「melt into you」は6月にスタートした全5公演からなるツアーで、タイトルには「マルシィの楽曲を通じて、少しでもあなたの中に溶け込みたい」というメンバーの思いが込められている。また「melt into you」はオーディエンスの声出しが解禁されたマルシィ初のツアー。ファイナルのZepp Haneda（TOKYO）公演には10代から20代を中心とした約2800人のファンが集まり、マルシィに惜しみない声援を送った。
マルシィ初となるZeppでの単独公演を観ようと、大勢のファンがひしめき合うZepp Haneda（TOKYO）のフロア。開演を予告するアナウンスが流れると、観客から自然と拍手が巻き起こった。場内が暗転してブルーのライトがあたりを照らす中、吉田右京（Vo, G）、shuji（G）、フジイタクミ（B）、サポートの藤田亮介 （Dr）はキラーチューン「最低最悪」で勢いよくライブの口火を切る。続く「ワスレナグサ」では温かなアンサンブルがフロアをそっと包み、「雫」「ピリオド」では聴衆がセンチメンタルな楽曲の世界観にじっくり浸った。
吉田は「ツアーファイナルということでめちゃめちゃ気合いが入ってるんですよ。こんなに多くの人がマルシィを知ってくれて、こんなに幸せなことはないです」とあふれる思いを口に。そして彼らはマルシィの真骨頂とも言える淡く切ないラブソング「ラズベリー」「オードトワレ」を奏でた。切ない余韻が残る場内には、突如としてダイナミックなドラミングが轟く。そのままなだれ込むように披露されたのは、メロディアスなギターフレーズが印象的な「もしもの続きを少しだけ」。ファンは緩急のあるビートに乗せて腕を上げ、ジャンプを繰り返した。
ギターを置いた吉田は「未来図」でマイクを握り締め、切々とした歌声を届ける。曲中にはオーディエンスの温もりあふれるシンガロングがフロア中に響き渡った。MCではshujiが「止まらないで突き進むんでよろしくお願いします。本当に感謝を伝えたくてここに来ました」と話し、フジイが「Zeppでワンマンってヤベーなって。本当にありがとうございます」と感情を高ぶらせる。吉田は「マルシィやっててよかったなと思える時間です」と感慨深げに語った。
ライブ定番曲「プラネタリウム」が始まると、オーディエンスから歓喜の声が。大いに沸き立つ観客に向けてshujiは鮮やかなギタープレイを、フジイはトレードマークの青い髪を豪快に揺らしながら骨太なベースラインを放ち、会場にさらなる熱気をもたらした。激しさ極まるロックチューン「牙」のあと、改まった表情となった吉田は、言葉を絞り出すように胸の内を明かす。「苦い思い出とか、逆に楽しくて戻りたくなる思い出とかいろいろあると思うけど、どんなことでもみんなの今を形作ってる大切な思い出であって、俺にもそういうものがあります。戻れないけどあの頃を思って歌います」と訥々と語り、「アリカ」で心の痛みを表現するように、ひたむきに歌声を届けた。そしてマルシィは、初めて作ったという曲「Drama」を演奏し、本編最後の「大丈夫」で瑞々しいアンサンブルに乗せ、ポジティブなメッセージを送った。
アンコールを求める熱い声に応えて、ステージに戻ってきたマルシィ。ツアーの終わりを目前に名残惜しそうな表情を浮かべるメンバーは、ギターのアルペジオをきっかけに「絵空」をしっとり奏でた。最後には、ファンに捧げるように心温まるミドルチューン「幸せの花束を」を贈ったマルシィ。代表して吉田が「めちゃめちゃ最高で幸せなツアーでした」と叫んだあと、メンバーはZepp Haneda（TOKYO）にちなんで飛行機のポーズで記念撮影を行った。
ツアーを成功に収めたマルシィはファンクラブ「Marcy House」を開設し、11月から12月にかけて東名阪で初のファンクラブツアーを開催。今秋には2ndアルバム（タイトル未定）をリリースする。
「マルシィ one man live tour 2023 "melt into you"」2023年7月21日 Zepp Haneda（TOKYO） セットリスト
01. 最低最悪
02. ワスレナグサ
03. 雫
04. ピリオド
05. ラズベリー
06. オードトワレ
07. もしもの続きを少しだけ
08. 未来図
09. プラネタリウム
10. 牙
11. 君のこと
12. アリカ
13. ラブストーリー
14. Drama
15. 大丈夫
＜アンコール＞
16. 絵空
17. 幸せの花束を
マルシィ FCツアー
2023年11月24日（金）愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2023年12月1日（金）大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2023年12月17日（日）東京都 ヒューリックホール東京
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