バレンシアは29日、同クラブに所属しているウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニとの契約を双方合意の上で解除したことを発表した。

 カバーニ1987年2月14日生まれの現在36歳。母国のダヌービオでキャリアをスタートさせると、2006-07シーズン途中の2007年1月にパレルモへ完全移籍加入。欧州上陸を果たした。パレルモでは在籍した3シーズン半で公式戦117試合に出場して37ゴールをマーク。2010年夏にナポリレンタル移籍し、シーズン終了後に完全移籍へ切り替わった。ナポリでは2012-13シーズンにセリエA34試合の出場で29ゴールを挙げ、得点王を獲得。在籍した3シーズンで公式戦通算138試合出場104ゴールを記録した。

 2013-14シーズンからはパリ・サンジェルマンPSG)でプレー。7シーズンで6度のリーグ・アン制覇を経験し、個人としても2016-17シーズンから2シーズン連続で得点王に輝いた。PSGでは公式戦通算301試合のピッチに立ち、200ゴールを挙げている。2020年夏にはマンチェスター・Uと2年契約を締結。自身初挑戦となったイングランドでは、初年度から公式戦39試合に出場して17ゴールをマーク。一方で翌シーズンは負傷の影響もあって本来のパフォーマンスを発揮できず、公式戦20試合の出場で2ゴールにとどまった。

 マンチェスター・Uを退団した後、2022年夏にフリートランスファーでバレンシアに加入した。ラ・リーガ第9節エルチェ戦から3試合連続ゴールを挙げるなど、シーズン前半戦は主力として活躍したものの、後半戦は負傷の影響もあって出場機会が減少。チームも37シーズンぶりとなる2部降格の危機に瀕するなど混迷を極めるシーズンとなった。最終的にバレンシアラ・リーガを16位で終えたものの、カバーニ個人としては公式戦28試合の出場で7ゴールと鳴りを潜めるシーズンに。昨シーズンに途中就任し、新シーズンも指揮を取るルベン・バラハ監督はカバーニを構想外とみなしていることが報じられており、ここまで開催された今夏のプレシーズンマッチにも出場していなかった。

 バレンシアはクラブ公式HPを通してメッセージを発表。「バレンシアエディンソン・カバーニプロフェッショナリズムに対して公の場で感謝を表明するとともに、彼の残りの選手キャリアが幸せなものとなることを願っている」と綴った。

 なお、カバーニについてはアルゼンチンの強豪であるボカ・ジュニオルスへの完全移籍加入が決定的だと報じられている。移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏によると、2024年末までの1年半契約を結ぶ見込みだという。アルゼンチンメディア『TyCスポーツ』によると、この後カバーニウルグアイに移動して家族や友人との時間を過ごした後、アルゼンチンに移動して正式契約を結ぶ模様。すべての手続きが順調に進めば、8月3日に行われるコパ・リベルタドーレスのラウンド16ファーストレグ・ナシオナル戦がカバーニのデビュー戦となる可能性もあるようだ。

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カバーニのメスタージャでのプレーはわずか1年で見納めとなった [写真]=Getty Images