7月28日(金)よりライブ・ドキュメンタリー「TOMORROW X TOGETHER:OUR LOST SUMMER」が配信される。TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)は、BTS(防弾少年団)の弟分として、2019年にHYBEエンタテインメントからデビューした5人組ボーイズグループ。デビュー翌月からアメリカ6都市でのUSツアーを行い、10月に発売した1stアルバムはビルボード・ワールド・アルバム・チャート3位を記録。年末には韓国の新人賞10冠を総なめにするも、翌年よりパンデミックの影響を受けて活動を制限されてしまった。しかし、アルバムごとに新たな世界観を展開し、2023年1月に発売した5thアルバムでは、米・ビルボード200で1位を獲得。デビューからわずか4年目で頂点をつかんだのだ。今回は厳しい状況下でも諦めずに成長を続け、“K-POP第4世代”を牽引する存在となったTOMORROW X TOGETHERについて紹介する。

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■美形ぞろいでスタイル抜群の5人組

「TOMORROW X TOGETHER:OUR LOST SUMMER」は、パンデミック後、初のワールドツアーを行った2022年夏の5人に完全密着したライブ・ドキュメンタリー。7月28日(金)より、ディズニープラスにて独占配信(全1話/約80分)。

TOMORROW X TOGETHER(以下TXT、ティーバイティー)は、リーダーのSOOBIN(スビン)、”伝説の練習生”のYEONJUN(ヨンジュン)、元バンドマンのBEOMGYU(ボムギュ)、子役出身のTAEHYUN(テヒョン)、ブラジル生まれのドイツ系アメリカ人と韓国人ハーフ・HUENINGKAI(ヒュニンカイ)によるボーイズグループ。平均身長が180cm超えで全員がスタイル抜群。美形ぞろいの上に歌やダンスのスキルも高く、デビュー前から注目を浴びていた。しかし、それは彼らの努力の賜物だった。

5人の中で最初にHYBEの前身であるBig Hit Entertainmentの練習生となったのは、1999年9月生まれで最年長のYEONJUN。中学時代にダンスを経験し、そこから歌手に憧れを抱いたYEONJUNは2015年に入所。もともと別の事務所の練習生だったが、Big Hitのスタッフに熱心にスカウトされたため、Big Hitのオーディションを受けて入所したそうだ。

彼のスキルは全てにおいて抜きん出ており、月末に行われるダンス、歌、ラップ全ての評価において1位を獲得し、伝説の練習生と呼ばれていた。8歳から2年間アメリカに住んでいたため、英語が得意。英語で進行される韓国の音楽番組「After School Club」などで、流ちょうな英語を披露している。

■冷静なのに甘えん坊、リーダーなのにドジっ子など、ギャップも魅力

2016年3月に入所した2002年2月生まれのTAEHYUNは、幼少期から大きな目が印象的な子どもだった。そのため、キッズモデルとして活躍したり、ローカル局の番組に出演していたという。その後、中学生の時にソウルの街中でスカウトされて、Big Hitに入所した。子どもの頃から仕事をしていたせいか冷静に物事を考えるタイプで、「名言製造機」と呼ばれるほどの論理派。しかし、兄たちに甘える顔を見せたり、趣味のトレーニングで筋肉を鍛え上げていたりと意外な一面も。独自のバラエティー配信番組「TO DO X TXT」でも回を重ねるごとにおちゃめな表情を見せている。

TAEHYUNとほぼ同時期に入所したのが、2000年12月生まれのSOOBINだ。メンバーの中で唯一、自らBig Hitのオーディションに応募して入所した人物。しかし、事務所に伝えた電話番号が間違えていたため、連絡が取れず、スタッフが必死にSOOBINを知っている人を探し回ったそう。そんなドジっ子だが、グループでは彼がリーダーを務めている。TXTではメンバーがリーダーの重責を知るために、全員が2、3週間ほどリーダーを担当。その際にスタッフが評価点を付け、一番点数の高かった彼が選ばれたという。時折、BEOMGYUとふざけ過ぎることもあるが、困った時には決まってフォローしてくれる優しいお兄ちゃん。えくぼのかわいいベビーフェイスも人気の理由だ。

■年少組のHUENINGKAIとBEOMGYUはハイスペックの持ち主

それから半年後の2016年9月に、2002年8月生まれで最年少のHUENINGKAIが入所した。HUENINGKAIは歌手である父親の影響で幼少期から音楽に触れており、もともとは姉と妹と共に別の事務所のオーディションを受けていた。そこには残念ながら合格できなかったが、その事務所のスタッフがBig Hitに転職したのをきっかけにHUENINGKAIをスカウト。おかげでTXTの一員になることができたのだ。

ちなみに姉のリアは元アイドルで現在はモデル・インフルエンサーとして活動。妹のヒュニンバビエはKep1erの一員として活動中。見目麗しい芸能一家らしい。入所当時は小さかったが、その後、身長が20cm以上伸び、185cmのSOOBINに次ぐ、183cmもの高身長に。心身共に大きな成長を見せている。

最後に入所したのは、2001年3月生まれのBEOMGYU。学生時代から美貌を誇っていたBEOMGYUは、地元の大邱でバンド活動を行い、ギターを担当していた。そんなある日、Big Hitのスタッフに大邱でスカウトされるも最初は「試験期間でソウルに行けないから」と断ったそう。しかし、そのスタッフが再び大邱までやって来たため、何かを感じてオーディションを受けることに。歌でもダンスでもなく、ギターだけで合格し、2017年3月に入所した。

歌もダンスも経験のないBEOMGYUは、ここからが大変だった。レッスン期間の短さをカバーするために、高校への入学を1年遅らせてレッスン三昧の日々を送ったそう。その後、一つ年下のTAEHYUNと共に、ハンリム芸能芸術高等学校に入学するとBEOMGYUをスカウトするための行列ができたという逸話も。

■最長4年の練習生時代を経て、2019年3月4日にデビュー

こうして個々に努力を重ね、2019年1月10日に“異なる君と僕が一つの夢のために集まり、一緒に明日を作っていく”という思いが込められたグループ名「TOMORROW X TOGETHER」が発表され、3月4日にミニアルバム『THE DREAM CHAOTER:STAR』でデビューした。しかし、すでに米・ビルボード200の常連だったBTSの”弟分”というポジションは、メンバーにとって大きなプレッシャーだったはずだ。2023年4月11日BTSSUGAがホストを務める配信トーク番組「シュチタ」にYEONJUNとTAEHYUNがゲスト出演した席で、TAEHYUNが「デビュー当時から周囲から持たれる偏見が多いのは当然のグループだと思っていた」と語っていた。

しかし、先輩や事務所が授けてくれた翼を折らないように誠実に音楽に向き合ってきた。その結果、大きな成果を手に入れたが、「TOMORROW X TOGETHERを(米ビルボード200で1位が取れる)価値あるグループにしてくれたのは、間違いなくMOA(TXTのファンの愛称)の皆さんだ」とTAEHYUN。

この誠実な思いは恐らく5人共通のもので、だからこそデビュー以来、輝きを増し続けているのだろう。「TOMORROW X TOGETHER:OUR LOST SUMMER」では、そんな彼らがパンデミック後、ようやくファンの前で歌う姿を見ることができる。舞台裏の姿も見られるので、より彼らの魅力を知ることができるはずだ。

◆文=及川静

TOMORROW X TOGETHERの魅力に迫る/(C) 2023 BIGHIT MUSIC & HYBE