岡田麿里監督によるアニメ映画アリスとテレスのまぼろし工場』より、圧倒的な映像と、中島みゆきによる主題歌楽曲が心に刺さる本予告映像&主題歌音源が解禁された。

【動画】中島みゆきが初のアニメーション映画への書き下ろし楽曲「心音(しんおん)」を提供 『アリスとテレスのまぼろし工場』本予告

 本作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の脚本家であり、監督デビュー作『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里の監督2作目。数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品だ。作品世界に惚れ込んだ中島みゆきが、初のアニメーション映画への書き下ろし楽曲「心音(しんおん)」を提供する。

 主人公・菊入正宗役を『呪術廻戦虎杖悠仁役の榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役を『SSSS.GRIDMAN新条アカネ役の上田麗奈、謎の少女・五実役を『リコリス・リコイルクルミ役の久野美咲が演じる。また、主人公・正宗の父親で、製鉄所に勤める菊入昭宗役を瀬戸康史、同じく製鉄所に勤め、何かと正宗を気にかける叔父・菊入時宗役を林遣都が演じることも明らかになっている。

 このたび、本予告映像が解禁された。「菊入正宗14歳。大嫌いな佐上睦実の手によって導かれる。囚われの少女へと」という正宗のモノローグから始まり、1人の少年と2人の少女たちが出会う瞬間が切り取られている。続いて、出口を失い時まで止まった町の遠景が映し出される。儚いくらいに美しい太陽の光に包まれた繊細な映像は、まさに“時が止まっている”ことを感じさせる。

 無邪気に走り回り、パンをほおばる謎の少女・五実の姿に一瞬なごまされるが、映像は一転。「俺は!」「私たちは…意味ないのに!」と衝動的に叫びながら転がりまわる正宗と睦実が映り、それを目撃していた五実の「痛い…」という胸が張り裂けそうな絶叫が響き渡る。

 “その少女の心には決して触れてはならない”という、意味深な文字が映し出され、重なるように中島みゆきの歌声が鳴り響く。「綺麗で醜い嘘たちを 僕は此処で抱き留めながら」「僕は本当の僕へと 祈りのように叫ぶだろう」「未来へ 未来へ 未来へ 君だけで行(ゆ)け」という歌詞が、止められない衝動のように空を駆け巡り、地面に襲い掛かるすさまじい”煙”のうねりにかぶさり、疾走感をあおっていく。

 そして、閉じ込められ変化することを禁じられた世界に対して、このままでいいのか?と、その衝動のままに駆け出していく少年少女たちを鼓舞し、うねりのような力強さと、そして無数の光となって降り注ぐ。思わず息をのむような迫力が観るものの心に刺さる。

 「届いた台本をおそるおそる読み始め、最後まで読み終わらないうちに、どっぷり、岡田麿里様のしもべとなっておりました」と本作の物語に心を動かされ、初のアニメーション映画への楽曲を書き下ろした中島みゆき。「心音(しんおん)」と名付けられた楽曲の歌詞には、「空は信じられるか 風は信じられるか」「味方だろうか悪意だろうか 言葉を呑んだ」「誰も触れない 誰も問わない 時は進まない」との言葉が並ぶ。台本から紐解いたストーリーを描写する歌詞からは、中島の本作への強い思いが伝わってくる。

 映像の最後には、消え入りそうな少女の声で「大嫌い…」という一言が聞こえる。誰に向けて放たれた言葉なのか、“恋する衝動”を武器に、少年少女たちは未来へと駆け抜けることはできるのか、本編への期待がふくらむ映像になっている。

 なお、中島は「後日うちのスタッフがCDジャケットの描き下ろしまでお願いしたと聞いて、中島は血の気が引きました。なんという厚かましいお願いでしょう。中島、ひれ伏して御礼申し上げるばかりです」と言葉を添えている。

 アニメ映画アリスとテレスのまぼろし工場』は、9月15日より劇場公開。

映画『アリスとテレスのまぼろし工場』本ポスタービジュアル (C)新見伏製鐵保存会