1973年に理髪店を訪れ、鏡越しに担当理容師と自撮り写真を撮影した男性。その後、約10年おきに写真を撮り続けた記録が話題を呼んでいる。白黒写真から始まり、すっかり白髪頭になった現在までの移り変わりとともに、生涯の友となった2人の関係性が分かる微笑ましい写真が注目を集めている。英ニュースメディア『Metro』などが伝えた。

英サマセット州バース在住のサム・ファーさん(Sam Farr、78)は1973年、理髪店「Giuseppe’s Of Bath」を訪れて理容師のジョーさん(Joe)に散髪をしてもらった。新聞社のカメラマンとして働いていたサムさんは当時、カメラを持参しており、ジョーさんと一緒に鏡越しに撮影した。

その後も定期的ジョーさんの店を訪れて髪を切ってもらっていたサムさんは、1985年、2007年、2015年と約10年毎に、その時使っていたカメラでジョーさんと一緒の写真を撮り続けた。そして今年が5回目の撮影となり、5枚の写真を並べた時代を感じる写真が各メディアに取り上げられ、話題を呼んだ。

記念すべき1枚目となった写真は白黒で、若々しいサムさんとジョーさんの姿が写っている。2枚目では、サムさんの髪の一部に白髪が確認でき、ジョーさんは鼻の下にヒゲをたくわえている。この2枚の写真では少し硬い表情だった2人だが、以降はともに笑顔を見せていた。

サムさんは「最初の写真を撮った時は、ローライフレックス(Rolleiflex)」というカメラを100ポンド(約1万8100円)で購入したばかりでした。当時は大金でしたよ。人の写真ばかり撮っていて自分を撮っていませんでしたから、自撮りをしてこの伝統を始めました」と、写真を撮り始めた当時を振り返る。

ジョーさんを「生涯の友」と表現するサムさんは、家族ぐるみで付き合うほど仲良くなったと話す。「私が店を訪れるたびに、『30年経ったね』『40年経ったね』とジョーさんはいつも言っていました。そして50年を迎えましたが、ジョーさんに言われるまでは50年も通っていたなんて気づきませんでしたね。この節目はお祝いするほど特別なものだと思い、ジョーさんは無料で散髪をしてくれましたよ。」

2人の伝統的な写真撮影はこれからも続いていくと思われたが、今年が最後になるかもしれないという。サムさんの娘ニッキー・ヒグビーさん(Nicky Higby、48)は「残念ながら、父の健康上の問題で、恐らくこの写真が最後になると思います。父はパーキンソン病や他の疾患の闘病生活を送っており、もうカメラを持つことが難しいのです。前回の2015年の時にはなんとかカメラで写真を撮ることができましたが、今年はiPhoneにしました」と現状を語った。

さらにニッキーさんは、ジョーさんについて「ピザを注文する間違い電話を受けたとき以外は、いつもニコニコしている素敵な方です」と述べ、このように続けた。

「Reddit(海外掲示板サイト)に父の自撮りの写真が投稿されたのを最近見たのですが、何千件ものコメントが寄せられていました。みんな2人が楽しそうな表情をしていることについてコメントしていて、心が温まりました。」

ちなみに昨年6月にはアメリカで、40年間同じ場所、同じポーズで5年毎に写真撮影する5人の男性が注目を集めていた

画像は『Metro 2023年7月13日付「Incredible mirror selfies documents man’s trip to the same barber over 50 years」(Picture: Matt Cardy / ITV / SWNS)(Picture: Sam Farr / David HedgesSWNS)(Picture: David Hedges / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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