27日で朝鮮戦争の休戦協定締結から70年となったのに際し、ロシアのショイグ国防相が北朝鮮を訪問。金正恩総書記らとともに軍事パレードを参観したと見られる。

ウクライナ侵略をめぐり米欧などとの対立を深めるロシアにとって、「プーチン絶対支持」を掲げる北朝鮮はそれなりに重要な存在だろう。また戦争が長期の持久戦になれば、いずれ本格的に、北朝鮮に弾薬類の供給を頼ることになるかもしれない。

だが、ショイグ氏らロシア軍首脳部と金正恩総書記の間には、過去に因縁がある。2014年11月に訪露してプーチン大統領やショイグ氏、ゲラシモフ参謀総長と会い、軍事協力の拡大で合意した当時の玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏を、金正恩氏が処刑したのだ。

それも、普通のやり方ではなかった。大勢が見守る中、ヘリコプターなどへの攻撃に使われる大口径の4連高射銃で、玄永哲氏の体を粉々に吹き飛ばしてしまったのである。

公開処刑は、金正恩氏の祖父の時代から行われているものだが、高射銃が用いられたのは金正恩時代になってからだ。玄永哲氏が処刑された2015年には、金正恩氏は最高指導者となってまだ3年目だった。

このとき、ロシア北朝鮮の関係が進展しなかったのは、この処刑のせいであると韓国では報じられた。プーチン氏やショイグ氏にも処刑の様子に関する情報は入ったはずだが、彼らは金正恩氏の「正気」を疑ったのではないだろうか。

もっとも、あのような無茶苦茶な戦争を隣国にしかけるプーチン政権のやることも、正気の沙汰とは言えない。

だが、そうしたやり方で権力を維持し、自分たちのやり方を周囲にも押し付けようとする人々が現実にいるのだ。そして彼らは、核兵器で武装している。

米国は、ロシアとの間で核戦争に発展するのを避けるため、ウクライナへの派兵など直接的な軍事介入を避けている。おそらく米国は、北朝鮮に対しても先に手出しするようなことはないのではないか。

ショイグ氏は今回、金正恩総書記の案内で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの兵器の展示物を見て回った。今やロシアの政権要人たちは金正恩氏の正気を疑うのではなく、頼もしく思っているかもしれない。

ショイグ氏と面会した金正恩氏(2023年7月27日付朝鮮中央通信)