6月初旬に開始されたウクライナ軍の攻勢作戦について、「ウクライナ軍の反転攻勢は上手くいっていない。失敗しているのではないか」とネガティブな発言をする人が結構いる。

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 ウオール・ストリート・ジャーナル紙も次のように記述している。

ウクライナが大規模な反攻を開始したとき、西側の軍事関係者は、キエフキーウ)がロシア軍を撃退するために必要な訓練や砲弾から戦闘機までの武器をすべて持っていないことを知っていた」

「それでも、彼らはウクライナの勇気と機知に期待した。しかし、ウクライナ軍の大幅な前進はほぼ阻止された」

 筆者はこのようなネガティブな評価は問題であり、もっと反転攻勢の本質を理解した客観的な評価が必要だと思っている。

 7月21日に米国コロラド州で開催された「第14回アスペン安全保障フォーラム」では、ウクライナの反転攻勢が重要なテーマになった。

 多くの参加者から「ウクライナの反攻はまだ始まったばかりで終わっておらず、ロシアが戦争に負けることは避けられない」という趣旨の発言があった。

 ウクライナウォロディミル・ゼレンスキー大統領自身も「反転攻勢は思ったよりも攻撃速度が遅い」ことは認めているが、攻勢開始以前から「この攻勢作戦は難しいものになる」とも発言している。

 彼はアスペン安全保障フォーラムで、次のように述べている

ウクライナ軍は春に反攻作戦を開始する計画だったが、地雷除去装置などの兵器や弾薬が不足しており、ウクライナ軍の海外での訓練が継続されていたため、延期せざるを得なかった」

ウクライナの反攻作戦が遅れたことで、ロシア軍は地雷原を含む複数の防衛線を確立することができた」

 一般的に攻勢作戦における失敗とは、攻撃を行い敵よりも大きな損害を被ったにもかかわらず、攻撃を続けることだ。

 しかし、ウクライナ軍の反転攻勢は違う。

 ザポリージャ州のオリヒウ~トクマク正面における緒戦において、手痛い失敗を犯してしまったが、その後の柔軟な戦術変更により態勢を立て直している。

 ウクライナ軍は兵士の命を大切にし、被害を最小限に抑えながらロシア軍の戦力を削ぐ「阻止作戦(Interdiction Operation)」を重視している。

 つまり、ウクライナ軍は当初の失敗を分析して戦術を変え、攻撃前進を急ぐよりも射程の長い精密なミサイルや砲弾(「ハイマース」のM30・M31ロケット弾、精密誘導砲弾エクスカリバーなど)を使用して、ロシア軍の奥深くに存在する高価値目標(弾薬補給所などの兵站施設、司令部、榴弾砲やロケット砲、予備部隊、電子戦機器)を徹底的に打撃する戦法に切り替えた。

 その効果は明らかに出てきている。

 本稿においては、今後のウクライナ軍の反転攻勢の成功の条件について分析したいと思う。

1:反転攻勢を前向きに評価する各国首脳

 7月20日以降になって、ウクライナ軍の反転攻勢の将来について肯定的に発言する首脳や専門家が増加していることに留意すべきであろう。

 ウクライナ総司令官ヴァレリー・ザルジニー大将は7月20日、米国統合参謀本部議長マーク・ミリー大将と会談し、次のように述べた。

ウクライナ軍は、敵の極めて複雑な地雷原、対戦車障害、火力にもかかわらずロシア軍を整然と撃破しており、我が領土を奪還するための攻撃行動を続けている。我々はいくつかの正面で成功を収めている」

 ゼレンスキー大統領アスペン・フォーラムにビデオリンクを通じて参加し、以下のように述べている

「我々は春に反攻を開始する計画だったが、正直なところ、十分な弾薬と武器を持っていなかったし、適切な訓練を受けた旅団を持っていなかった」

「現在、困難にもかかわらずウクライナ軍は前進している。ウクライナ軍は、人員、軍備、装備を失いたくなかったので、かなり慎重に攻撃行動に臨んだ」

「しかし、出遅れたウクライナ軍の反転攻勢がスピードアップすることを期待している。すでに地雷が敷設された地域を通過し、地雷除去を行っているからだ」

 アントニー・ブリンケン米国務長官も同フォーラムで、「ウクライナの反攻作戦について結論を出すのは時期尚早であり、ウクライナが反攻作戦のために準備したすべての兵力を投入することで、ウクライナは戦場で大きな違いを生む可能性が高い」と述べている。

 コリン・カール前米国防次官も同フォーラムで次のように語っている

ウクライナの反転攻勢がウクライナ南部のロシア軍の防衛線を突破するのは特に難しい。ウクライナ軍はゆっくりと、しかし意図的に行動している。戦闘力の大半はまだ反転攻勢に参加していない」

「多くの人はこのことを理解していない。ウクライナ軍がロシア軍の防衛の弱点を見つけたら、そこを突破して前進する機会を見つけるだろう」

 以上のように各国の要職に在る者のウクライナ反転攻勢に関する前向きなコメントには理由があるのだ。

2:フェーズ1の本質は「阻止作戦」

ウクライナ軍の攻撃軸と段区分

 ウクライナ軍の攻勢作戦は主として3方向から開始された。

 第1攻撃軸は「トクマク軸(ザポリージャ州西部軸)」、第2攻撃軸は「ベリカノボシルク軸(ザポリージャ・ドネツク州境軸)」、第3攻撃軸は「バフムト軸」だ。

 この中で第1攻撃軸と第2攻撃軸での作戦は主作戦(反転攻勢の最も重要な作戦)であり、第3攻撃軸の作戦は支作戦(支作戦は主作戦の次に重要な作戦で、主作戦の成功を支える作戦)である(図1参照)。

図1 ウクライナ軍の攻撃軸とロシア軍の攻撃方向

 なぜ、ザポリージャ州に関わる2つの軸が主作戦かと言うと、この方向から攻撃しアゾフ海まで到達すると、ロシア軍の陸の補給路を簡単に遮断できるからだ。

 この陸の補給路は、ロシア本土(ロストフ)~マリウポリ~メリトポリ~ヘルソン州~クリミア半島の経路とその逆の経路のことで、これを遮断してしまうと、ザポリージャ州とヘルソン州は兵站的にロシア本土やクリミア半島から遮断されてしまう。

 つまり、この2州に存在するロシア軍は兵站的に完全に分断され孤立し、敗北せざるを得なくなるのだ。

 だからウクライナ軍の主作戦はザポリージャ正面なのである。

 ウクライナの主作戦正面における反転攻勢を大きく段階区分すると「フェーズ1:一部の部隊による攻撃と阻止作戦」、「フェーズ2:主力による本格的な攻撃」であり、現在は「フェーズ1」の段階である。

 フェーズ1における「一部の部隊による攻撃」の目的は、ロシア軍の陣地・配備の弱点を見出すことだ。

 ウクライナ軍は一部の部隊(第47機械化旅団、第65機械化旅団)によるトクマク軸での攻撃を試みたが失敗した。この攻撃は6月初旬に開始され、約10日間継続した。

 この攻撃が成功しそうにないと分かると、ウクライナ軍は阻止作戦に移行した。

フェー1で「一部の部隊における当初の攻撃」がなぜ失敗したのか

 ウクライナは、バフムトのような消耗戦ではなく、機動戦を行うためにNATO(北大西洋条約機構)加盟各国から供与された兵器を駆使して、ロシア軍の防御陣地を迅速に突破する予定であった。

 しかし、いくつかのミスが重なり合って当初の攻撃は失敗した。

 まず、ウクライナ軍の攻撃において地雷原処理が最も厄介なものになっている。

 ロシア軍が設置した障害、特に地雷原に対する過小評価があった。地雷処理車や地雷処理導爆索を使用した機械的な地雷処理を行ってきたが、それだけでは不十分だった。

 そして、当初攻撃した部隊が諸兵科連合作戦の原則を怠ったことも大きな問題であった。

 戦車と歩兵戦闘車による攻撃を助ける対空火器、電子戦装置、砲兵の支援が不十分だったのだ。

 そのため、ロシア軍攻撃ヘリ「Ka-58」の射撃や砲兵の射撃で攻撃が頓挫したのだ。

 最初の攻撃が失敗して以降、ウクライナ軍は戦術戦法を変更して対処しようとしている。

 つまり、ロシア軍の障害が頑強で、自らの人員兵器の消耗なしに迅速に地雷原を突破することができなかった教訓を受けて、障害処理の要領と攻撃要領を変更した。

 まず、地雷の処理を機械力のみに頼ることなく、工兵による(人力による)処理を併用するようになった。

 また、新たな攻撃要領は、戦車、歩兵戦闘車先導の攻撃ではなく、歩兵の小部隊による下車戦闘と強力な対砲兵戦を併用したものになった。

 ただし、歩兵による下車戦闘を主体にすると攻撃速度は低下する。

 今後、ロシア軍に十分な損害を与えた後であれば、西側の装備のほとんどがまだ投入されていないことを考慮すれば、機動による防衛線の突破を将来的に再び試みることは可能であろう。

 機動戦の前には、敵の防衛線を弱体化させることが必要であり、西側諸国ではこれを空軍によって行う。戦闘機が航空優勢を獲得し、攻撃機が地上目標を破壊する。

 しかし、ウクライナ軍の「F-16」供与の要望は拒否され、航空優勢なき反転攻勢を余儀なくされている点が致命的な弱点になっているのだ。

フェー1における阻止作戦

 フェーズ1における中核の作戦である阻止作戦について簡単に説明する。

 阻止作戦は、敵軍または補給品が戦闘地域に到着または使用される以前の段階において、これの移動を阻止、遅延、混乱、破壊することを目的とする作戦だ。

 もしもウクライナ軍が航空優勢を確保していれば、阻止作戦の主体は航空戦力が担うことになる。

 しかし、ウクライナ軍の航空戦力はロシア軍の10分の1であり、航空優勢を常時確保することはできない。

 つまり、ウクライナ軍は、航空優勢なき状況下において阻止作戦を実施しなければいけないのである。ここに苦戦の大きな原因がある。

 ウクライナ軍は、攻撃機ではなく英国から供与された「ストームシャドー(Storm Shadow=空中発射巡航ミサイル)」、「ハイマース(High Mobility Artillery Rocket System=高機動ロケット砲システム)」、榴弾砲などを使用した阻止作戦を行っている。

 NATO加盟国は当初、ウクライナから求められたF-16供与の要望を軽くあしらってきた。「今の段階でウクライナにはF-16は必要ない」とまで発言する者もいた。

 しかし、限られた数の航空機で作戦するウクライナ軍の「航空優勢なき反転攻勢」がいかに大変なものであるかをやっと理解し始めたのだ。

 ウクライナ政府関係者は7月22日、「ウクライナ軍の阻止作戦は、後方地域の軍事目標に対して実施され、ロシア軍の兵站能力と対砲兵戦能力を低下させることに成功している。ロシア軍の損害の約90%はウクライナ軍のミサイル・砲兵部隊によりもたらされたものだ」と表明している。

 つまり、ウクライナのミサイル・砲兵部隊は、西側の高精度ミサイルと砲兵(榴弾砲や多連装砲)による強力で正確な打撃により、ロシア軍の砲兵部隊に大きな損害を与え、ロシア軍はもはや効果的な対砲兵戦を行うことができない状態だという。

 このウクライナ軍の阻止作戦は、早期の領土奪還を優先させるのではなく、ウクライナ軍の人員の損耗を局限しつつ、ロシア軍の人員と装備を徐々に損耗させることを優先する作戦である。

 つまり、攻勢作戦においてスピード重視の領土奪還を優先していないのだ。

 ウクライナ南部作戦軍司令部スポークスマンは7月22日、次のように指摘した

ウクライナ軍が後方地域の奥深くにあるロシアの弾薬庫を攻撃していることが、ロシア軍に兵站上の問題を引き起こしている」

「この傾向はケルソン州におけるロシア軍の砲撃の減少に反映されており、ロシア軍がこの地域で砲弾飢餓を経験していることを示している」

 ウクライナ軍は今、この「阻止作戦」の段階にいる。

 ウクライナ側がこの段階で成功を収めたと感じたら、次の段階、フェーズ2に移るだろう。

3:フェーズ2・主力による攻撃、成功の条件

 ウクライナ軍はフェーズ1の目的を達成したと判断した時点で、フェーズ2に移行するであろう。フェーズ2の成功の条件は何かを中心として記述する。

 作戦の原則は「敵の弱点に対して、徹底的に戦闘力を集中して攻撃する」ことである。

ロシア軍の弱点を衝く

 戦争の勝利と敗北には様々な要素が関係する。

 ウクライナ軍には航空戦力の劣勢などの問題があるが、ロシア軍にも様々な問題点がある。ロシア軍の問題点を衝くことによりウクライナ軍の勝利が可能になる。

ロシア軍の構造的な欠陥と火力の問題

 ロシア軍は戦争開始以降、戦争の大義に対する不信・士気の低下、疲労困憊、物資不足、ロシア指導者間の内紛のために規律・団結の低下に苦しんでいる。

 特に、プリゴジンの乱以降、ウラジーミル・プーチン大統領のリーダーシップの問題とロシア軍の構造的欠陥は深刻になっている。

 アスペン・フォーラムでは、プリゴジンによるクーデター未遂事件についても議論された。CIA(米中央情報局)のウィリアムバーンズ長官は次のように語り、プーチン政権の弱体化を示唆した。

「特に、プリゴジンクーデター未遂事件以降、秩序を司るプーチンの強いリーダーとしてのイメージに慣れ親しんでいた多くのロシアエリートたちの間で、プーチンの判断力、乱への対処の適切さ、優柔不断さについて、深い疑問が湧き起こっているはずだ」

 また、プリゴジンの乱以降、多くの将軍が罷免されるなどの処罰を受け、国防省やロシア軍の内部の不和が明らかになっている。

 とりわけ、ザポリージャ州の重点地域を担当する第58諸兵連合軍司令官ポポフ少将がショイグ国防相と対立して解任されたことは衝撃的だった。

 また、榴弾砲等の火力は陸戦における決定的な要素であるが、ザポリージャ州における対砲兵戦でウクライナ軍に敗北を喫したために、虎の子の榴弾砲や多連装ロケットを失ったことは致命的だ。

ロシア軍には大きな予備部隊が不足している

 第1線以降のロシアの守備ラインは、現時点ではほぼ無人であることを示唆している。

 ロシア軍は、彼らが名付けた「ゼロライン」(ウクライナの支配地域とロシアの支配地域との直接の境界線=現在の接触線)における攻防を重視している。

 ゼロラインの後方から前線に部隊が移動・配置されている。ウクライナの前進に対抗するため、ロシア軍予備兵力も前線に移動・配置されている。

 これらの進展は、10個以上の旅団からなるウクライナの攻撃的機動打撃部隊の大部分が投入されていない状況にもかかわらずだ。

 ロシア軍の砲兵隊を前線に近づけているため、ウクライナ軍はこれに対してドローンやHIMARS、155ミリ榴弾砲による攻撃を行っている。

 戦線の広範囲をカバーする人員を欠くロシア軍は、少なくとも戦闘が起こる場所でウクライナの部隊と交戦することを選んでいるようだ。ロシア軍の予備部隊が前線に投入されている状況だ。

 結果として、ロシア軍第一線の後方には部隊がほとんどいない状況だ。

   ウクライナ側は兵力と装備を温存するため、ロシア軍を前線の「キルゾーン」に誘致し、通常ならもっと後方にいるはずの砲兵を引っ張り出した。

 このため、ロシア軍の砲兵損失が非常に大きくなっている。

   現在、ロシアの防衛は脆い状態になっている。つまり、ゼロラインで過負荷がかかり、大損害を受けているのだ。

 ウクライナ軍がロシア軍の歩兵部隊と砲兵部隊を攻撃し続けることで、突破口が開かれる前に防衛態勢が空洞化する可能性がある。

●ヘルソン州におけるロシア軍の勢力は小さく、障害も十分ではなく弱点となっている

 ウクライナ軍によるドニエプル川東岸アントノフスキー橋付近における橋頭保は拡大が続いている。

 この正面はロシア軍がカホフカダムの破壊に伴う河川氾濫の影響で当初は渡河作戦が不可能だろうと思われていたが、現在は河川幅が狭まり渡河作戦が可能と思われる所が存在する。

 この正面から戦車等の重戦力を推進することができれば、迅速に攻撃が進捗する可能性がある。

 これはロシア軍にとって大きな危機を迎えることになる。

ウクライナ軍の戦闘力の集中

 ウクライナ軍は戦闘力ロシア軍陣地の弱点に集中すべきだ。

 ロシア側は、ルハンスク州のクピャンスク~クレミンナ方面を重視し、約10万人の人員と約900両の戦車を集中して攻撃しているが、ウクライナ軍の対応により攻撃は阻止され、状況は落ち着いている。

 一方、ロシア軍は、ウクライナの主作戦正面であるザポリージャ州やヘルソン州において防御を行っている。このような両軍の態勢において、ウクライナ軍としてはもっと主作戦正面に戦闘力を集中すべきだ。

図2 トクマク軸

 ザポリージャ州における地雷等の障害は濃密に構築されていて、ウクライナ軍機甲部隊の前進を拒否している。

 特に「ザポリージャ西部軸」の中のオリヒウ~トクマク~メリトポリ正面は3重の濃密な障害と陣地が構築されている。

 敵の弱点を攻める観点からはこの正面の攻撃は避けたい。このトクマク正面を避けて、その両側の軸を攻撃したい。

 つまり、西側のカミャンスケ・ロブコベ軸(図2参照)と2州の州境沿いのベルカノボシルク軸(図1参照)からの攻撃である。この2軸からの攻撃が進捗すると、その後の攻撃前進は早まるであろう。

 バフムト正面はあくまでも支作戦正面であるので、この正面での攻撃に大きな戦力を割き、膨大な被害を出すのは避けたい。

 主作戦正面に最大限寄与するために、この正面には必要最小限の戦力を充当し、最終的には攻撃から防御に転換する必要があると思う。

 奇襲の観点で重視すべきはヘルソン正面からの攻撃である。

 この正面がロシア軍の弱点であるだけに、ぜひヘルソン正面からの攻撃を追求してもらいたいものだ(図1参照)。

 いずれの正面における作戦においても、諸兵科連合作戦を忘れることなく、総合戦闘力を発揮して作戦を成功させるべきだ。

結言

 この戦争をウクライナの勝利で早く終結させなければいけない。

 ロシアに勝利を与えてはいけない。気になるのはバイデン政権の兵器支援が小出しで抑制的な点で「ロシアを挑発しないように、かつウクライナが崩壊しないように支援する」姿勢であるように見えて仕方がない。

 米国が採用すべきは「ウクライナが早く勝利できるように支援する」ことだ。両者には大きな違いがある。

 その差は、武器供給の質と量、各国首脳の決断のスピード、制裁のレベルに大きな影響を与える。いずれにしろ、ウクライナには時間がない。

 ウクライナの人たちにとっては、この戦争が長く継続すればするほど、兵士たちの戦傷者の増加、民間人の犠牲の増加、インフラウクライナの財産の破壊の増大につながるのだ。

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