2024年2月東京を皮切りに、全国13カ所にて「『大誘拐』~四人で大スペクタクル~」が上演されることが決定した。

本作の原作『大誘拐』は、天藤真1978年に発表した推理小説。第32回日本推理作家協会賞受賞、82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取り百億円を略取した痛快な大事件を描いた作品だ。
1991年には岡本喜八が脚本・監督を務め、北林谷栄、風間トオル、樹木希林、緒形拳などが出演し映画化もされている。

今回舞台版に挑む出演者も発表された。
とし子誘拐を企てる犯人グループのリーダー戸並健次に、中山優馬。誘拐のとんでもない協力者、柳川家の元家政婦でとし子を心から慕う中村くら(くーちゃん)に、柴田理恵。その誘拐事件を迎え撃つ和歌山県本部長井狩大五郎に、風間杜夫。そして、柳川家の当主、大奥様の柳川とし子に、白石加代子と、魅力的な4人が決定した。4人はその他のすべての登場人物も演じる。

上演台本・演出は『奇跡の人』、『ラヴ』、『ピエタ』の他、『百物語』シリーズなど多くの作品を手掛ける笹部博司。ステージングは、2021年 NHK 大河ドラマ『青天を衝け』の振り付けで注目を集めている、カンパニーデラシネラ主宰・小野寺修二が務める。

【あらすじ】
刑務所の雑居房で知り合った戸並健次(中山優馬)らは、出所するや誘拐の下調べにかかる。狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自当主とし子刀自(白石加代子)。齢82を重ねてなお矍鑠と周りを魅了する女丈夫であるという。実は健次は柳川家が支援する孤児園の出身で、とし子との忘れられない思い出があった。
さて、ある夏の日。健次率いる若者グループにとし子が誘拐される。誘拐の報に、とし子を生涯最大の恩人と敬う、凄腕警察本部長井狩大五郎(風間杜夫)が捜査に乗り出す。一方、誘拐犯が要求しようとしていた身代金が五千万と知ったとし子は激昂、百億にしろと言い放ち、3人を従え、自ら身代金強奪の指揮をとり始める。まずは、柳川家の家政婦として仕えていたとし子を慕うくーちゃん(柴田理恵)宅に押し寄せ、アジトにしてしまう。
かくして 4 人の役者は揃い、前代未聞の大誘拐劇が繰り広げられる。
さて、とし子刀自の本当の狙いとはいったい何なのか……。
この誘拐劇の結末やいかに?!


出演者コメント

■戸並健次役、ほか:中山優馬

中山優馬

中山優馬

【役柄】
大阪刑務所にて3度目の服役となったスリ師、とし子誘拐の主犯、とし子が支援する孤児園の出身

大誘拐に出演出来る事大変嬉しく思います。
作品に溢れる生きていく事への愛や強さを皆様に届けたいと思います。そして大誘拐ならではの、緊張感と共に存在するワクワク感を楽しんで貰いたいと思います。
大阪人として血が騒ぎ出す役だと思っています。劇場でお待ちしています。

■中村くら(くーちゃん)役、ほか:柴田理恵

【役柄】
くーちゃん、とし子の元家政婦。今も、とし子を神のごとく慕っているが、その忠誠心は想像を絶している。

この大誘拐は役者陣が凄く面白いと思うんです。
白石加代子さん、風間杜夫さん、中山優馬くん、そして私。
出会いそうで出会わない四人が協力して、たった4人で大勢を演じる。大変ですが、やりがいがあります。大先輩の加代子さんや風間さんに、必死でついて行きます。

■井狩大五郎役、ほか:風間杜夫

風間杜夫

風間杜夫

【役柄】
和歌山県本部長、柳川家の奨学金で東大を卒業。
百億の身代金と聞いて闘志を燃やす。

今回は新しい形の演劇で、朗読あり芝居ありで、四人の出演者がさまざまな役を演じ分けるという画期的な試みです。
しかも「大誘拐」という大作。四人で舞台に立つのは初めてですが、白石加代子さん、柴田理恵さん、中山優馬君と大変力がある方ばかりで、その中に私が加わります。
私のメインの役は和歌山県本部長 井狩大五郎になります。 最後、おばあちゃん(白石加代子さん)と対決し、事件の真相に迫るのですが、そこは特に興味深い場面になると思います。舞台「大誘拐」楽しんでいただければ幸いです。

■柳川とし子役、ほか:白石加代子

白石加代子

白石加代子

【役柄】
大奥様、日本随一山林王、柳川家の当主。八十二歳にして頭脳明晰、その頭脳からとんでもないことが次々と

私が演じさせていただくのは、誘拐される紀州の大富豪、八十二歳の柳川とし子刀自です。
そして、この誘拐事件を計画したのが、実は誘拐された当人である柳川とし子刀自。
誘拐の身代金が百億円。相手は国家。…という大掛かりなお話です。
奇想天外でトンデモナイ物語。どんな作品になるのやら、私自身、想像もつきませんが、劇場で皆様をお待ちいたしております。

『大誘拐』~四人で大スペクタクル~