日本電信電話株式会社NTT東日本、東京都新宿区西新宿3-19-2、代表取締役社長・澁谷直樹)、プランティオ株式会社(東京都渋谷区神泉町11-7、代表取締役・CEO・芹澤孝悦)、株式会社タニタ東京都板橋区前野町1-14-2、代表取締役社長・谷田千里)の3社は、都市型スマート農園の開発や、新規就農に繋がる機会の創出など、都市部における「食」と「農」と「健康」の課題解決を目的とした新たなアーバンファーミング事業に向けた食農事業で協業を開始します。

NTT東日本が有するICTを活用した営農支援の実績とノウハウ、通信環境の構築で培ったエンジニアリング力、プランティオの持つIoTを活用した野菜栽培の仕組みとシェアリング型の農園運用のノウハウ、タニタの健康づくりや食のノウハウを組み合わせることで、新たな農体験を通じた地域活性化、健康寿命の増進、農の関心人口増加による都市部営農への貢献に繋がる都市型スマート農園の開発をはじめとしたアーバンファーミングの事業化と全国展開を目指します。本協業の第1弾として、タニタ本社敷地内に本事業のテストフィールド「タニタふれあい農園」を開設、2023年8月より実証実験をスタートします。

IoTを活用した都市型スマート農園のテストフィールド「タニタふれあい農園」
IoTを活用した都市型スマート農園のテストフィールド「タニタふれあい農園」

1.取り組みの背景

近年、国内の農業分野において、食糧自給率が40%を下回るなど食の安定供給に対するリスクが深刻な課題となっており、国全体での食料生産基盤の強化が求められています。特に都市部の農業においては、耕作地の狭小・分散化、個人農家の収益性の改善、生産緑地の維持、都市部の食料自給率の改善など、多くの課題があります。

こうした中、世界で急速に広がるアーバンファーミング(都市型農)※1の文化を国内で醸成する動きが注目されています。アーバンファーミングは消費地の近くで生産できることから、地産地消・旬産旬消で新鮮な野菜を環境負荷の低いプロセスで供給できます。また、地域コミュニティの創出、景観形成や生物多様性の維持、避難場所や環境緩衝地としての防災機能など、アーバンファーミングが持つさまざまな機能が期待されています。

今回3社は、プランターを使うことでビルの屋上や舗装地などさまざまな形態の遊休地に開設することができ、またIoTの活用により誰もが気軽に「たのしく育てて、たのしく食べる」ことができる、都市型スマート農園※2の構築と検証を進めます。さらに本農園を活用し、新規就農に繋がる機会の創出、食農への関心人口増加や地域経済の活性化に繋がる新たな体験や仕組みを創造する新たなアーバンファーミング事業の実現を目指します。

※1英ロンドンでは市内に3000カ所以上の都市型農園が設置されているほか、仏パリでは世界最大の屋上農園(敷地面積1万4000平方メートル)が 2020年にオープンしました。米ニューヨークにおいても屋上に農園があることがスタンダードとなりつつあります。

※2区画で貸し出す一般的な農園とは異なり、農園全体を参加者同士が交流しながら共同で野菜を育てていく「シェア型」となっていることが特徴で、IoTやAIの活用により、未経験の人も含め、誰でも簡単に野菜を栽培することができる農園を目指しています。

2.実証実験の概要

(1)都市型スマート農園の開発・有効性の評価

1.IoT/AIを活用した農園利用者の利便性向上

プランティオが独自開発したIoTセンサー「grow CONNECT(グロウコネクト)」を活用します。内蔵する土壌温度計によって土壌の温度の積算をモニタリングするとともに、他の5つのセンサーデータを肉付けし、前後一週間の天候データと対比して予測するAI技術である「Crowd Farming System」と、専用のアプリ「grow GO」を通じて水やりや間引きのタイミングなどの栽培アドバイスを行うことで、未経験の人も含めて、誰でも手軽に野菜を栽培することができます。テストフィールドでは、本アプリの評価と開発へのフィードバックを実施していきます。

2.農園利用者のコミュニティを活性化させる付加価値の創造

「grow GO」は農園の利用者同士がコミュニケーションを取れる機能も備えており、リアルとオンラインの両面でコミュニティに参加し、楽しみながら食と農と健康づくりに気軽に触れることができます。また、収穫した野菜をタニタ食堂やタニタカフェのレシピを基に調理して参加者に提供したり、バーベキューパーティーを開催したりするなど、コミュニティを活性化させるさまざまなアクティビティを展開していきます。地域住民を対象に今回テストフィールドとして開設した「タニタふれあい農園」におけるコミュニティやアクティビティへの参加を募り、参加者の行動態様や事業性を検証していきます。

3.意識することなく取り組める健康コンテンツ

タニタふれあい農園で利用者が行うアクティビティ(水やりや土寄せ、追肥、間引きなどの農作業)は、それと意識することなくからだを動かすエクササイズになるとみています。農作物をつくる喜びや、コミュニティの仲間とつながる楽しさをフックに自然と健康づくりを促す「健康コンテンツ」となることから、健康増進のアプローチ手法として、その可能性を検証していきます。

(2)周辺地域への誘客・消費促進など地域循環モデルへの発展

タニタふれあい農園」において栽培した野菜の近隣飲食店での消費、アプリを通じた栽培活動による特典の付与、周辺地域の施設への誘客など、地域経済圏の活性化を図る仕組みづくりを検討していきます。利用者や導入企業のみに負担が集中することのない、持続可能な農園運営と都市部営農に貢献するモデルを目指します。

IoTを活用し、利用者が分担して手入れをし、収穫します

3.実施場所および実施時期

タニタ本社敷地内に開設したテストフィールド「タニタふれあい農園」で実証実験を実施します。

【場所】タニタふれあい農園 (タニタ本社敷地内・東京都板橋区前野町1-14-2)

【期間】2023年8月1日-2024年3月31日(予定)

4.各社の役割

NTT東日本

実証実験の共同企画、実証環境の開発・構築・検証、地域活性化や都市部営農への有効性評価・事業検討

・プランティオ

 実証実験の共同企画、農園のファシリテート、アプリ開発

タニタ

 実証実験の共同企画、実証フィールドの提供、食と健康分野での有効性評価・事業検討

5.今後の展開について

今後3社では、今回の実証実験の結果を基に新たな食農体験を通じた社会課題のソリューションに関するノウハウと実績を蓄積し、アーバンファーミングの事業化へ向けた具体的な検討を進めていきます。IoT/AIや、その他実証を通じて効果が見込まれた機能を備えた都市型スマート農園サービスをパッケージ化して遊休地所有者に提供するほか、生産した野菜のタニタ食堂・タニタカフェでの活用、付加価値の高い伝統野菜の一般流通などを視野に入れています。また、地域の飲食店や施設と連携した誘客の仕組みによる地域経済の活性化についても検討していきます。ひいては、世界的に喫緊な課題である食料安全保障を背景とし、各国で加速するグリーンフードインフラ※3の構築を目指します。

今回の実証実験をショーケースとして、全国の遊休地や自治体への普及拡大を図っていく計画です。3社それぞれの強みを生かした魅力的なアーバンファーミング事業の提供を通して、食と健康にまつわる社会課題の解消に寄与してまいります。

※3 従来の緑化を中心とした、自然環境が有する機能を社会におけるさまざまな課題解決に活用しようとする考え方に、食べ物を食べるという機能も付加することで、一般の方が安心安全な食と農を自身で担保できることに加えてアクセスも可能とするプラットフォーム

NTT東日本の概要】

会社名   東日本電信電話株式会社

代表者 代表取締役社長  社長執行役員 澁谷 直樹

所在地 東京都新宿区西新宿3-19-2

設立 1999年7月1日

事業内容  東日本地域における地域電気通信業務及びこれに附帯する業務、目的達成業務、活用業務

【プランティオの概要】

会社名 プランティオ株式会社

代表者 代表取締役・CEO 芹澤 孝悦

所在地 東京都渋谷区神泉町11-7

設立 2015年6月16日

事業内容  ご家庭のベランダや、ビルの屋上、マンションなどの屋内でたのしくアーバンファーミング (都市農) を行う為の、一般の方の持続可能な農と食の営みをSXした次世代型アグリテインメントプラットフォーム「grow」を展開する経済産業省のスタートアップ支援プログラム『J-Startup』選抜スタートアップ

タニタの概要】

会社名 株式会社タニタ

代表者   代表取締役社長 谷田 千里

所在地 東京都板橋区前野町1-14-2

設立 1944年1月

事業内容  家庭用・業務用計量器(体組成計、ヘルスメーター、クッキングスケール、活動量計、歩数計、塩分計、血圧計、睡眠計、タイマー、温湿度計)などの製造・販売

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配信元企業:東日本電信電話株式会社

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