それでも16m……。

日本郵船グループで初の巨大な“帆”

日本郵船は2023年7月24日ベルギーに拠点を置く同社グループのNYK Bulkship (Atlantic)が保有するばら積み船に“風力アシスト装置”を導入すると発表しました。

採用したのはオランダのエコノウィンド社が開発した風力アシスト装置「ヴェントフォイル」です。高さ約16mの円筒形に近い構造物を船上に立ち上げ、帆の役割を果たす装置だといいます。これは飛行機の翼と同じように、筒の両面に開けられた吸い込み口から風を取り込み、気圧差を増幅させてより強い推進力を得られるそうです。

航行中の温室効果ガス(GHG)排出量を削減すべく、こうしたばら積み船に巨大な次世代型の“帆”を搭載する動きがあり、たとえば商船三井も「ウインドチャレンジャー」という名の「硬翼帆」と呼ばれるものを開発しています。日本郵船グループが今回導入したヴェントフォイルは、「同種の装置としては小型なため荷役の邪魔になりにくく、搭載や移設が容易」だといいます。

NYK Bulkship (Atlantic)は、この装置を使い、航海中の気象・海象や本装置が生み出すスラスト(推進)力などのデータを集め、傭船元であるカーギル・インターナショナル社と共同で効果計測を行うということです。

ヴェントフォイルを搭載したばら積み船のイメージ(日本郵船の画像を加工)。