トッテナムは26日、シンガポール国立競技場で行われた国際親善試合でライオン・シティ・セーラーズ(LCS)と対戦し、5-1で勝利した。

現在、『アジア・パシフィック・ツアー2023』でオーストラリア、タイ、シンガポールの3カ国を巡っているトッテナム。パースで行われたアンジェ・ポステコグルー新体制の初陣となったウェストハム戦を2-3で落とした上、タイでのレスター・シティ戦は豪雨の影響によって直前の中止となっており、今回の一戦ではシンガポールの国内クラブ相手に新体制初白星を狙った。

この試合は当初、ローマと対戦予定だったが、ローマがアジア遠征を中止した影響で急遽対戦相手の変更を余儀なくされている。なお、この一戦ではケインソン・フンミンの両エースに加え、GKヴィカーリオやウドジェ、マディソンといった新戦力がスタメンで起用された。

先日のウェストハム戦同様に後方からボールを動かして相手を押し込むトッテナム。ウドジェとマディソンの左サイドでの連携からボックス中央のケインにいきなり決定機が訪れるなど、[5-4-1]で自陣深くに籠るLCSを圧倒。

しかし、なかなかシュートを枠に飛ばせない状況が続くと、前がかりなところを相手のカウンターで引っくり返される。14分、右からのクロスに対してDFペドロ・ポロが背後を取られると、ゴール前に飛び込んだシャワル・アヌアルに右足のファーストシュートをまんまと先制点に繋げられた。

プレシーズンマッチとはいえ、格下相手に先制を許す失態を演じたトッテナムはすぐさま反撃を開始。マディソンが鋭いミドルレンジからのシュートで相手GKにファインセーブを強いる。以降も内と外を織り交ぜた多彩な攻めで攻略を試みるが、肝心のシュートだけがうまくいかず。40分過ぎにケインの落としからパプ・サールが放ったボレーシュートもクロスバーを掠める。

それでも、ハーフコートゲームを継続するポステコグルーのチームは前半終了間際に波状攻撃からサールがボックス内で倒されて得たPKをキッカーのケインが危なげなく決め切り、辛くも同点に追いついてハーフタイムを迎えた。

迎えた後半、ポステコグルー監督は選手全員を変更。ダイアーエメルソン、ホイビュア、スキップらに加え、前線はソロモン、リシャルリソン、ペリシッチの並びに。

後半も引き続きハーフコートゲームを展開すると、期待外れに終わった昨シーズンからの巻き返しを狙う背番号9が精力的なプレーを見せる。

まずは48分、カウンターの形からボックス内に侵入したロ・チェルソのシュートのこぼれ球にゴール前で反応したリシャルリソンが右足で蹴り込み、逆転ゴールを奪取。さらに、52分にはボックス内での相手DFとGKのコミュニケーションミスを見逃さず、ゴール至近距離からのヘディングシュートを難なく流し込んだ。

リシャルリソンの連続ゴールでビッグクラブの面目躍如のトッテナムは、以降も攻撃の手を緩めることなく。相手ゴールに襲い掛かっていく。とりわけ、左サイドのレギロンやロ・チェルソ、ペリシッチが効果的な絡みで再三の決定機を演出。オフサイドにかかったものの、リシャルリソンが幾度もハットトリックに迫った。

後半半ばを過ぎると、試合はやや膠着状態に。攻勢を続けるトッテナムソロモンボレーシュートがポストを叩くなど、前半のように最後の仕上げで手を焼く。それでも、73分にはボックス右で仕掛けたソロモンからの折り返しがDFにディフレクトしてゴール前にこぼれると、ドフリーのロ・チェルソが冷静に蹴り込んだ。

その後はさすがに省エネモードの戦いにシフトしたトッテナムだったが、後半終了間際の91分にはホイビュアの縦パスをエメルソンがワンタッチでフリックしたボールに抜け出したリシャルリソンが冷静にシュートを流し込み、ハットトリックを達成した。

ウェストハム戦同様に40本を超えるシュートを放ちながら、決定力不足という課題は残したものの、格下に勝ち切った新生スパーズがポステコグルー体制で初白星を手にした。

トッテナム 5-1 ライオン・シティ・セーラーズ
トッテナム
ケイン(前45+4[PK])
リシャルリソン(後3)
リシャルリソン(後7)
ロ・チェルソ(後28)
リシャルリソン(後45+1)
LCS
シャワル・アヌアル(前14)