米テキサス州の駐車場で今月19日、車のフロントガラスを叩き割る男性の姿が撮影された。これは車上荒らしではなく、車の鍵を車内に置いたままロックが掛かってしまう“インロック”が発生し、車内に残されてしまった赤ちゃんを救うための選択だった。当時は外気温が40度を超える猛暑で赤ちゃんの命が脅かされたが、無事に救出することができたという。米ニュースメディア『New York Post』などが伝えている。

注目を集めている動画は今月19日午前、米テキサス州ハーリンジェンにあるスーパーマーケット「H-E-B」の駐車場で撮影された。その動画には、タイヤ交換に用いる金属製のレバーを手にし、力いっぱいフロントガラスを叩く男性の姿が映っている。この車は男性のもので、彼は車の鍵を車内に置いたまま外に出てしまい、誤って車の鍵が掛かってしまうインロックが起きていた。

しかも当時、生後間もない赤ちゃんが車内に取り残されてしまった。この日は華氏105度(摂氏40.5度)に達するほどの猛暑で、赤ちゃんをそのままにしておくことはかなり危険な状況だった。ロードサービスに連絡したり、スペアキーを自宅に取りに行ったりする時間はなく、男性はフロントガラスを叩き割って我が子を救出することにしたのだった。

当時の様子を撮影した動画を確認すると、男性は何度も力強くフロントガラスを叩いているが、フロントガラスは頑丈でなかなか貫通しない。諦めずに叩き続けるとようやくフロントガラスに穴が開き、別の男性が現れてハンマーのようなもので穴を広げるのを手伝っている。動画の後半で映像が切り替わると、車内から誰かが赤ちゃんを抱え上げ、穴が大きく開いたフロントガラスから赤ちゃんを手渡そうとする様子が映った。ハンマーを使っていた男性が赤ちゃんを受け取り、抱きかかえて歩き去ったところで動画は終わっている。

赤ちゃんの両親はインロックが発生した直後に緊急通報用電話番号の911に連絡しており、赤ちゃんは救出されてすぐ、南テキサス救急医療財団による手当を受けることができたという。

この動画がTikTokなどネット上でシェアされると、「テキサスは異常な暑さだし、赤ちゃんが助かって本当に良かった」など安堵の声とともに、「赤ちゃんを車内に忘れるなんて、信じられない」「なんて可哀そうな赤ちゃん」「こんなに小さな子が車内に閉じ込められてしまうなんて…」と赤ちゃんを閉じ込めてしまった状況に批判の声もあがった。

日本自動車連盟(JAF)によると、外気温35度の晴天のもと、エンジンを切った車を放置する実験を行ったところ、30分で車内の温度は45度にまで上昇したという。今回、赤ちゃんが車内に閉じ込められていた時間は明らかになっていないが、車を犠牲にしてでも救出しようとした父親の選択は正しかったと言えるだろう。

ちなみに2020年10月には、「修理代が無い」という理由で車の窓を割るのを拒否した結果、車内に閉じ込められた1歳女児が亡くなったというケースが物議を醸していた。

画像は『user4362240051779 2023年7月19日付TikTok「Baby locked in car..」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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