女性読者を中心にシリーズ累計430万部(紙+電子)を突破する 大ヒットレディースコミックシリーズ、 湊よりこ「セフレの品格(プライド)」(双葉社 JOUR COMICS)が映画化。

ジャンルを問わず話題作を多数生み出し続け、 高い評価を得る鬼才・城定秀夫監督を迎え、 行平あい佳、青柳翔のW主演で映画『セフレの品格(プライド) 初恋』が公開中、『セフレの品格(プライド) 決意』が 8月4日(金)に公開となります。

城定秀夫監督に作品へのこだわりや制作過程について、お話を伺いました!

――まずは原作についての印象を教えていただけますでしょうか?

映画化に携わる前から広告などで存在は知っていて、今回のお仕事をきっかけに読ませていただいたのですが、インパクトのあるタイトルとはまた違った印象のある、面白くて読みやすいお話だなと感じました。

――そんな原作をどの様な映画にしようと思いましたか?

こういうお話なので、あまり照れずに、エロはエロに振り切って描こうと思いました。ポルノとはまた違うのですが、ベッドシーンもしっかりと見せていこうと。原作の方もしっかりと描写されているので、上品になりすぎずに。かといって下品にはならないように、そのへんのバランスはとりながら取り組んでいました。

――行平さん、青柳さんも体当たりのお芝居でした。

タイトルを見ただけでも驚かれると思うので、キャスティングはかなり難航したのですが、(配給の)日活さんのお力で皆さんに出ていただけることに。青柳翔さんのお名前を聞いた時は「本当に出ていただけるの?」と驚きました。原作の一樹とは少しイメージが違うと思いますが、映画の中ではちょっとワイルドな一樹を熱演してくださいました。

行平あい佳さんは以前一度ご一緒していて、今回改めてオーディションに来ていただきました。行平さんは、抄子の役柄よりはずっと若くて、中学生の子供がいる様には見えないかもという懸念点があったのですが、結果的にすごくハマってくれたなと。落ち着いた雰囲気と、どこか寂しそうなところが醸し出す色気を持っている方だと思います。そして笑うとすごく可愛らしい所が魅力的です。

――ベッドシーンもセクシーで綺麗に作られていますね。

ベッドシーンに関しては、監督があれこれ言うよりもある程度俳優さんにおまかせする部分が多い、演出の手の届かない所が多いので、そのあたりをどう作っていこうか不安もあったのですが、お2人にすごく思い切ってやっていただいてありがたかったです。劇場でここまでのベッドシーンを観ることはあまり無いと思うので、楽しんでいただきたいです。

――改めて「セフレ」っていう言葉って不思議だなと思います。本作での2人の関係も曖昧でもどかしいけれど、結びつきが強くもあるような感じで。

セフレという関係を描いているのですが、恋愛作品ではあり、そこらへんの塩梅は意識しました。恋人とセフレの違い、夫婦とセフレの違いはどこにあるのか。これまでも、サブキャラクターとしてセフレの2人が描かれることはあったと思いますが、なかなか主人公の映画って無いと思うので、前例の無い面白さと難しさはありました。「セフレっていいよ」と言っている作品では無いし、かといって否定しているわけではない。「こういう関係ってあるんだよ」と、僕として受け入れて、彼女らの気持ちになって描いているのですが。

――原作を読んで「こういう気持ちがあるのか」といった驚きを感じたことはありますか?

原作が女性作家さんによるものということで、僕には書けない部分というか、物語としてこういう部分を掬い上げるんだ、という驚きがありました。撮影に関しては、主に男性向けの作品と、主に女性向けの作品で変わってくるのかな?と思ったのですが、そこに違いはあまり無かったですね。あまり写しすぎないという部分はありますが、2人の気持ちがどこにあるかという違いだけで、撮影は同じでした。原作はレディコミですが、それが青年雑誌と何が違うのかといったら、そこにもあまり本質的な差は無いと思うんですね。

――あくまでも恋愛の形の一つですよね。

そうですね。一つの恋愛関係だと思って楽しんでいただけたら嬉しいです。
セフレという関係に救われている方もいるでしょうし、100人いたら100通りの形があると思うので、周りがやいのやいの言うものではないだろうし、多様性の世を望むなら少なくとも頭ごなしに否定すべきではないとも思いますね。先ほどと重複してしまいますが。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

セフレの品格 初恋』公開中、『セフレの品格 決意』8月4日(金)公開

行平あい佳 青柳 翔
片山萌美 新納慎也
初恋:川瀬陽太 こころ 伊藤克信 寺島まゆみ 田中美奈子
決意:髙石あかり 石橋侑大 大嶋宏成
原作:湊よりこ『セフレの品格』(双葉社 JOUR COMICS)
監督・脚本:城定秀夫
主題歌:前野健太「ああ…」(romance records)

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映画『セフレの品格(プライド) 』城定秀夫監督インタビュー「100人いたら100通りの恋愛の形がある」