土用の丑の日」は、スーパーなどで買ったうなぎの蒲焼を自宅で楽しむ…という人も多いのではないだろうか。今回は、自社のSNS等でさまざまな情報を発信している「日の出 料理酒」でおなじみのキング醸造株式会社に、自宅でうなぎをおいしく食べるコツを聞いた。

【写真】うなぎをふっくらおいしく仕上げるために準備はたったこれだけ!

うなぎをおうちでおいしく食べる決め手は「料理酒」

市販のうなぎの蒲焼を、フライパン電子レンジでそのまま温めると固くなってしまった…という経験はないだろうか?キング醸造株式会社によると「お酒を入れて温め直す人も多いのですが、実はお酒よりも料理酒のほうがよりうま味とコクを感じられ、おすすめです」とのこと。ちょっとした工夫でふっくらおいしく仕上がるという、その方法はこちら。

手順1.フライパンと料理酒、アルミホイルを用意する。

手順2.フライパンアルミホイルを敷いて、うなぎ蒲焼きを切り並べ、料理酒を1尾につき大さじ2杯加える。

手順3.フタをして中火にかけ、全体が沸騰して湯気が吹き出すまで温めればできあがり!

鍋がない場合などは、電子レンジでもOK。耐熱皿にうなぎ蒲焼きを切り並べ、料理酒を1尾につき大さじ1杯をふって、ラップを軽くかけ電子レンジ(500W)で1分程加熱し、ラップをはずしてさらに30秒加熱すると、ふっくら仕上がるという。

■料理には清酒ではなく料理酒がおすすめ!

ここで、ちょっと豆知識。料理用として市販されている酒には、清酒と料理酒があるが、これらの違いは何なのだろうか。清酒は、米や米こうじおよび水その他法令できめられたものを原料として発酵させて濾した酒。一方、料理酒は清酒の調味料としての働きを追求し加塩発酵したもので、「醸造調味料」と表記される。

料理酒・清酒どちらもアルコール分が臭みと一緒に蒸発することで、肉や魚の臭みを消す効果がある。また、アルコールのはたらきで食材の水分を保ち、食材をやわらかくし、ほかの調味成分がアルコールと一緒に浸透することで料理の味を均一に仕上げられるという。

ただ、両者の違いは、うま味とコクの出方なのだとか。料理酒は料理にうま味とコクを加えるために、原材料の米をあまり削らず、それにより有機酸アミノ酸が多く含まれるという。一方、清酒は、味わいをスッキリさせるために米の外側を削って酸味や雑味を押さえていることから、料理酒のほうがアミノ酸などのうま味成分が多く含まれるため、料理には料理酒が適しているのだそう。

■まだある!料理酒をつかった超意外な裏ワザ

キング醸造株式会社から、料理酒の意外な活用法をほかにも教えてもらったので紹介したい。

<刺身>

●分量の目安

・刺身…4~5切れ ・料理酒…大さじ1

●作り方

刺身をキッチンペーパーの上に置き、料理酒を上からかけて、キッチンペーパーで挟み込むようにして表面を拭う。すると、いつもの刺身がワンランクアップ!

<ご飯>

●分量の目安

・冷めたご飯…約2合分 ・料理酒…大さじ1

●作り方

炊飯器に残った冷えたご飯に料理酒を全体に振りかけ、保温ボタンを押して温めなおす。すると、冷めたご飯がおいしく復活!

※レンジの場合、お茶碗1杯に対して料理酒(約小さじ 1/2)を全体に振りかけ、電子レンジ(500W・1分~)で加熱。加熱してもアルコール分を感じる場合、様子を見ながら再加熱してアルコール分を飛ばそう。

フレンチトースト

●分量の目安

食パンバゲットなど…1~2枚 ・市販のバニラアイス(200ml)…1個

・料理酒…大さじ3

●作り方

1.バニラアイスは室温において溶かす。

2.平たい容器に1と料理酒を入れて混ぜ合わせる。

3.2にパンを置き、両面に液を浸み込ませてからバターをひいたフライパンで焼き目が付くまで焼いて完成。しっとりおいしいフレンチトーストに!

※アルコールが気になる場合は、料理酒をバニラアイスと混ぜ合わせる前に沸騰させてアルコールを飛ばしてから加えよう。

■料理酒売上No.1は「日の出 料理酒」

実は現在、料理酒カテゴリーで売上本数国内トップ(※)を誇っているのが「日の出 料理酒」。1975年から発売されているロングセラー商品で、清酒に塩を加えた「酒塩」という日本の伝統調理法をヒントに、酒と塩を合わせて調味料として開発した加塩タイプの料理酒だ。

※インテージSRI 料理酒カテゴリー2010年10月~2023年6月(売上本数)より

料理酒には塩を加えた加塩タイプとお酒だけの非加塩タイプがあるが、「日の出 料理酒」は加塩タイプなので、肉や魚の臭みを消し、食材を柔らかく仕上げる効果も。さらに、うま味やこく味とほんのり塩味を付けて味を調えてくれる。料理酒というと、あってもなくてもどちらでもよいと思われがちだが、加塩タイプの料理酒は料理をおいしく仕上げるために、むしろ積極的に使うべき調味料かもしれない。

今年の土用の丑の日は、早速「日の出 料理酒」を使って家庭でふっくらおいしいうなぎを味わおう!

SNS等を使った料理酒のさまざまな活用法の発信について、「日の出料理酒」を製造・販売しているキング醸造株式会社の広報担当・竹内氏に話を聞いた。

ーー「うなぎを“料理酒で蒸すだけ”でおいしくできる」などの料理酒の活用法について、情報発信されている意図や狙いを教えてください。

私たち「日の出(ブランド)」は「醸造のチカラで、世界中の人々においしさ、笑顔をお届けする」という思いで商品をお届けしています。潮干狩りにいけば、あさりの酒蒸しが食卓に出たり、7月は土用の丑の日うなぎがスーパーでよく並ぶように、日本には風土・四季に応じた素晴らしいメニューや食材が数多くあり、各ご家庭で広く楽しまれています。その家庭の食卓をよりおいしくする一助として、料理酒をうまく活用していただきたいと思っております。お料理のヒントになるように公式サイトでも「日の出の裏技」として、手軽な方法や意外な方法を紹介しています。

ーー今回の「うなぎに料理酒を使う」というアイデアは、どのようにして生まれたのでしょうか?

少なくとも25年以上前からおすすめしている使い方なので、いつ・どのようにして生まれたのかは定かではありません。ただ、料理酒自体も料理人の方々が使われている技法をヒントに生まれましたので、うなぎの温め方も、実際に料理人の方々が裏技・コツ的に使われていた方法なのかもしれません。

とてもおいしくなる使い方なので、一般のご家庭でもぜひ取り入れていただければと思い、長年推奨しております。ただ、大手企業のようにテレビCM等の大型広告を出す体力がありませんので、店頭でのPOPやリーフレット等で長年地道な啓蒙を続けております。

近年ではWeb・SNSによる情報発信ができる環境になりましたので、公式Webサイトや自社SNSアカウントでも積極的に発信しております。弊社公式サイトの「うなぎの温め方」ページは、1年を通してアクセス数の多い人気ページになっています。

ーー最後に、料理酒に関してお伝えしたいこと、メッセージなどをお願いします。

アルコールが含まれているので加熱は必要ですが、料理酒は、ほとんどの料理・食材に使える汎用性の高い調味料です。メインの味付けにはならなくても下味をベースアップしてくれるので、どんどん使って、料理を楽しんでいただきたいです。

料理酒でうなぎがおいしくなる!?その理由は?