パリ・サンジェルマンPSG)所属のフランス代表FWキリアン・エンバペに対し、サウジアラビアからオファーが届いたようだ。24日、フランス紙『レキップ』やイギリスメディア『アスレティック』が伝えている。

 現在24歳のエンバペモナコで頭角を表すと、1シーズンのレンタル加入を経て2018年夏にPSGに完全移籍。ここまで公式戦通算260試合の出場で163ゴール82アシストを記録するなど、同クラブの中心選手として活躍している。昨年夏にはレアル・マドリードへの移籍が濃厚と報じられたなか、PSGと新契約を締結しリーグ・アン残留に至った。

 しかし、当初2025年6月末までの3年間と見られていた新契約は、2024年までの2年間+1年間の延長オプションであったことが後に判明。さらに、契約延長オプション行使の権利はエンバペ側に委ねられており、その期限は今年の7月31日に設定されているという。すでにエンバペはクラブに対し、1年の契約延長オプションを行使しない意向であることや、今夏に退団する意思がないことを明言。しかし、同選手のフリー流出を避けたいPSGは、今夏の移籍市場での売却についても検討を重ねているとのこと。日本で行われているプレシーズンツアーのメンバーからもエンバペを外している。

 去就に大きな注目が集まっているエンバペだが、この度サウジアラビアから巨額のオファーが届いたようだ。報道によると、アル・ヒラルが同選手の獲得交渉開始に向けて、3億ユーロ(約470億円)の正式オファーをPSGに提示したとのこと。この取引が実現した場合、2017年にブラジル代表FWネイマールPSGに加入した際の2億2200万ユーロ(約347億円)を抜き、移籍金の史上最高額を更新することとなる。なお、選手本人との交渉は行われていないとのこと。しかし、今回のオファーを受け、PSGはアル・ヒラルに選手側との交渉を許可したとも報じられている。

 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、現在PSG内部では、エンバペが来夏のレアル・マドリード加入で既に個人合意に達しているとの見方が強まっているという。しかし、例え1シーズンのみの在籍になったとしても、アル・ヒラルは同選手に巨額の移籍金および給与を支払う可能性が高いようだ。

 アル・ヒラルは今夏、既にセネガル代表DFカリドゥ・クリバリやポルトガル代表MFルベン・ネヴェス、セルビア代表MFセルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチらを獲得している。“超大物”との契約締結に向けて、今後はどのような動きを見せるのだろうか。なお、『レキップ』が報じたところによると、アル・ヒラルのほかにも、バルセロナプレミアリーグの複数クラブがエンバペ獲得の可能性を模索しているという。

PSG退団が噂されているエンバペ [写真]=Getty Images