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ミシガン州デトロイトカナダを結ぶ橋の上で作業中だった鉄工作業員が今月12日、約43メートル下の川に転落した。男性は事故を偶然目撃していた人々らの見事な連携で、転落から5分後には引き上げられており、奇跡的に一命を取り留めた。米ニュースメディア『Inside Edition』などが当時の映像とともに伝えている。

カナダ人の鉄工作業員スペンサー・ベイカーさん(Spencer Baker、27)が12日午後3時55分頃、デトロイトカナダを結ぶアンバサダー橋で作業中、約43メートル下のデトロイト川に転落した。

スペンサーさんはカナダ、オンタリオ州オールドキャッスルの金属加工業者「AC Metal Fabricating」に勤務し、当時は吊り橋のケーブルの取り替え作業を行っていた。

スペンサーさんが橋から転落する様子は、たまたまデトロイト側の川沿いに住む家族が目撃しており、近隣で船による郵便配達を担う「J.W. Westcott Co.」の事務所に助けを求めた。

同事務所のスタッフ、サム・ブキャナンさん(Sam Buchanan)は、当時のことを「ドアを激しく叩く音と『誰かが橋の上から落ちた』と叫ぶ声が聞こえました。それでスタッフ2人を連れて、男性が落ちた場所を教えてもらいながら船を走らせたんです」と語り、このように続けた。

「男性はライフジャケットを装着しておらず、泳いでいるというよりは水上に顔を出したり、沈んだりを繰り返しているようでした。我々が船に引き上げると、かなり混乱している様子で『なぜ僕は濡れているんだ? いったい何が起きたんだ』と繰り返し聞いてきて。それで橋の上から落ちたことを教えてあげました。」

スペンサーさんはTシャツを着て長靴を履いていたものの、水面に叩きつけられた衝撃でズボンがずれ落ち、足首に辛うじて引っかかっている状態だったそうで、サムさんはブランケットをかけて岸まで運び、そこからは救急隊が引き継いだという。

転落から救出までは5分もかかっておらず、スペンサーさんは左側の肋骨全ての骨折、頬骨のひび、体中にある青あざなどで入院したものの、翌日には帰宅している。

なおフィアンセとの間に4か月前、娘が誕生したばかりだというスペンサーさんは、今回の事故についてこう振り返っている。

「落ちた瞬間、これで自分の人生は終わりだと思いました。もう二度と娘に会えないとも思い、フィアンセやこれまでの人生が走馬灯のように駆け巡りました。」

「一方で『今行くからな。今行くぞ』という声が聞こえてきました。救出されたことは本当にラッキーだったし、自分を助けるために素早く行動してくれた全ての人々に借りができました。彼らには心から感謝しています。」

ちなみにスペンサーさんの転落をたまたま目撃し、サムさんに助けを求めに走ったのは、バニータ・フラワーズさん(Bernita Flowers)という女性だった。バニータさんは今から29年前の1994年デトロイト川でパートナーを亡くしていた。当時のバニータさんは、娘のテリー・ジョージさん(Terri George)とともに彼が川で溺れるのを目の当たりにしており、テリーさんは「まさか目の前で再びこんなことが起きるなんて、信じられなかった。父のことを思い出さずにはいられなかったんです」と明かしつつ、「小さな赤ちゃんがいる男性が助かって本当に良かったです」と胸を撫で下ろしていた。

今回の事故については現在、警察が捜査中で詳細については明かされていないが、このニュースには次のようなコメントが寄せられている。

「43メートルから落ちた時の衝撃はコンクリートに衝突するようなもの。まさに奇跡的!」
「男性が落ちる前に、水しぶきが上がっている。何かが先に落ちて、それに続くように男性が落ちたことで命が助かったのかもしれないね。」
「安全対策に落ち度があったのは間違いないだろうね。」
ハッピーエンドで良かった。」
「見事な救出劇! 彼らはヒーローだね。」

画像は『Inside Edition 2023年7月19日公開 YouTube「Iron Worker Survives 150-Foot Fall From Bridge」』のサムネイル、『CBC.ca 2023年7月15日付「#TheMoment he survived a 43-metre fall from the Ambassador Bridge」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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