23日、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)グループEの第1節、オランダ女子代表vsポルトガル女子代表がダニーデン・スタジアムで行われ、オランダが1-0で勝利を収めた。

2017の女子欧州選手権(ユーロ)を制し、2019年フランスW杯では準優勝。3大会連続3度目の出場で頂点を目指すFIFAランキングの9位のオランダは、ヒザ前十字靭帯(ACL)のケガで不在のエース、フィフィアネ・ミーデマに代わるストライカーの登場が待たれるなか、リネト・ベーレンスタインと2017年の最優秀FIFA女子選手リーケ・マルテンスを前線に置く[3-5-2]を採用した。

一方、大陸間プレーオフを勝ち抜き、W杯初出場を決めた同ランキング21位のポルトガルは、4月になでしこジャパンを苦しめた中盤ダイヤモンドの[4-4-2]ではなく、守備時は後ろが5枚となる[3-5-2]で対抗。攻撃は前線2枚のジェシカシウバディアナシウバに託された。

今大会最初の欧州勢対決は五分五分の序盤戦となったが、先手を取ったのはオランダ。ベーレンスタインのシュートがブロックされて右CKを獲得すると、シェリダ・スピッツェのキックをファーでステファニー・ファン・デル・フラフトが頭で合わせてネットを揺らす。

副審はオフサイドポジションにいたジル・ロールトがGKに影響を与えたとしてフラッグアップしたが、VARからの進言でオン・フィールド・レビューが行われると、主審はGKが横っ飛びしていることから反応には影響を及ぼさなかったと判断し、判定を変更。13分に先制ゴールが認められた。

試合を動かしたことで流れは徐々にオランダへと偏り、24分には左CKからフリーのロールトがヘディング。だが、わずかにクロスバーの上へ外れた。さらに、37分にはマルテンスの右足ミドル、2分後にはオランダファンタジスタ、ダニエレ・ファン・デ・ドンクも前線に顔を出してのヘディングシュートと、オランダ優位のまま前半を終えた。

後半もポルトガルの中盤に自由を与えないオランダがペースを握り、52分に決定機。ゴール正面から右外への展開を狙ったベーレンスタインのパスは引っ掛かかるも、後ろを駆け上がっていたファン・デ・ドンクの下へこぼれる。だが、フリーでの左足はGKの好守に阻まれ、61分のベーレンスタインの自ら持ち込んでの右足フィニッシュも、GKイネス・ペレイラの手中に収まった。

片やポルトガルは厚みのある攻撃ができず、シュート0のまま推移。65分にCKを獲得するもフィニッシュまでは持ち込めず、フランシスコ・ネト監督は78分に3枚替えを決行して打開を図る。

すると82分、右サイドのスペースを突いた途中出場のテルマ・エンカルナソンがカットインからの左足を振り抜き、GKを強襲。こぼれ球にもファティマ・ピントが反応し、ポルトガル女子史上、W杯で初めてのシュートが記録された。

それでもオランダが破綻なくゲームをクローズ。追加点の気配こそ乏しかったものの、逃げ切り勝ちで初戦白星スタートを切っている。

オランダ女子代表 1-0 ポルトガル女子代表
オランダ
ステファニー・ファン・デル・フラフト(前13)