「なんで勝負するんだ!」
現地時間7月28日に敵地で行われたブルージェイズ戦。初回に大谷翔平(エンゼルス)が39号となるソロアーチを放った直後、相手ベンチで飛んだ怒声は球界で小さくない話題となった。
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前日に2打席連続アーチを放っていた大谷。まさしく絶好調と言える二刀流戦士に対して、ブルージェイズのバッテリー、そして首脳陣は真っ向勝負を選択。しかし、初球、初スイングでライトスタンドへと楽々と運ばれてしまったのだ。
球場全体が熱狂の坩堝と化したなかで、苛立ちを爆発させたのが、三塁で一発を目の当たりにしたマット・チャップマンだった。ベンチに戻るやいなやジョン・シュナイダー監督のもとへと歩み寄ると、「なんで初回からいきなりオオタニと勝負するんだよ。あのチームで打てるやつは、アイツたった1人だけだぞ!」と主張したのだ。
チャップマンが険しい表情で訴えるシーンは、試合中継を行っていた『Apple TV』で大きくクローズアップされた。そしてSNSを通じて瞬く間に世界へ広まると、小さくない波紋を呼んだ。
米誌『Sports Illustrated』のブルージェイズ番を務めるミッチ・バノン記者のツイートによれば、チャップマンは試合後に「自分は競争心が高くて、ただ試合に勝ちたいだけ。ネガティブなやり取りとかではない」と説明したという。だが、彼の言動には一部のエンゼルス・ファンから「舐めている」「失礼じゃないか」といった不満の声が噴出した。
おそらく「ただ試合に勝ちたいだけ」だったというチャップマンに、相手チームを揶揄する意図はなかった。あくまで球界屈指の強打者と安易に勝負したチームを一喝したかっただけだろう。
ゆえに“エンゼルス側”からもチャップマンを擁護する声が出ている。米ロサンゼルスのラジオ局『KLAA』の人気コメンタリーで、球団公式番組のホストも務めているトレント・ラッシュ氏は「個人的に気になるのは、選手と監督の会話が公になったことだ。ダグアウトでのことはプライベートなことであってほしい。私は彼の競争心を尊敬しているし、もしも、私がエンゼルスの選手なら何も気にしない」と騒動の問題点を指摘した。
たった一発で相手ベンチを混乱させる。これもまた大谷の偉才ぶりを物語っていると言えそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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