フルトン戦で世界を震撼させる強さを発揮した井上(左)。そんな怪物と偉人パッキャオ(右)が対峙したらどうなるか。(C)Getty Images

 世界が愕然とした衝撃的なフィニッシュワークだった。7月25日に東京・有明アリーナで行われたタイトルマッチで、WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者のスティーブン・フルトン(米国)を破った井上尚弥(大橋)のそれだ。

 対峙したのは、キャリア21戦無敗を誇る難攻不落の王者。しかし、「最高のモチベーション」と語った井上は強かった。8回に渾身の右ストレートでフルトンをたじろがせると、追撃の左フックも炸裂。この2発によるダメージは致命的なものとなり、ダウンからの再開後にレフェリーストップがかたった。

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 新階級での初陣でフルトンを圧倒した井上。25戦無敗22KOの“モンスター”には世界が驚き、そして称賛の声を送った。そうしたなかで、往年の名トレーナーは歴史的なメガマッチの実現への淡い期待を口にした。

 6階級制覇王者マニー・パッキャオを育て上げた伝説のトレーナーであるフレディー・ローチ氏は、米ボクシングメディア『Fight Hype』のYouTubeチャンネルにおいて「イノウエパッキャオとやる試合は見たいね。パッキャオはその試合のために準備万端でいることはできると思う」と断言。レジェンドとのマッチメイクを打ち出したのだ。

 無論、現在44歳のパッキャオはすでに現役引退。来年に元K-1 WORLD MAX王者のブアカーオとのエキシビションマッチを行う予定ではあるが、最盛期は過ぎている。ゆえにローチ氏もリップサービスの面は少なからずあるだろう。

 それでもボクシングの酸いも甘いも熟知する名伯楽は、「彼(井上)は階級を上げなきゃね。135ポンド(ライト級)かな」とも吐露。文字通りのドリームマッチに興味津々と言った様子で語った。

 もしも、井上が「世界最強」と恐れられたパッキャオと試合をしたなら、いかなる内容となるのか。あまりに非現実的なのは百も承知だが、見てみたい顔合わせなのは間違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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