25日の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比766.25ポイント(4.10%)高の19434.40ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が333.17ポイント(5.31%)高の6604.20ポイントとそろって大幅反発した。ハンセン指数は約1カ月ぶりの高値水準を回復。上昇率は今年2番目の大きさとなった。売買代金は1421億620万香港ドルに拡大している(24日は935億330万香港ドル)。
 中国の景気支援スタンスが好感される流れ。24日開催の中央政治局会議では、下半期の政策方針として、不動産政策の緩和が示唆された。また、積極的に内需を拡大し、雇用の安定化を「戦略的レベル」に引き上げ、地方債務のリスク解消を図る方針なども示されている。国家発展改革委員会は同日、民間投資の促進に向けた措置17項目を発表した。固定資産投資に占める民間投資の比率を合理的な水準に維持する方針を打ち出している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、管理サービスやデベロッパーなど本土不動産の下げが目立つ。碧桂園服務HD(6098/HK)が26.5%高、龍湖集団HD(960/HK)が25.6%高、碧桂園HD(2007/HK)が18.3%高、中国海外発展(688/HK)が12.3%高で引けた。
 自動車セクターも高い。小鵬汽車(9868/HK)が12.7%、蔚来集団(9866/HK)が10.3%、吉利汽車HD(175/HK)が7.8%、長城汽車(2333/HK)が5.7%ずつ上昇した。
 スポーツ用品や家電など消費セクターもしっかり。海信家電集団(921/HK)が6.3%高、海爾智家(6690/HK)が5.0%高、TCL電子HD(1070/HK)が4.7%高、安踏体育用品(2020/HK)が5.9%高、李寧(2331/HK)が5.8%高で引けた。
 中国金融セクターも物色される。招商銀行(3968/HK)が10.6%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が5.0%高、新華人寿保険(1336/HK)が10.5%高、中国平安保険(2318/HK)が7.5%高、中信証券(6030/HK)が9.4%高、華泰証券(6886/HK)が7.6%高と値を上げた。上述の政治局会議では、2023年下半期の政策運営の基本方針の一つとして、「資本市場を活性化させ、投資家の信頼感を高める」という考えも示されている。現地メディアによると、政治局会議で「資本市場を活性化させる」との文言が盛り込まれたのは、2013年の政治局会議以来、10年ぶりという。
 一方、本土マーケットは4日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比2.13%高の3231.52ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。金融株、消費関連株、素材株、エネルギー株、インフラ関連株、ハイテク株、医薬品株、運輸株なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)