国際親善試合「スカパー!ブンデスリーガジャパンツアー2023 Audi Football Summit」の川崎フロンターレvsバイエルンが29日に国立競技場で行われ、0-1でバイエルンが勝利した。

バイエルンは26日にマンチェスター・シティと対戦。先制を許しながらマティス・テルのゴールで試合終盤に追いつくも、その5分後に勝ち越しゴールを許し、1-2で敗れていた。今回の川崎F戦では今夏に加入したキム・ミンジェやテルがスタメン入り。移籍の噂があるマネやケガを負ったウルライヒがメンバー外となった。

一方、現在J1で7位につける川崎Fは22日に行われた明治安田生命J1リーグ第16節ヴィッセル神戸戦を経てドイツ王者に挑戦。小林悠が久々にスタメンに名を連ね、家長昭博はベンチスタートとなった。

試合開始直後は川崎Fアグレッシブにボールを奪いに行く。2分には右サイド高い位置でボールを奪うと、橘田健人からボックス内の脇坂泰斗へスルーパス。そのままシュートまで持ち込んだが、これはバーの上へと越えていった。

10分ほど経過すると試合状況は一変し、一気にバイエルンペースに。10分、レロイ・サネの折り返しにテルが合わせると、直後に再びテルがボックス内でシュート。11分にはキム・ミンジェがインターセプトから左サイドを駆け上がり、クロスにテルが合わせたが、いずれも決めることができなかった。

その後もサネがシュートまで持ち込むなどバイエルンが主導権を握る中、川崎Fアクシデントが発生。脇坂が相手選手との接触により脳震盪を起こし、18分に瀬古樹と交代している。

その後は試合展開が少し落ち着き、膠着状態に。緊張感のある時間帯が続く。

終盤に差し掛かると、先制点を奪いたいバイエルンが再びチャンスを創出。43分にはボックス手前でボールを受けたジョシュア・キミッヒがシュートを放ち、45分にはセルジュ・ニャブリの右からの折り返しにテルが合わせたが、どちらも枠内に収めることができなかった。

ハーフタイムを終えると、バイエルンはメンバーを9人入れ替え、ベンチスタートだったキングスレー・コマンやレオン・ゴレツカ、ダヨ・ウパメカノ、マタイス・デ・リフトなどが登場した。

対する川崎Fも5人選手を交代。小林悠や山根視来、チョン・ソンリョンなどが下がり、レアンドロ・ダミアンや山田新、上福元直人がピッチに姿を現した。

後半立ち上がりは前半同様、川崎Fが前がかりに。46分にはボックス手前中央から瀬古がパンチのあるシュートを打ったが、GKヤン・ゾマーがしっかりと弾いた。

試合の均衡が崩れたのは57分。敵陣右サイドでパスカットしたヨシプ・スタニシッチがそのまま持ち上がり、味方とのワンツーでGKとの一対一に。落ち着いてゴールに流し込み、バイエルンが先制に成功した。

川崎Fも機を見てチャンスを作る。63分、右サイドを突破した大南拓磨がそのまま中央へクロス。橘田がボレーで合わせたが、枠内には飛ばせなかった。

65分には山田が決定機を迎える。左サイドから崩すとファーでボールを受けて切り返し、GKゾマーの目の前で左足を振り抜いたが、これもクロスバーの上に飛んだ。

70分頃を過ぎると、今回途中出場となったコマンが存在感を発揮し、73分には左サイドから仕掛けて右足でシュートを放つ。5分後にも自陣から1人で前線まで持ち上がり、ボックス手前で右ポケットのアリヨン・イブラヒモビッチへパス。イブラヒモビッチのシュートはゴール左へと外れた。

その後、徐々にテンポを取り戻し始めた川崎F。83分には左ポケットに顔を出した名願斗哉がフリーでボールを受け、すかさずシュートを打ったがゴール左へ。

終盤にはイブラヒモビッチに続々と決定機が訪れるが、86分のシュートは左ポストに弾かれ、89分のシュートはGK上福元がセーブ。追加点を奪うことはできない。

後半アディショナルタイムには、ライアングラフェンブルフがクロスに合わせるもこれもバーの上。両チームともに決定機を欠いた一戦は、スタニシッチのゴールを守りきったバイエルンが0-1で制した。

川崎フロンターレ 0-1 バイエルン
バイエルン
ヨシプ・スタニシッチ(後12)