2023年7月某日、笹塚のとある地点に大勢の“元傭兵”たちが集った。

 フロム・ソフトウェアが放つメカカスタマイズアクションゲーム最新作ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(以下、『ACVI』)のメディア向け試遊会が開催されており、長い間沈黙し続けていたフロムの看板シリーズ最新作を待ち望んでいた者たちが殺到したのだ。

『アーマード・コア6』はまさに『AC』と『ソウル』の良いとこ取りだった! AC歴20年以上の元レイヴンによる3時間以上の実機プレイで分かったことまとめ_001

 前作から実に10年以上……あまりにも永い間待ち続けたことで、もはや新作が発売されるという実感がイマイチ湧いていないのが正直な心境だ。

 23年前からフロムゲーにソウルを捧げており、アーマード・コアシリーズも全作品プレイしてきた筆者だが、この試遊会に臨むときは「ついにACの新作に触れる!」と胸が高鳴る思いと、「はたしてどうなったのだろう?」という不安を同時に感じていた……。

 結論から言うと不安は払拭されて、ただただ発売が楽しみで仕方がない!というのが率直な感想である。

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 かつて“レイヴン”だった者なら感じ取れるACシリーズ特有の匂い、新しくも指に馴染んでくる操作感、そして、同社のエルデンリングSEKIROなどにも通ずるアクションゲームとしてのやり応え――強敵と「対話」するタイプのアクションゲームに生まれ変わっていると感じた。

 イメージしやすく簡潔に伝えるのであれば、アーマード・コア』シリーズと『ソウル』シリーズの良さがイイ具合に混ざっていて、歴代ACシリーズの美味しさがハッピーセットのように詰まったのが『ACVI』である。

 今回の試遊では、Chapter1までプレイ可能となっていたが、試遊時間いっぱいまで夢中でプレイし続けた結果、なんとかChapter1最後のボスを撃破してプレイ可能範囲をすべてクリアーできた。
 確認した限りでは、これを撃破できたのは、会場内で私一人のみだったようだ。

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 本稿では、試遊を通して知り得た『ACVI』の情報と所感を余すところなくお伝えしたいと思うのだが、先にひとつだけ、ぜひとも共有したい情報がある。それは、

 テストモード中にアセンブルができる!変更したパーツが即反映されて、すぐに比較できる!これが超便利で、本当に素晴らしい!

※テストモードの模様は動画の14分50秒ごろから

文/Leyvan

※本稿では、『ACVI』のゲーム開始からChapter1までの内容を含みます。初見プレイの感動を著しく損ねるような情報や、重大なネタバレに触れることがないよう配慮しておりますが、新情報を見たいけどガマンして楽しみを取っておきたい人はご注意ください。「ヒャアがまんできねぇ!」という人はどうぞ読み進めてください。

※本記事に記載された情報は開発中のものです。製品版で変更される場合があります。

『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』公式サイトはこちら 『アーマード・コア6』はまさに『AC』と『ソウル』の良いとこ取りだった! AC歴20年以上の元レイヴンによる3時間以上の実機プレイで分かったことまとめ_004 『アーマード・コア6』はまさに『AC』と『ソウル』の良いとこ取りだった! AC歴20年以上の元レイヴンによる3時間以上の実機プレイで分かったことまとめ_005

新しいけど懐かしくもある、“匂い立つ”ようなAC特有の空気感

 ゲームを始めると、「強化人間 C4-621」と呼ばれる主人公が覚醒して、宇宙空間から本作の舞台である「惑星ルビコン3」へと降下するシーンから始まる。

 もう、この冒頭シーンから歴代シリーズのファンであれば過去作を思い出すような構図のカットシーン、情報が満載だ。

 ポッドで大気圏を突入するシーンがアーマード・コア2のオープニングムービーのようで、途中の衛星から砲撃されるシーンはアーマード・コア3 サイレントライン』のようだし、そもそも、「強化人間」というワードに敏感に反応してしまう。
 このほかにも、歴代シリーズのオマージュだったり、“匂わせる”ような演出がてんこ盛りで、シリーズ作品を深く知っている人ほどうれしくてたまらなくなるだろう。

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 話を戻そう。惑星ルビコン3に到着して、カットシーンが終わると、「メインシステム 戦闘モード起動」とおなじみのCOMボイスが流れる。

 この瞬間の画面上に表示物がドバっと流れるやたらとカッコいい起動シーケンスと相まって、ここにきてようやく「本当にACの新作だ……!」と、実感が込み上げてきた。

 最初の敵は、シリーズのお約束どおり貧弱なガードメカとMT(マッスルトレーサー作業用機械を武装化したもの)で、ACの戦闘力であれば取るに足らない相手である。
 肩慣らしとしてザコ敵を右手のライフル、右肩のミサイル、左手のブレードで蹴散らしていくと、この感触、この空気感は、紛れもなくACだ!と、さらに実感が強まる。

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 オペレータの事務的で無慈悲なガイド。淡々と、機械的に目の前の敵を排除していくときの無機質な感覚。
 効果音もいい。甲高く響き渡る銃声、鉄と鉄がぶつかり合うときの鈍く黒光りするような音、質量のある物体が弾けるときの轟音。

 乾いた風、冷たい空気、鉄と硝煙のニオイしかしない、この感じこそがアーマード・コアだ……。

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操作感は歴代シリーズの特徴をミックスして再解釈したような感触

 続いて、おそらく待ち望んでいるACファンであれば何よりも気になるであろう操作方法についてだが、ベースはアーマード・コアV(以下、『ACV』)の操作系統に近い。

 機体を動かしているときの感触は、歩行やブースト移動などは『ACV』のように機体をズズズ……ッと引きずる重さを感じる挙動で、クイックブーストはアーマード・コア4(以下、『AC4』)のドヒャア!ドヒャア!と慣性を無視して動ける感覚が混在するような印象だ。
 機体のスピードは『ACV』よりも速く、全体的な速度感、テンポ感はPlayStation2時代のシリーズ作品に近いように思う。

 操作方法をXboxコントローラー準拠で書くと、左スティック+Bボタンでブースト移動ON、Aボタンでジャンプ、A長押しで上昇、そしてXボタンクイックブースト。
 左スティックの押し込みでアサルトブーストが使用できるが、これは『ACV』で言うならばグライドブースト、それ以前のシリーズで例えるならオーバードブーストのようなものだと思っていい。

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 ただ、このアサルトブーストは「カメラが向いている方向」に移動するため、上方向を向けば上に、下方向を向けば下に向かって高速移動できる点が大きく違う。この特性は非常に重要だと感じた。
 また、アサルトブースト中に左スティックを左右に倒すと素早く回避行動を取りながらダッシュできる。敵の攻撃をかいくぐりながら接近したい場面は多かったので、事実上必須のテクニックとなるだろう。

 ロックオン仕様は『AC4』系統に近く、右スティック押し込みでターゲットアシストがオンになって、ターゲットを常に正面に捉えながら移動できる。
 細かなエイミングまでは必要ないが、一次ロックと二次ロックの概念は『ACVI』にもあり、素早く移動する対象に攻撃を当てるには、敵をしっかりと正面に捉え続けて二次ロック状態で攻撃する必要がある。

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 今作でもっとも大きく変わったのは、両手と両肩の4つの武装を同時に使用できる点だろう。左手武器がLTボタン、右手武器がRTボタン、左肩武器がLBボタン、右肩武器はRBボタンとなっていて、すべての武器を切り替えることなく同時に扱える。
 移動に関する操作は比較的わかりやすくまとまっている分、以前よりも簡単に動かせるようにはなっているのだが、最大4つの武器を同時に操作しながら戦うので……まあ忙しい。
 後述するが、ある程度慣れてくると手動リロードを挟みながら各武装の残弾管理をすることが重要になってくるので、とにかくやることが……やることが多い!人間の指は5本ずつしかないんだが……?

 アーマード・コアといえば、操作が比較的難しいゲームであり、やはり今作も例外ではない。
 新しいゲームシステムと操作方法に自分の指を慣らして頭に叩き込み、「ACの操縦をおぼえる」作業は今回も必要になる。
 とはいえ、3時間強のプレイでだいぶ馴染むようになったので、あくまで主観ではあるが操作に慣れるスピードはこれまでのシリーズと比べて早い方なのではないかと思う。

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敵と「対話」をする、“やりとり感”のあるアクションゲームとなったAC

 『ACVI』が過去作からもっとも大きく変わった部分、それは強敵との戦闘における「作法」だ。
 今作では、攻撃によって衝撃力を与え続けることで、敵の姿勢制御機能を一時的にダウンさせる「スタッガー」という新システムがキーポイントになっている。

 自機にも、敵機にも「衝撃値ゲージ」が存在しており、攻撃を受けることで衝撃値ゲージがいっぱいになると体勢を大きく崩し、スタッガー状態となる。スタッガー状態中に攻撃を受けると「直撃」扱いとなって、ダメージが大幅に増加するという仕組みだ。
 これは、SEKIRO』における体幹、『エルデンリング』における体勢崩しに近いものだと考えれば、経験者にとっては理解しやすいだろう。

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 衝撃ゲージは時間によって回復していくため、強敵が相手の場合は、武器単体だけでなく、複数の武器を組み合わせて畳み掛けることが重要だ。
 衝撃力の高い武器でスタッガー状態にして、すかさず追撃を加えて直撃ダメージを与えるというのが基本戦術となる。
 そのためには、間の悪いところでリロードを挟まないように各武装の残弾数に注意して、攻撃のタイミングを合わせることが大事だと感じた。

 たとえば、もう少しで敵をスタッガー状態にできそうなときは、もっともダメージを稼げる主力武器を手動リロード(Yボタン+武器ボタン)しておいてチャンスに備える……といったことを意識しながら戦うということだ。

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 そして、『ACVI』は敵の挙動が全体的にプレイヤーと「対話」することを基本にした設計だと感じた。
 どういうことかというと、相手の予備動作をしっかりと見てから、攻撃を垂直方向に避けるのか、水平方向へ避けるのか選択を迫ってきたり、危険な攻撃には予兆があるといった具合に、よりアクションゲームらしい戦い方を求めてくるようになった。

 ゲームで最初に登場するボス惑星封鎖機構大型武装ヘリの手強さによって、「『ACVI』はこういうゲームだ。相手の動きをちゃんと見て戦え」とプレイヤーを“理解(わか)らせ”るのだ。

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 これは……最初のボスにしては、強くないか!? と戦慄しながら、初戦ではAPを回復するリペアキットをあっという間に使い切り、ほとんど為す術もなく惨敗。
 何度もリトライを重ねるうちに、アサルトブーストの使い方が重要であること、周りの遮蔽物を利用すること、スタッガーを狙うことなど、『ACVI』の基本という基本を徹底的に叩き込まれた。

 要するに、このボスが『ACVI』における“先生”で、これを撃破できる頃には機体の操作も、戦い方もそれなりに身についているということだ。

困難を乗り越える達成感と、アセンブルで試行錯誤をするゲーム体験の融合

 最初のボスの手強さからも伝わると思うが、『ACVI』の戦闘はなかなか歯ごたえのあるゲームバランスといえる。

 それでも、今作ではミッションの途中でチェックポイントが設けられており、たとえ失敗しても途中から再開できるし、再開した場合はAPと残弾数は最大値まで回復する。

 さらには、所持しているパーツに限られるが、アセンブルをして機体構成を変更したうえでリトライすることもできるので、困難なミッションでもクリアするまで「粘りやすく」なったのは非常に大きい。

 この仕様があったからこそ、限られた試遊時間でもChapter1の難関ミッションである「壁越え」も、Chapter1最後のボスもなんとか撃破できたというわけだ。

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 ミッションクリア時の機体修理費と弾薬費に関しては、チェックポイントを通過した時点での状態が保存されており、それをもとに計算されるようで、何度リトライをしても大赤字になるということはないので、思う存分に再挑戦できるのもうれしい。

 アクションゲームとしてのやり応え――プレイヤーと敵のやりとり感だったり、困難を乗り越える達成感――と、アーマード・コアならではの体験、アセンブルで武器やパーツを組み替えて状況に適した構成を探って試行錯誤する楽しみが融合したゲーム体験は、まさにアーマード・コア』シリーズと『ソウル』シリーズの良さが混ざっていると感じられた。

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 ミッション形式のゲーム進行で、ミッションで得た収入によって新たなパーツを購入して機体をカスタマイズし、さらなるミッションに挑む。
 そういった、アーマード・コアとしての流儀は『ACVI』でも変わらない。そのうえで、近年のフロム・ソフトウェア作品での「共通言語」になっているような部分は、『ACVI』にも受け継がれていると、個人的には思う。

 『エルデンリング』などからフロムゲーと出会った人も、歴戦のACファンも、『ACVI』は大いに注目すべきタイトルだろう。

 最後に、歴代ACシリーズを遊んできたプレイヤーとして、そのほかにも伝えたい情報がたくさんありすぎたので、可能な限りリストアップしてお届けする。

 発売まで、あと1ヶ月。期待を膨らませて、新たな戦場に立てる日を待ちたい。