インテルが、バイエルン所属のスイス代表GKヤン・ゾマーの獲得に近づいているようだ。27日、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』やドイツメディア『スカイスポーツ』が伝えている。

 現在34歳のゾマーはボルシアMGで約8年半に渡って絶対的守護神として活躍した後、今年1月にバイエルンに電撃加入。長期離脱中だったドイツ代表GKマヌエル・ノイアーの代役として公式戦25試合でゴールを守り、ブンデスリーガ11連覇に貢献した。しかし、時折見せた不安定なパフォーマンスやノイアーの戦列復帰が近付いていることが相まってか、今夏の移籍市場での退団の可能性が浮上。現時点で去就は不透明となっている。

 そんなゾマーに熱烈な関心を寄せているのがインテル。同クラブを巡っては、正GKとして昨シーズンのコッパ・イタリア制覇およびチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出に貢献した元カメルーン代表GKアンドレ・オナナが、マンチェスター・Uへ完全移籍。約1カ月後に開幕を迎える2023-24シーズンに向けて、新守護神の確保が今夏の優先事項となっている。

 今回の報道によると、かねてから交渉を進行していたインテルは、既にゾマー本人と個人的な条件で口頭合意に達しているとのこと。バイエルンとの間でも“良好な交渉”が行われており、移籍成立の可能性が高まっているようだ。また、ゾマーとバイエルンとの現行契約には、600万ユーロ(約9億円)の契約解除条項が設定されているものの、インテルはそれよりも低い金額での取引成立を目指しているという。クラブ間での交渉は間もなく重要な局面に入ると見られており、『スカイスポーツ』のフロリアン・プレッテンベルク記者は、バイエルンのアジアツアーが終了する来週にも移籍が決定する可能性があると指摘している。

 なお、バイエルンはゾマーの退団に備え、新たなGKのリストアップを進めているという。『スカイスポーツ』や『シュポルト・ビルト』などのドイツメディアによると、ブレントフォード所属のスペイン代表GKダビド・ラヤやマンチェスター・Uを契約満了で退団した同GKダビド・デ・ヘアの名前が、獲得候補として挙がっているようだ。

去就に注目が集まる(左から)デ・ヘア、ゾマー、ラヤ [写真]=Getty Images