8月9日(水)~13日(日)、東京・品川プリンスホテル ステラボールにて、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage《Rep LIVE side Rule the Stage Original》が開催される。2019年に初の舞台化を果たし、大人気シリーズとして展開してきたヒプステ。今作では舞台オリジナルディビジョン&キャラクターとして過去作に登場した、アカバネ・ディビジョン“North Bastard”、 アサクサ・ディビジョン“鬼瓦ボンバーズ”、“糸の会”、“道頓堀ダイバーズ”、“D4”の面々が一堂に会しライブを行う。WEBザテレビジョンでは、“D4”のメンバーである谷ケ崎 伊吹役の高橋駿一、有馬 正弦役の福澤侑、阿久根 燐童役の岡野海斗、時空院 丞武役の後藤大に独占インタビューを実施。脱獄犯というヒール集団ながら、そのキャラクター性と高いパフォーマンス力で熱い支持を集める“D4”が見せる新たな一面とは。また9月でキャストの卒業が決定しているヒプステへの思いも語ってもらった(公演の内容に関する記載を一部含みます)
■1年半ぶりに集合の“D4”、一番変わったのは…?
──“D4”として集まるのは約1年半ぶりとなりますが、この1年半の4人の関係性はどのようなものでしたか?
福澤侑 あの……仲間のことはあんまり悪く言いたくないですけど……海斗だけ変わったなって……。
岡野海斗 えっ、何がですか!?
福澤 海斗、この1年半の間にワンマンライブをやったらしいんですよ。それに大は誘われたのに、僕と駿くんは誘われなかったんです。それをさっき知って「ああ、海斗、変わっちまったな」って……(笑)。
後藤大 ちなみにすみません、僕は誘ってもらったんですけど行けなかったです(笑)。
岡野 ちょっと待ってください! 初っ端から俺がヤバイやつじゃないですか!(笑)
一同 (笑)。
高橋駿一 実際は全然みんな変わってなかったですね。逆に何か変わったことある?
福澤 大の髪がめっちゃ伸びていたことくらいじゃない?
高橋 あ、あと、4人のLINEグループがあったんですけど、いつのまにか福澤侑が抜けてた!(笑)
福澤 あー、俺も変わってましたね(笑)。LINE自体を一回消したからアカウントがなくなっちゃっただけなんですけど。
■4人それぞれの異なる武器を生かして挑んだtrack.5
──そんな久しぶりの“D4”の舞台は《Rep LIVE side Rule the Stage Original》。ヒプステはお芝居だけでなく、役としてラップをしたり踊ったりすることも大きな魅力ですが、皆さんがそれぞれ役としてパフォーマンスする上で、特に意識しているポイントがあれば教えてください。
高橋 まず福澤侑、岡野海斗、後藤大それぞれが違ったスキルを持っているので、それが引き立つようにというのは大前提でやっていました。僕だったらアクロバットが得意なので、アクロバットで魅せられるように。そこは意識したというよりも、稽古しながら豪さん(演出を手掛ける植木豪)と話し合いながら作っていきました。
──では高橋さんとしては、ご自身としてパフォーマンスしているのに近い感覚?
高橋 あー、そういう意味ではちょっと違うかも。谷ケ崎は闇を抱えている役で、顔を正面に向けて歩けるような人じゃないと思っていたので、ちょっと俯き加減でパフォーマンスするようにしていましたね。あえて背筋を伸ばさないようにしていました。
後藤 谷ケ崎、どんどん姿勢が低くなっていってましたよね。海斗もラップしているとき、姿勢が低かった気がする。それは意図的だったの?
岡野 いや、僕は単純に、ラップって姿勢を正しくしてやるとあんまりカッコよく見えないから。例えば寂雷だったら姿勢を正してラップするほうがカッコいいと思うんですけど、燐童はそうじゃないと思ったので。燐童としてパフォーマンスをする上で難しかったのは、冷静にラップをすること。基本的に燐童は4人の中で一番冷静なキャラクターなので、そこは意識していましたが、難しかったですね。
福澤 僕は特に意識したことはないですね。ただ、“D4”は圧倒的ヒールで、しかもtrack.5のときの相手(“The Dirty Dawg”)は、後に各ディビジョンのリーダーになる4人という強い人たち。それに匹敵するものを僕らは叩き出さないといけなかったから、そこは意識していました。でも駿くんが言ったように、この4人にはそれぞれ武器があって、芝居の中で1対1で戦うときでもちゃんと活かせるだろうというのは、4人が揃ったときに一発でイメージできました。
後藤 僕もあまり意識したことはなくて。舞台オリジナルのキャラクターなので、豪さんがキャラクターにあわせて僕らの良さを引き出せるようにしてくれたのを感じましたし、対峙する相手にあわせて自分のキャラクターも作りやすくて。自分の役に集中することだけを考えていました。
高橋 そもそも“The Dirty Dawg”と対峙する回に出させてもらえるということがありがたかったですよね。それだけで注目度が高いので。でも、だからこそ、そこに対抗できるエネルギーとスキルを見せつけないといけないなというのは、みんなでずっと話し合っていました。
■手段を選ばないワルさとキャラ立ちが魅力的な“D4”
──舞台オリジナルキャラクターの魅力はヒプステの強さのひとつですが、その中でも“D4”はファンの熱量が高い印象があります。どんなところが支持されていると感じますか?
福澤 よくそう言ってもらえるのですが、自分たちではファンの方々の熱量が高いとか人気があるとかって全然わからなくて…ほかのディビジョンが3人なのに僕たちは4人なので、そのぶんですかね(笑)。あとはヒールっていうことが大きいのかな?
高橋 逮捕歴があるのも僕たちだけかな?あと僕らが出てくるまでは、物理攻撃がなかったらしいんですよ。基本的にマイクで戦うものだから。そういう銃やナイフを持ったり殴ったりするところが、いい意味で真新しく見えるというのもあるのかもしれないですね。
後藤 確かに。俺らはせこい!(笑) “D4”は手段を選ばないですもんね、「勝てればいい」ってそれだけで。
福澤 あと僕らって、ツッコミがいてボケがいて、ってキャラクターがしっかり付いていて一発でわかりやすいのかも。谷ケ崎は天然だし、有馬は圧倒的ツッコミだし。
高橋 谷ケ崎って天然なの?
福澤 天然っす。
高橋 (笑)。
岡野 そういう圧倒的な悪とキャラクターのギャップも、“D4”の良さなのかなと思います。
福澤 とはいえ、自分たちでは本当にわからないので。今度の《Rep LIVE side Rule the Stage Original》は、ほかのディビジョンの方々には申し訳ないですけど……潰しに行きます!
──頼もしいですね。《Rep LIVE side Rule the Stage Original》ではほかのオリジナルディビジョンと初共演になりますが、特に好きなディビジョンや気になるキャラクターはいますか?
福澤 “糸の会”。
後藤 僕も!
福澤 ぜひとも時空院と燐童には絡んでほしい。
高橋 なんなら時空院と燐童が“糸の会”に入会するところから始まってほしい(笑)。
岡野 時空院は本当にコロッと入っちゃいそう(笑)。
後藤 確かに1回潜入してみたいかも。
福澤 あとはアカバネも悪いよね?
高橋 そうそう。「アカバネと“D4”の治安悪い2組で絡んでほしい」みたいなことはよく聞きますね。
福澤 オリジナルディビジョンはキャラクターが濃い人たちばかりなので楽しみですね。
■《Rep LIVE》では新曲も披露、言葉の重みをぶつけ新たな一面見せる
──《Rep LIVE》だからこそ楽しみなことなどはありますか?
高橋 コールアンドレスポンスができるのは楽しみですね。track.5のときはコロナ禍で声出し完全NGだったので、やっと皆の声が聞ける!
福澤 あとは海斗のMC。
高橋 そこだよね! 声出しも解禁されているし、笑い声がたくさん聞けるといいよね。笑いの祭典みたいになってほしい。
後藤 ソロライブをやって、経験も積んでるだろうし。
福澤 そら、おもろなってるで!
高橋 期待しかあらへんな〜!
福澤 MCの稽古、しっかりしよう。何せ俺ら、MCをめちゃくちゃ大事にしてるんで。アーティストでもMCが面白い人たちは人気が出るし。
岡野 実際、track.5はMCでファンの人の心をつかんだなという感覚はあって。後半はMCの練習しかしてなかったですもん(笑)。
高橋 昼公演で「僕のブロマイドだけ売り切れてないんです!」って言って、夜公演で「売れた―!」って言ってましたからね(笑)。
福澤 それもオリジナルだからこそできることだしね。(原作がある) “The Dirty Dawg”の4人にはできないことだから。新しいファンをつかむためにも一生懸命やったよね。それが正しかったかはわからないけど(笑)。
岡野 “D4”って圧倒的ヒールなのに、これだからいいんですよね。やっていても楽しいです。
──今回は新曲も披露されるということですが、新曲はどのような楽曲になっているのか教えてください。
岡野 僕は自分が得意なこともあるので、“D4”にヒップホップ系の曲が欲しいなと思っていたんですよ。そしたら……来ました! 言葉の重みをぶつける曲という印象です。
高橋 そうそう。ラップで見せつける感じの曲なので、もしかしたら踊らないかも? 豪さんがどんな演出をしてくださるのかわからないのですが、楽しみですね。
福澤 “D4”はどんな曲でも合うとは思っていましたけど、新曲は素直にカッコいいです。また新たな“D4”を見せられる武器になるんだろうなという気がします。
後藤 歌詞も、“D4”の新しい一面を知れるようなものになっているので楽しみにしておいてほしいですね。
■9月でキャスト卒業、少しでも多くの爪痕を残したい
──そして、9月開催の「-Battle of Pride 2023-」でヒプステからキャストの皆さんが卒業することが先日発表されました。改めて、ヒプステや“D4”への想いを聞かせてください。
福澤 track.1から出ている(高野)洸や(阿部)顕嵐と比べると、僕らの歴史は短いですが、それでも注いだ熱量は同じくらい濃いと思っています。実際、僕ら4人のことをtrack.5で知ってくださった方って、めちゃくちゃたくさんいると思うんですよ。そういう意味で、本当にありがたい場所ですね。それからヒプステは熱量がものすごく高い現場だし、ラップがメインでお芝居がついているという普通の舞台とは全然違うエンタテインメントというのも含めて、すごく良い経験をさせていただいたと思っています。
高橋 今、侑が言ってくれた通り、僕らもこの舞台でたくさん成長させていただきましたし、お客様に知っていただくきっかけにもなった。すごく良い経験をさせていただきました。これだけ熱いムーブメントが出来上がっている中で卒業するというのも、潔くてカッコいいなとも思います。熱量を持って見てくださっているファンの方がいるのであれば、その熱量が冷めないように、最後までしっかりぶちかましていきたいです。
岡野 僕はお客さんの目の前でお芝居をするというのは、ヒプステが人生で初めての経験で。原作がある作品ということで、よりお客さんの熱量も高かったこともあって、めちゃくちゃ楽しかった。だからtrack.5の千秋楽が終わったときは「一度きりで終わるのは寂しい」「ずっとこのヒプステファミリーにいたい」と思いました。僕の出演が決まってから、家族や友達も、もちろん僕自身もヒプノシスマイクのファンになったんですよ。これだけ人を巻き込める力を持っているヒプステは偉大だなと思いましたし、その一員になれたことがすごくうれしかったです。最後まで、忘れられない思い出を作りたいです。
後藤 キャスト、“D.D.B”、スタッフさん、豪さんと、関わっている皆さんが人として面白い人たちばかりで、自分の中のアーティスト性みたいなものがすごく刺激された現場でした。卒業は寂しいですが、1歩踏み出すきっかけでもあると思うので、それに感謝しながら、《Rep LIVE》とBoPで自分にできることを全部やって、少しでも多くの爪痕を残して去っていきたいと思っています。
■取材・文/小林千絵
撮影/友野雄
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