「過去最高の敵」と目されるフルトンに向かう井上。そんなモンスターに注目が集まっている。(C)Getty Images

 7月25日、いよいよ「今年度最高のカード」と称される一戦のゴングが鳴る。東京・有明アリーナで行なわれるWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・スティーブン・フルトン(米国)と挑戦者・井上尚弥(大橋)のタイトルマッチだ。

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 今年1月にスーパーバンタム級への階級上げを正式表明した井上にとっての“初陣”。そこで迎えるは、「過去最強の相手」と目されるフルトン。公式計量後のフェイスオフで約33秒間のヒリヒリとした視殺戦を展開した“モンスター”(井上の愛称)が、類まれな技巧を武器にする王者にいかに立ち向かうかは大きな注目を集めている。

 すでに識者やメディア、ファン、そして現役戦士たちがありとあらゆる論評や予想を展開している。その数は枚挙に暇がない。そうしたなかで、アメリカの名物解説者も持論を展開している。数々の世界王者を生み出した名トレーナーであるテディアトラス氏だ。

 かつて元2階級制覇王者のティモシー・ブラッドリーなどを指導し、手腕が高く評価されてきた。そんな名トレーナーとしての一面を持つアトラス氏は、英国のボクシング専門メディア『Boxing Social』で「今回の試合は誰もが待ち望んでいたパッキャオメイウェザーのような試合だ」と独自の分析を語っている。

パッキャオと同じように井上には素晴らしい攻撃力がある。一方でフルトンにはメイウェザーほどではないにしろ、それに近しい優れたディフェンスとカウンターの技術がある」

 2015年に実現したメガマッチを引き合いに出して両雄を称えたアトラス氏は、「イノウエにとって難しい試合になるだろう。何よりもフルトンはイノウエに適している。理由は、優れたディフェンスファイターであること、ラウンドの進め方を知っていること、無敗であること、そして自信を持っていることだ」と強調。そのうえで、「他の小さなボクサーとは異なりノックアウトできる一発を持っている」という井上が勝つためのカギを指摘している。

イノウエの絶え間ないプレッシャーとボディワークが、最後の最後に違いとなる可能性は大いに秘めている。彼と距離を置く男はそれほど多くないはずだからね。勝負が長引けば長引くほど、モンスターの有利になるはずだ」

 はたして、井上はいかなるパフォーマンスでフルトンに立ち向かうのか。両雄の駆け引きは興味深いものになる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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