打球角度19度という大谷の超低空弾には、指揮官も驚いたようだ(C)Getty Images

 主砲の一発がチームに勢いをもたらした。

 エンゼルス大谷翔平が現地時間7月23日(日本時間24日)、本拠地でのパイレーツ戦で今季36本目の本塁打を放った。「2番・指名打者」で出場したこのゲームでは3打数1安打1四球、初回に飛び出したホームランが自身4試合ぶりのヒットとなり、7-5の勝利に貢献した。

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 0-1のビハインドで迎えたこの日の第1打席、大谷はパイレーツ先発のミッチ・ケラーに対し初球から強振、フルカウント後にもライト線へ強い当たりのファウルを飛ばした。前日までのノーヒットの鬱憤を晴らすようなスイングをみせると、7球目、甘く入ったカットボールをとらえた。快音を轟かせた打球は、低い弾道で瞬く間にセンターフェンスを越える同点弾となった。

 このホームランを皮切りに、エンゼルスは2回にも追加点を挙げ、さらに中盤以降にもアンドルー・ベラスケスの今季第1号や、ルイス・レンヒーフォが2打席連続での本塁打を放つなど得点を重ねた。

 投手陣もタイラーアンダーソンが4失点ながらも、しぶといピッチングで5勝目をマーク。最後はカルロス・エステベスが締め、シーズン23個目のセーブを記録した。

 大谷の驚愕の本塁打が勝利に繋がり、2カード連続での勝ち越しに成功したことで、チームの士気も高まっている。メジャー公式サイト『MLB.com』では試合後、この日の結果を伝えるトピックを配信しており、その中で、本塁打を放ったベラスケス、さらにフィル・ネビン監督のコメントを掲載。今後へ向けたポジティブな意気込みが伝えられている。

 同メディアは「エンゼルスが土曜日に悔しい敗戦、今季4度目の完封負けを喫した後、二刀流のスーパースター、ショウヘイ・オオタニがすぐさま2試合連続の完封負けを阻止した」と初回の本塁打への賛辞を綴っており、「その絶大なパワーを見せつけた」「今シーズン58本塁打のペース」と長打力を称える言葉を並べた。

 また大谷の去就も注目される中、トレード期限まで負けられない状況が続いていることについてベラスケスが「今はプレーオフのようなものだ」と語っており、さらに次戦から敵地での9連戦となることで「だからこそ、このロードトリップに臨むにあたって、このシリーズに勝つことは非常に重要だった」と振り返ったとしている。

 加えて、ネビン監督も「みんないい反応をしている。彼らはすべてがまだ目の前にあることを理解している」として、プレーオフを意識するチームの現状を語ったことも記されている。

 前日の敗戦の雰囲気を一気に吹き飛ばし、試合の流れを引き寄せた大谷の会心の一打。次戦からは9試合、ロードでの戦いとなるもこの日のように、背番号17の存在がチームを勝利に向かわせるに違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

エンゼルスが”正念場”のロード9連戦へ 指揮官はチームの現状に前向き「まだすべてが目の前にある」