりだったんですよね。葉山拓亮さん、今井了介さん、松本良喜さんもそうだし、UTAさんもそうなんですけど、みなさんに曲を作ってもらったことで、w-inds.の21、22年をまとめたアルバムになったなと思って。制作の途中で「時空を超えてるよね」という話になって、そこから『Beyond』というタイトルを付けたんです。作りながらコンセプトが出来てきたアルバムでしたね。

千葉 ここ数年は慶太がw-inds.の楽曲を基本的に作ってくれていて。その基盤がしっかりあったからこそ、こういうアルバムが出来たのかなと。デビュー当初からw-inds.を支えてくださった作家のみなさんに曲を作っていただいたのは、過去に戻るのではなくて、チャレンジという意味が強いと思っています。レコーディングでも「やっぱりレベル高いな」と思ったし、すごい楽曲が揃いましたね。

 葉山さん、今井さん、松本さんには「みなさん“らしさ”がほしいです」ということをお伝えてしていて。実際、それぞれの個性が出ている楽曲ばかりだし、僕も改めて「すごいな」と思いましたね。

――葉山さんが手がけた「Over The Years」は、初期のw-inds.を2023年バージョンに進化させた楽曲。

w-inds.「Over The Years」

 すごく美しいメロディラインだし、日本語の歌詞がしっかり聴こえてきて。メロディと歌詞の組み合わせが本当にすごくて、葉山さんならではの楽曲だなと。

千葉 本当に葉山さんにしか作れない楽曲だと思います。離れていた間も見守ってくれてたんだなって。直接的なやり取りはなかったんですけど、楽曲から自分たちに対する気持ちが伝わってきて、グッときました。ファンの方も同じような気持ちだと思うし、葉山さんはw-inds.の父だなと。本当にすごい人だと思います。

――松本さんが制作した「Blessings」はシティポップ的なアプローチの楽曲。慶太さんのボーカルの魅力がすごく出ているな、と。

w-inds.Blessings」

 「Blessings」はいちばん難しかったですね、歌が。葉山さんはすごく歌が上手くて、仮歌がほぼスティービー・ワンダーなんですよ(笑)。「空から降りてきた白い星」とかもそうなんですけど、松本さんの曲はめちゃくちゃ難易度が高い。今回もすごく練習になったし、「Blessings」のレコーディング中にちょっと歌が上手くなりました(笑)。最後のフェイクの部分とかは、以前だったらたぶん歌えなくて、違うフレーズにしていたと思うんですよ。以前よりも松本さんの表現を掴めるようになってたのは、僕もちょっとは成長できたのかなと。

千葉 難しかったですね、とにかく。それに尽きます(笑)。

――今井さんの「FIND ME」はハウスミュージックを基盤にしたダンスチューンです。

w-inds.「FIND ME」

 そうですね。今井さんに「今のw-inds.がダンスミュージックをやるなら、どういうジャンルがいいですかね?」みたいな話をしたときに、「ハウスかな」ということになって。ドレイクビヨンセもハウス調の曲をやってますけど、今井さんの楽曲は展開力がすごいんですよ。

千葉 最初に聴いたときは「どうなってんの?」と思いました(笑)。自由な感じがすごくいいなと思うし、聴いてるとクラブにいるような気分になりますね。

 展開が多いから、ライブでも面白そうなことができそうですよね。単調にならないというか。

――慶太さんが制作した楽曲に関してはどうですか?

 先に作家の皆さんの楽曲をいただいてから制作を始めたので、アルバム全体のバランスを考えながら作ってましたね。

千葉 スケジュール的にすごく短い期間だったんですよ。タイトななかで仕上げてきて、しかもいい曲ばかりで、幅広くて。マジですごいなって感心してしまいました。好きな曲はいろいろあるんですが、「Lost&Found」は棘があって、すごく刺さりましたね。美しいだけじゃないと思うんですよ、人間は。そのこともしっかり描かれていたし、聴いたときはテンションが上がりましたね。

 「Lost&Found」は確かに攻めてますね。一応、みなさんに「この歌詞、大丈夫ですか?」と確認したんですけど、わりと大丈夫みたいでした。

w-inds.Lost&Found」

――正義とは何か? 真実とは何か?というテーマの歌詞ですからね。今のw-inds.の表現にタブーはないのかも。

 自由にやらせてもらってますね。歌詞の書き方はいろいろあって、自分の考えや理想を書くこともあるし、フィクションもありますけど、自分のなかで“ここまではOK”という線引きがあるんですよね。そこがわかっていれば大丈夫なのかなと。

――涼平さんのボーカルもポイントですよね。

 引き出しがちょっとずつ増えている感覚はありますね。レコーディングでも「こう歌って」「こんな感じ」という注文も増えてるし、それをすんなりやってくれるので。

千葉 P(プロデューサーとしての橘慶太)が厳しいんで(笑)。

 レコーディング中も練習みたいな感じだからね(笑)。「この曲で、このテクニックを身に付けよう」みたいなこともあるし。涼平くん、純粋にすごくいい声なんですよ。艶があって綺麗だし、聴き取りやすくて。僕はどちらかというとテクニック的にやるタイプなので、差が明確でいいなと思ってます。

千葉 「君ならやれる」って信じてくれるのもうれしいです(笑)。特に慶太くんが作ってる曲に関しては、表現したいことがはっきりしてるし、ディレクションもわかりやすいんですよね。

 楽しくやってます(笑)。レコーディングは僕のスタジオでやってるので、僕と涼平くんしかいないんですよ。

千葉 仕事感があんまりないよね(笑)。

――そして7月末から全国ツアー『w-inds. LIVE TOUR 2023 "Beyond"』がスタート。アルバム『Beyond』を引っ提げたツアーになりますが、どんなステージになりそうですか?

 『Beyond』の楽曲をパフォーマンスを通して届けたいという気持ちが強いですね。踊りまくるというか、ダンスに振り切ってやってみたいと思っていて。“デビュー22年目で、今まででいちばん踊る”ってなかなかないと思うし、すごいチャレンジになるだろうなと。

橘慶太

――普通はだんだんと踊らなくなりますからね。

 そうそう。僕が好きだった人たちも、キャリアが長くなるにつれて、ダンスが簡単になったり、ユルくなることがあって。ダンスがなくてもパフォーマンスできるのは素晴らしいと思うんですけど、どこかで「ちょっと寂しいな」という気持ちもあって。ファンの人の中にも「まだ激しく踊ってほしい」という人もいると思うし、年齢を重ねてもしっかりダンスボーカルを見せられるグループでありたいと思ってるんですよね、今は。

千葉 本当にすごく踊るので、めっちゃ大変そうです(笑)。

 涼平くんは歌うパートも増えてるからね。僕も踊るパートが増えてるけど(笑)。

千葉 アルバムの曲はまだ、歌と踊りがくっついてないんですよ。ツアーまでにそれをしっかり混ぜ合わせたいです。

――今のコメントを聞くと、ファンのみなさんの期待値もさらに上がりそうですね。

 久しぶりに声出しOKのライブですからね。2019年以前の感覚がようやく戻って来るタイミングだと思うし、ここから25周年に向けて走っていきたいと思ってます。まずは今回のツアーを一緒に楽しんでいただけたらなと。

千葉 踊りに特化している部分もあるので、みなさんにも楽しんでもらえると思います。あとは『Beyond』をたくさん聴いてもらえれば問題ないかなって。

――期待してます! ちょっと抽象的な質問かもしれませんが、今のw-inds.の強みって何だと思いますか?

 常に自由ですからね、僕たちは。ダンスボーカルグループとは思えないほど、いろいろな楽曲や活動をやっていて。そこがほかのグループとは違う強みなのかなと思ってます。

千葉 縛られてない感じはありますね。今年のファンクラブツアーは、1曲も踊ってなくて。

 ずっとふたりで歌ってたんですよ(笑)。

千葉 夏のツアーは全く逆で、「ダンスで攻めようぜ」というモードで。そういうふり幅が今のw-inds.の良さなのかな。

千葉涼平

Text:森朋之

<ライブ情報>
w-inds. LIVE TOUR 2023 "Beyond"』

7月30日(日) 千葉・市原市市民会館 大ホール
開場16:00 / 開演17:00

8月12日(土) 大阪・NHK大阪ホール
開場16:00 / 開演17:00

8月19日(土) 東京・J:COMホール八王子
開場16:00 / 開演17:00
※SOLDOUT

9月9日(土) 愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
開場16:00 / 開演17:00
※SOLDOUT

9月21日(木) 東京・NHKホール
開場17:30 / 開演18:30

チケット料金:全席指定8,500円(税込)
https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=w-inds.

<リリース情報>
w-inds. 15thアルバム『Beyond』

発売中

【CD収録内容】
01. Unforgettable
02. FIND ME
03. Bang! Bang! feat. CrazyBoy
04. Fighting For You
05. Over The Years
06. Blessings
07. I Swear
08. Delete Enter
09. Lost & Found
10. Bang! Bang! feat. CrazyBoy (REMIX)

【Blu-ray / DVD収録内容】※Special Book盤・初回限定盤のみ
01. Bang! Bang! feat.CrazyBoy (Music Video)
02. Document of Beyond : Behind the Scenes
03. Document of Beyond : Interview

配信リンク:
https://w-inds.lnk.to/Beyond

公式サイト:
https://w-inds.jp/

w-inds.